チャンドラー方式

5月 24th, 2013 | Posted by admin in 経営

いくらがんばっても、アイデアがでてこないときはある―自分の場合だと、モノを書くときとか、企画を考えるときとか、そんなときどうするか。

とりあえず、自分はチャンドラー方式をやってみることにしている。

このチャンドラー方式は、村上春樹が作家レイモンド・チャンドラーが小説を書くコツについて書いたもので、彼もそれを実践しているという。村上春樹いわく、

まずデスクをきちんと定めなさい、とチャンドラーは言う。自分が文章を書くのに適したデスクを一つ定めるのだ。そしてそこに原稿用紙やら(アメリカには原稿用紙はないけれど、まあそれに類するもの)、万年筆やら資料やらを揃えておく。きちんと整頓しておく必要はないけれど、いつでも仕事ができるという態勢にはキープしておかなくてはならない。そして毎日ある時間をーたとえば2時間なら2時間をーそのデスクの前に座って過ごすわけである。それでその2時間にすらすらと文章が書けたなら、何の問題もない。しかしそううまくいかないから、まったく何も書けない日だってある。書きたいのにどうしてもうまくかけなくて嫌になって放り出すということもあるし、そもそも文章なんて全然書きたくないとういこともある。(中略)
たとえ、1行も書けないにしても、とにかくデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、2時間じっとしていなさい、と。

「村上朝日堂 はいほー!」(村上春樹、新潮文庫)p40

”神”はいつ降ってくるかわからない、だからこそ、規則正しく、降臨を待つと。

これって、小説だけではなくて、モノを生み出すという点ですべてに当て嵌まると思う。

新しいビジネスを立ち上げました!といっても、その日から、世の中のトレンドになるというケースはまずない。

やはり、新しいもの≒尖っているものであり、そのビジネス・製品がどんなに素晴らしくても、興味を持つのは、アーリーアダプターという消費者のなかでもごくわずか。そこから、世の中みんなが認知するまでには時間がかかる。

そして、全く売れなくても、”チャンドラー方式”のようにあきらめずにコツコツ続ける、ここにチャンドラー方式の神髄があるのかもしれない。

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