PLアプローチとBSアプローチ

3月 5th, 2013 | Posted by admin in 経営

PLアプローチとBSアプローチ

財務諸表を見る(アナリスト)・作る(経営管理)仕事をトータルで7年近くやってきて、世の中には2つのアプローチがあると思う。

まず、一つはPLアプローチ。一番わかやすいのは、確定申告。確定申告は、その年の給与、不動産、雑収入から、医療費、保険等の控除を引いて、最終的な納税すべき、もしくは、還付する金額を確定する。言ってみれば、個人の1年のPL(Profit & Loss)をまとめたモノともいえる。セクターによって、異なるけど、アナリストの分析も、どちらかといえば、PLアプローチが多い。株価は、EPS(一株あたり純利益)×PER(株価収益率)で表すことができて、EPSとPERを当てることができれば、株価は予測できる(が、実際、これはとても難しい、とくに、PERは人間の期待値なので、合理的に見積もるのは困難)。要するに、1年にどれだけの損得をしたか、これがPLアプローチ。

一方、BSアプローチはちょっと違う。身近の例では、銀行口座の預金残高(バランス)。預金残高は1年で完結する話ではなくて、何年、何十年と続く話。そして、預金残高がマイナスになったら、企業は立ち行かなくなる。だから、売上を増やす、経費を削減する、もしくは、売掛金(入金)と買掛金(出金)のサイクルを調整する(できるだけ早く入金して、できるだけ遅く出金する)、どれだけ預金残高を増やして、ひいては、会社の規模を大きくすることができるか、これは企業戦略によるところが多い。で、この預金に限らず企業の財産の残高(バランス)を記録しているのが、BS(バランスシート)であり、BSアプローチは、積み重ね(ストック)ともいえるかもしれない。

PLアプローチとBSアプローチ、どちらが良いというわけでもないけど、自分はBSアプローチが好きだ。PLアプローチは、企業の長い歴史のなかでの、ほんの一つのスナップショットにしか過ぎない。一方、BSアプローチの場合は、”創業以来継ぎ足してきたツユ”のように、会社の歴史が色濃くBSに反映されている。ある方に、”企業の経営はBSをみればわかる”と教えられたけど、まったくその通りだと思う、やっぱり、BSは大事です。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.