となりへー地に足をつけること

11月 18th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (となりへー地に足をつけること はコメントを受け付けていません。)

 先日、丸の内の地下を歩いていて、たまたま、靴修理のミスターミントの前を通りました。ミスターミントは、いつものように靴修理とスペアキーの他に新しくスマホ修理というのがあって、なるほど、と思いました。

最近だとiPhoneのガラスが壊れたというのは自分も経験あるけどスマホのガラスが割れることはよくおきます。そして、わざわざアップルストアにいくよりも、近くのミスターミントで直してもらった方が、やっぱり便利です。ミスターミントにとって、スマホ修理のスキルは、たぶん、スペアキー作成、靴修理と似たようなスキルだと思う。

 新規事業というと、何やら大したものかもしれない。これまで、自分がいろいろ見ていて、失敗する新規事業は”飛び石”、つまり、全く知見のない分野に参入すること、たとえば、IT受託開発会社がリゾート開発に新規参入といっても、受託開発(お客様の仕様にあわせてソフトを開発する)のスキルとリゾート開発(自分で仕掛けてトレンドをつくる)のスキルは全然違うので、うまくいかないことがおおい。ひるがえって、ミスターミントのスマホ修理、おそらく、ミスターミントにとって新規事業かもしれないけど、知見のある分野かつ初期費用もそれほどかからないので、”となり”の分野への参入といえるかもしれない。そして、”となり”へいくことはとても理にかなっていると思うのです。”となり”から”となり”へどんどん行けば、それにしたがって、ビジネスも大きくなると。

 ミスターミントは上場していないので、どういう状況かわからないけど、こうした地に足をつけるという点で良い会社だと思う。そして、自分も地に足をつけて行きたいと思いました。

「トヨタ生産方式の逆襲」とタイミング

1月 25th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (「トヨタ生産方式の逆襲」とタイミング はコメントを受け付けていません。)

最近は、比較的、古い本、あるいは、古典を読んでいて、新刊はあまり読んでいなかったのですが、ひさしぶりに新刊で良い本に巡り合いました。

筆者は、父親ともにトヨタに勤務し、そこで、トヨタ生産方式、いわゆる、トヨタカイゼン方式を身を以て、体得し、いまは、その指導をされておられる方。

で、トヨタ生産方式というと、JIT(Just In Time)、すなわち、注文が入ったら、すぐに、生産するので、在庫を持たないと一般的に言われている。

が、筆者によると、それは誤りで、はやく顧客にデリバーするためには、内部にストアという中間在庫を持つことで、在庫を持たない場合に比べて、すばやくデリバーできるという。

そして、何より重要なのが、「タイミングで売る」ということ。本書では、こう指摘する。

さて、ここで改めて考えたいのは、3番目の「タイミングで売る」ということです。
これを意識すれば、価格競争に巻き込まれず、それまで顧客に認知されていなかったブランドでも売れることが多いのです。

同書 p64

日本の電機メーカーはこれまで、収益率の低いコモディティ化商品の事業を、雇用維持などを大義名分にして温存してきました。なんとか事業を存続させようとコスト削減しても、その努力には限界があります。価格下落に抗しきれず、たとえ一定量売れたとしても赤字続きで、事業から撤退するか売却するという道をたどってきました。しかし、S社の例が示すように、納期を短縮してタイミングで売るという発想があれば、国内生産でも収益率を維持できるどころか、上向きにすることも可能です。このように再生可能な事業は、まだまだあるのではないかと思っています。
リードタイムが短いと売れて、儲かるのです。商品力そのものを変えてしまうと言ってもいいかもしれません。
同書 p68-69

これは、製造業に限らず、ITにも同じだと思う。

たとえば、水、紙といった日常品をネットで買う場合、結局のところ、価格勝負になる。

で、価格勝負にしないためにはどうればいいか? やはり、タイミング、すなわち、何か欲しいとおもったら、すぐデリバーできる体制、これが価格競争に巻き込まれない要諦と言えるかもしれない。

 製造業のみならず、いろいろと学びの多い本でした。

パーソナライズと経験のあいだ

11月 8th, 2014 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 長橋のつぶやき - (パーソナライズと経験のあいだ はコメントを受け付けていません。)

最近、おもうこと。

最近は、あらゆる分野でパーソナライズが進んでいる。

たとえば、グーグルでは、検索履歴から、自分が次に検索したいものを自分の嗜好にあわせて、提案してくれる(パーソナライズ)。

検索する本人にとっては、「あ、これで検索しようとおもっていた」ということで、提案の精度が高ければ、良いことだ。

そう、デジタル化の進展でパーソナライズが進んでいるけど、世の中すべてがパーソナライズするのだろうか? 

先日、そんなことを考えては、「まあ、そうかもね」と、もやもやしていた。

で、先日、元ミュージシャンで気の合う仲間と話していて、こんな問いをぶつけてみた。

「音楽をライブで聴くお客さんって、性別も違えば、年齢も違えば、趣味・嗜好も違う、そんななかでどうやってお客さんを満足させることができるの?」

彼は、こう答えた。

「お客さんに自分の思っていることを問いかけをして共感してもらう。そして、熱意を伝える。それで、会場が一体になる。たとえば、矢沢永吉のコンサートに一回行ったら確実に共感できる。ビジネスとしたら、次の日、熱意が冷めやらぬうちにファンクラブの勧誘をするのがよい。」

なるほどなあと思った。

パーソナライズというのは、言ってみれば、”お客様第一主義”的な発想だと思う、すなわち、ユーザのことを考えて、ユーザが心地良いものを提供する。

そして、その対極にあるのが、このライブ。アーチストが”熱意”を伝えて、その熱意に観客が惹きこまれる。

たぶん、このライブは、”体験”ともいえると思う。

かつて、スティーブ・ジョブズは、自分の世界観がグレートだと信じて、シンプルな自分の世界観をiMac,iPhoneなどのプロダクトに託した。そのプロダクトには、彼の世界観しか投入されていないので、余計なことは何もできない、伝記によれば、彼はApp Storeさえも最初は反対したとか。そのおかげでセキュリティは保てる。それは置いといて、アップル製品が魅力的なのは、スティーブ・ジョブズの洗練された”体験”をユーザが追体験できるからだと思う。

この”体験”はパーソナライズというよりは、むしろ、”オレの世界観を味わってくれ”といったトップダウンではないと面白くない。ビジネスでよくあるのは、色々な人の話を聞いて、それを反映した結果、”妥協の産物”っぽくなってつまらない製品・サービスになってしまうというのは枚挙にいとまがない。

というわけで、結論。

たしかに、パーソナライズというのはいろいろ便利だし、これからもパーソナライズは増えると思う。

でも、全部がパーソナライズされるわけではない。

むしろ、パーソナライズ化が進んだ結果、”オレノ世界観を味わってくれ”という経験の方が新鮮というケースもあるし、こういうサービスももっと増えてもいいと思う。

そう、やっぱり、パーソナライズ万能ではなく、経験も重要ってことです。

林原家 同族経営への警鐘

6月 13th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (林原家 同族経営への警鐘 はコメントを受け付けていません。)

先週、読んだ本で、印象に残りました。

先日、倒産のことを勉強する機会があり、事業再生ADRと会社更生法は違うという話があって、いまいち、整理できなかったけど、これを読んで、その違いをとてもクリアに理解できました。
かい
林原という大企業がなぜ会社更生法を適用するに至ったのか、当事者の視点で事細かに語られています。

そして、自分の理解では、同族経営への警鐘という点では、やっぱり、ガバナンスだと思う

自分の会社を財布と思って、いくらでも、お金を引き出せると錯覚してしまう、その感覚が破たんにつながった。たぶん、家事ので溶かした大王製紙の元会長と話は似ていると思う。

で、どうやって、ガバナンスを確保するか。やっぱり、現状をきちんと理解することがまず必要だと思う、彼は1日3時間しか会社に出社せず、経理などはすべて弟に任せ、カネが欲しいときだけ、弟に要求したという、これは健全ではないよね。

で、彼は、会計監査人を置いていれば、こんなことにならなかったのにと語っているけど、例の上場している大王製紙でもこんな事態があったので、万能ではない気もする。むしろ、私利私欲を捨てる、ということかなあと。やっぱり、私利私欲がなければ、会社から個人的にカネを借りることはしない。むしろ、会社にとって何をすべきかを考える。これは難しいけど、この難しいことを普通にやる人がやはり偉大なんだなあと思いました。

MBAは士官学校か?

2月 2nd, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (MBAは士官学校か? はコメントを受け付けていません。)

MBAを持っていいない自分がMBAについて語る資格はないのですが、まわりにたくさんのMBAがいることもあり、最近思うこと。

MBAは士官学校か?

MBA(Master of Business Administration 経営学修士)は、ときに、ビジネスの士官学校と呼ばれる。

おそらく、その所以は、MBAをとると、経営・指導に携わる”エリートコース”を歩む点が、士官学校を卒業して、一兵卒ではなく、将校からスタートする点と似ている、という点にあるかもしれない。

たしかに、それはあるかもしれないけど、自分の理解は、たぶん、MBAと士官学校は違うと思う。

先日、ある方から教えていただいたのは、”士官学校の目的は上司から受けた命令を部下にきちんと伝えること”、という。

軍隊の場合、これはとても重要、やはり、上司から受けた命令が、”これはイケてない”とおもって、部下に”イケてないので、これはやらない”といってしまったら、軍隊のような大きな組織は成立しない。だからこそ、ピラミッドの組織を維持すべく、上官の命令を、確実に上手く部下に伝える、こうした中間管理職的な職務は必要だと思う。




MBAを否定するつもりはないけど、やはり、2年程度大学にいったからといって、こうした士官学校的なトレーニングが身に付くとは思えない。だから、MBAはビジネスの士官学校というのは、やはり違う気がする。

だからといって、MBAに価値がないか?

といえば、そうでもない。自分が思うに、様々なバックグラウンドのつながりだと思う。

たとえば、日本の場合、今でも、xx年入社という同期のつながりが深い。でも、同期のつながりだけを重視すると、視野が狭くなってしまう。

だからこそ、ビジネススクールという全くバックグラウンドが違う、そうしたバックグラウンドの違う人とつながることで、新しいビジネスにつながることが多々ある。

逆に言えば、士官学校の問題点は、”同質化”してしまうこと、士官学校の成績が、将来の昇進につながり、多面的な判断ができなくなる。だからこそ、異なるバックグランドの人つながることで新しいビジネス・価値を生み出す、これはこれで素晴らしいことだなあと思います。

だからこそ、たくさんの日本人が、まったく違うバックグラウンドに”飛び込む”、これが重要なのだと思いました。自分も”飛び込み”ます!

ベトナムベンチャー企業訪問記4 Peacesoft

1月 16th, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (ベトナムベンチャー企業訪問記4 Peacesoft はコメントを受け付けていません。)

Peacesoftは、2001年、Nguyen Hoa Binh CEOが学生のときに立ち上げたクロスボーダーのEコマースを手掛ける企業です。同社の主要ビジネスは、1.ペイメントインフラ、2.国内Eコマース、および、3.クロスボーダーEコマースの3部門。

1.ペイメントインフラについては、オンラインペイメントシステムであるnganluong(https://www.nganluong.vn)を独自で開発、銀行などにライセンスしており、ベトナムでナンバーワンのオンラインペイメントプラットフォームとなっています。ペイメントインフラにくわえて、オンライン広告のAdnet(http://www.adnet.vn) の運営、シッピングシステムの開発とITに特化したECのインフラを提供しています。

2.国内Eコマースについては、上記のプラットフォームの国内展開にくわえて、最近、注力しているのが、モバイルペイメント・POS、同社では、SquareのようなモバイルPOS端末の国内展開を実施しています。とくに、ベトナムでは近年クレジットカードが普及しつつあり、“部下がクレジットカードをもっていてびっくりした”(日系企業の日本人の方のコメント)という指摘もあり、クレジットカード利用が高まっています。

くわえて、日本のように宅急便が“確実”に配達してくれるわけではなく、ECの普及率も低い(Binh CEOによればベトナム小売のなかにECが占める割合は0.5%)ため、モバイルペイメントの需要が高まっており、そのソリューションとして提供しています。

3.クロスボーダーECについては、最もわかりやすいのが、ebay.vnの運営。ebay.vnで商品を購入すると、Peacesoftが代理でebayにて購入し、それを購入者に届けるという仕組みです。そして、このドロップシッピングの仕組みを拡張し、ebay, TaoBao(中国最大のECモール)、ヤフー、楽天などから商品を仕入れ、それをASEAN諸国(現状の構想では、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア)へ展開を計画しています。

 同社には、ベトナムのVCであるIDGグループ、ならびに、ソフトバンク(アジア統括)が出資。ベトナム国内におけるペイメントインフラの実績、ならびに、ECというぶれない軸がPeacesoftの企業価値と個人的に感じました。

Nguyen Hoa Binh CEO

横浜マリノスにみるJリーグの経営学

7月 18th, 2013 | Posted by admin in Jリーグの経営学 | 経営 - (横浜マリノスにみるJリーグの経営学 はコメントを受け付けていません。)


先日、横浜マリノス 2012年度 決算をFacebookに投稿したら、とても有益なコメントをいただいたので、シェアさせていただきます。

マリノスの2012年度決算

Jリーグのクラブというフィルターなしに、1企業として横浜マリノス(株)の決算内容を見ると、危機的な内容。まず、貸借対照表(B/S)の純資産の部が、▲16.7億円と大幅マイナス。赤字が累積し、その累損赤字が資本金を上回る、いわゆる、債務超過状態。債務超過=倒産というわけではないものの、少なくとも、銀行に融資をお願いしても、銀行側は貸し倒れのリスクは高いと判断して、おカネを貸してもらえない可能性が高い。

 くわえて、損益計算書(P/L)では、営業収益(売上高)37.1億円に対して、営業費用が42.1億円、主に人件費の負担が重く、営業損失は▲5億円の赤字。キャッシュフロー計算書は、開示されていないけど、おそらく、営業キャッシュフロー(本業から得られる1年間の現金収入)も赤字、すなわち、ビジネスをすればするほど、キャッシュが流出し、赤字がかさみ、債務超過の状態に歯止めがかからない。

債務超過の背景

普通の企業として、横浜マリノスを見た場合、上記のような危機的な状況であるものの、”Jリーグのクラブ”という点からみれば、赤字になること自体はおかしいことではない。その理由は、やはり、収益機会が少ないこと。普通の企業の場合、土日を除く52週間(1年)x5日=260日間、生産・営業・販売活動をするチャンスはあるけど、Jリーグの場合は、リーグ戦34試合、カップ戦6試合、天皇杯1試合=41試合(*1)、プロ野球の場合、144試合なので、試合数にすればプロ野球の方がJリーグより3倍も多い、1試合あたりの入場料収入が同じであれば、当然、試合数の多いプロ野球の方が収入も多い。くわえて、横浜マリノスの入場者数は、自社努力によって、2012年度は増えているものの、Jリーグ全体の入場者数が減っている。というわけで、プロサッカー選手を維持するための人件費 > 入場料・広告収入、すなわち、赤字になると。

(*1)ただし、カップ戦6試合は予選リーグのみなので、決勝トーナメントで優勝すると+5試合、天皇賞についても優勝する場合は、2~7回戦までの6試合なので、最大は34 + 11 + 6 =51試合、ただし、アジア・チャンピオン・リーグに出場する場合を除く

ただし、他クラブと横浜マリノスが違うところは、横浜マリノスの場合、経営の独立性を上げていること。横浜マリノス嘉悦朗社長へのインタビューによれば

親会社にクラブの赤字を補填してもらって、財務を表面的に穏やかに見せるようなことを僕はやりたくはない。そもそもマリノスの社長に就任したとき、日産から「赤字補填なしでやっていけるように改革してくれ」と言われていました。どこまで自力でやれるか、本気でチャレンジしたいんです。経営の透明性ですよね。

と経営の透明性を確保すべく、他のクラブが親会社からの赤字補填があるのにたいして、横浜マリノスの場合、親会社である日産からの赤字補填をしない経営方針のために、累損が膨らむ図式となっている(キャッシュフローでいえば、営業キャッシュフローは赤字だけど、財務キャッシュフローがプラスなので、フリーキャッシュフローがトントン)。

親会社への依存

 閑話休題。万年赤字のJリーグクラブが累積赤字を解消するために、親会社に頼る、この図式は、自分にはかなり見覚えがある風景。とくに、自分はIT子会社(親が大手企業で、その大手企業向け情報システムの開発・運用をする)と付き合うことがおおくて、その多くは、Jリーグクラブと同じ。すなわち、親会社の情報システムのメンテナンスが中心なので、当然、赤字が続く。親が体力があるうちは問題ないけど、いざ、体力が落ちると、外販(親以外の会社にシステム・ソリューションを販売)などの形で、”親離れ”が必要になる。でも、この”親離れ”ができない企業が結構多い。まさに、子会社にとっては、”親がなんとかしてくれる”と思っているからだ(もちろん、こういう会社だけではなくて、きちとん、親離れできているIT子会社もたくさんあります)。

クラブライセンス制という黒船

 やはり、累積赤字を親会社が補填するというのは、あまり健全でない。クラブも1企業である以上、フリーキャッシュフローをプラスにして、きちんと、税金を支払うのが企業の役割の一つだと思う。こうしたこともあり、2013年度から導入されるのが、「クラブライセンス制度」、もともと、ドイツにおいて各クラブのリーグ参加資格をチェックするために生まれた規格で、今年からJリーグクラブにも適用される。様々な規則があるけど、ここで関係するのは、財務基準。Wikiによれば、Jリーグのクラブとしてプレーするためには、以下の財務基準を満たす必要があり、満たせない場合は、下位リーグであるJFL等への降格になる可能性がある。

財務基準
・年次財務諸表(監査済み)を提出し、Jリーグの審査を受けること(A基準)。その際、3期連続の当期純損失(赤字)を計上していないこと(2012年度-2014年度の3年間以降で算定)および債務超過でないこと(2014年度から算定)が必須条件となる
・移籍金や給与の未払いが生じていないこと(A基準)

3期連続の当期純損失もあるけど、やはり、論点は、何度か指摘している債務超過でないことだろう。結論として、今回取り上げる横浜マリノスについては、親会社の補填なくして、債務超過の解消は不可能だろう。そして、親の援助なくして、黒字をキープできるクラブはかなり限られると思われる。

で、どうするか?

 こうした点を踏まえると、Jリーグクラブの経営はかなり難易度が高い。財務リストラとして、人件費をさらにカットすれば、選手のモチベーションが下がる→チームの成績が落ちる→入場料・広告収入が減る→赤字がさらに拡大、とネガティブスパイラルに陥る可能性が高い。だからといって、いつまでも親にたよれるかと言えば、IT子会社の例のように親会社がつねに体力があるとは限らない、まさに袋小路状態だ。

 で、どうするか。一つは、日本の製造業のように、海外に展開するのはあると思う。Jリーグはアジアを目指す ~生き残りをかけた600億円市場 獲得戦略~のように、アジアに進出して、広告収入を増やすのは一つの手だと思う。”アジアでサッカーは流行らない”といったら終わりで、やはり、やるしかないと思う。

おわりに

Jリーグの経営については、ずぶの素人であった自分に、有益なコメントを下さった皆様ありがとうございました、ここに御礼申し上げます。とくに、大学の研究室の先輩である土本 康生さんからは、一筋縄ではいかないJリーグの状況についてとても有益なコメントをいただきました、この場を借りて感謝の意を表します。

追記:サッカーの総試合数について、カップ戦、天皇杯、それぞれ優勝した場合のケース最大51試合を追記しました。

広まる”ロケーション・モバイル”

6月 30th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー - (広まる”ロケーション・モバイル” はコメントを受け付けていません。)

ビジネス・インサイダーに面白い記事があったので、紹介。

タイトルは、Why Local-Mobile Marketing Is Explodingで、さしずめ、日本語に訳せば、拡大するローカル・モバイルマーケティングといったところだろうか。

ローカル・モバイルとは?

そもそも、ローカル・モバイルとは、”geo-aware” 、あるいは、”geo-fenced”なども称され、要するに、定額パケットスマホが普及すると、位置情報と組み合わせたいろいろなサービスが提供できる。たとえば、Googleでは、スマホで”ピザ屋”と検索すると、自分の居場所から最も近いピザ屋を検索して、表示してくれたりする。言ってみれば、スマホを軸としたネットとリアルの融合といったところだろう。

拡大するローカル・モバイル

日本でも、このローカル・モバイル、だいぶ利用するところが増えてきたけど、USでは、かなり拡大しつつあるという。この記事を要約すると以下、

  • 位置情報は、新しい”Cookie”:モバイルの場合、サードパーティのクッキーが取り扱えない場合が多い。そこで、位置情報を新しいクッキー代わりに利用する。位置情報をグルーピングして、効果的なキャンペーンを展開する。
  • 企業はローカル・モバイルに投資を加速:Balihooの調査によると、400ブランドの経営者は、ローカル・モバイルの投資を増やそうとしている。Berg Insightによると、現在、ローカル・モバイルはモバイル広告全体の8%に過ぎないものの、2017年には33%まで増やすという。
  • ローカル・モバイルはコンバージョンレートが高い:モバイル広告全体のクリックスルーレート(CTR、表示された広告のうちクリックすう確率)は、0.4%という。一方で、Verdeによれば、ローカル・モバイルの場合、CTRは倍になるという。
  • ローカル・モバイルはスマホに特化した技術でない:ローカル・モバイルは、スマホだけに限らず、タブレットなど他のデバイスにも応用できる。とくに、最近、ショッピングプロセスを通じて、スマホ・タブレットの果たす割合(スマホで検索して商品を買うなど)があがっている。スマホ・タブレットの”ファーストサーチ”としてのローカル・モバイルは重要。

ローカル・モバイルのメリット・デメリット

すべてをうのみにできないけど、これはだいたいあっていると思う。とくに、CTRの改善について、やはり、ユーザが検索するのは当たり前だけど”必要な情報が欲しいから”、そして、”ロケーション”というコンテクストが加わることによって、ユーザにとってより有用な情報になる可能性は高いと思う。たとえば、自分が近くにATMがないかなと思って、スマホ・タブレットでATMと検索する、そして、位置情報をもとに一番近くのATMを教えてくれたら、それはやっぱり便利だ。

 一方で便利な反面、やっぱり、個人情報の話は避けて通れないだろう。位置情報をクッキーのように扱うのはとても合理的なやりかただと思う。でも、それが万が一、流出したら、その被害は大きい。という意味で、言うまでもなく、厳重な管理が必要だと思う。

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 スマートフォンにおいてどう位置情報をビジネスに活かすか、という点については、去年上梓させていただきました「図解スマートフォンビジネスモデル 事業戦略と収益構造」の第4章 位置情報を活用したスマートフォンビジネスモデル において触れておりますので、ぜひ、ご参照ください。

また、スマートフォン・タブレットが今度増えるとどうなる?という話では、先週オープンした個人投資家向け投資アイデアプラットフォーム”Longine”に、「次のスマホ」と「スマホの次」:恩恵を受けるのは誰か? パート1として書かせていただきました。1記事ごと、月額とも有料ですが、こちらも、ぜひご参照ください。

独立と会社内独立

5月 3rd, 2013 | Posted by admin in 独立 | 経営 - (独立と会社内独立 はコメントを受け付けていません。)

2009年から、自分は独立という形態で、自社(フューチャーブリッジ社)を設立して、今に至っています。そして、独立して4年もたつと、”今、会社員だけど、将来独立したい”という御相談を光栄なことに幾つか頂きます。

独立自尊

福沢諭吉とフロンティアで指摘したように、福沢諭吉の信念は、明治の開国にあたって、自分のプライド(矜持)を堅持しながらも、国の独立、ひいては、自分の独立を論じた。こうした点において、自分で独立して、事業を営むことは、”是”に他ならない。そして、これはとてもいいことだ。裾野の広さと500 startupsでも指摘したように、日本国民が自分のプライドを堅持し、自分で独立して事業を営めば、すべてが成功することはないものの、確実に裾野が広がる。これは日本にとってとても良いことであり、福沢先生の思いは、現在にもまったく色あせていないと思う。

1.会社員は独立すべき?

すべての日本国民は独立して事業をおこすべきか?、一言に結論づけることは難しい。
今の会社法上、資本金が1円であっても、株式会社を設立することはできる。つまり、株式会社、もしくは、個人事業として”独立”してビジネスをすることはとても簡単。
なので、誰でも、その気になれば、株式会社をつくり、”独立”することはできる。

ただ、難しいのは、会社作ること=”独立”ではないこと。

たとえば、自分の知っている例では、ソフトウェア開発の場合、発注側から”ネット通販のシステムを作ってほしい”と言われて、その案件を受注した場合、自社で完結できるわけではない。当然、リソースが足りないので、開発を専門に請け負う会社にソフトウェア開発を依頼する(外注)。そして、そのソフトウェア開発を請け負った会社は、”独立自尊”かといわれれば、”親頼み”の面が強い。すなわち、株式会社を設立=独立とは限らない。(ただ、受託会社にとっても、親会社からの受注によって、売上を計上し、従業員への給料、あるいは、さらに外注費を支払う、ので、外注=悪、だから、もう不必要という話ではない)。

2.会社内で独立する

 
 という意味で、自分で会社を作る≠独立というのが、最近の自分の見解。会社を作ったからと言って、いつでも、”独立自尊”とはいえない。逆に、ある大企業に所属していても、自分のプライドを堅持しつつ、自分の独立を論じて、自分のやりたいことをやる会社員もいる。たとえば、自分が大学にいたころは、企業に所属しながらも、自分の好きな研究に没頭されている方が多数おられた。もちろん、それは彼が他の社員とくらべて特殊なスキル・ノウハウを持っておられて、そのスキル・ノウハウが今後の会社の成長の糧になるだろうと見越して、会社がそうした社員の”独立自尊”を是とし、自由にやらせた。ただ、最近、日本企業ではこうした社員が好き勝手やるケースが減っていると聞いて、その事態にちょっと憂慮していますが。

独立とは信念を貫くこと

 会社をやめて独立する、社内で独立する、どちらがいいか?自分の結論は、”どちらも結構、ぜひ、自分の信念を貫いて、それをビジネスにしてほしい”、だ。そして、一番、避けてなくてはいけないのは、社内・社外問わず、”自分はこういうことを考えているんだけど、同僚・上司からは余計なこと言わないで、周りの言われたことやればいいという雰囲気なので、あえて人と違う提案はやめとこう”というカルチャー。そういうカルチャーであれば、確実に2・会社内独立は難しい、と思う。結局のところ、信念を貫くという点では、社員としてやろうが、自分で独立してやろうが、本質的な問題ではない、というのが自分の結論です。そう、だからこそ、社内だろうが社外だろうが、”絶対に揺るがない信念をもつ”人が必要であり、それを一人でも生み出そうというのが、自分の信念でもあります。

進化するTwitterのビジネスモデル

3月 13th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (進化するTwitterのビジネスモデル はコメントを受け付けていません。)

Twitterといえば、オンラインストレージのDropboxと並んで、IPO有力候補として注目されている企業。とくに、2011年8億ドルをロシアのベンチャーキャピタルから調達していることもあり、VCの出口として年内に公開するのではといわれている。

そうしたなかで、Twitterのビジネスモデルが変わりつつある。
4 Ways the Twitter You Know is Changing Foreverによれば、次の4つの道に進化し、プラットフォーム化しつつあるという。

  1. レーティングサービスとしてのTwitter:自分も含めて140字のつぶやきで多いのは、テレビの感想。そのテレビの感想をまとめて、レーティングをつけて、データを提供すれば、それをほしいと思う会社はいる。Twitterは、ソーシャルテレビを分析するBluefinを買収し、広告代理店Nielsenと共同で、テレビのレーティングサービスを提供する。
  2. ソーシャルコマースといてのTwitter:Twitterは、2013年2月にクレジットカード大手のAmerican Expressと提携。ユーザ情報にクレジットカード情報を記載し(まだ、実装されていない模様)、AMEXが指定したハッシュタグが付与されている商品を登録したクレジットカードで一発で購入できるサービス。
  3. キュレーションとしてのTwitter:これも実装されていないものの、ツィートに、”high(高い)”,”medium(中間)”,”low(低い)”という優先度をつけ、優先度の高いツィートを優先的に表示する。(現在のFacebookのアプローチに近い)。そして、これも発表されたわけではないけど、優先度”high”を課金として徴収する。いわゆる、カネで優先度を買う方法も検討されているという。
  4. ディスカッションフォーラムとしてのTwitter:今後のSXSWで発表されるTwitterの機能の一つであるnestivityは、フォロワーに質問をしたり、フォロワーとディスカッションする機能を提供する。単に、一方的ツイートするだけではなくて、フォロワーとのディスカッションフォーラムを展開するサービス。

すくなくとも、この4つを確実に実行すれば、投資家が満足するようなマネタイズ(収益化)は可能になると思う。ただ、マネタイズに走るあまりに、ユーザが離れてしまう場合もすくなくない。たとえば、ツィートの優先度をカネで買うことができれば、たちまち、ツィートが広告だらけになって、”いつものTwitter”ではなくなる可能性もある。たしかに、Twitterはマネタイズのプラットフォームに近づきつつあると思うけど、楽しくツィートできる”いつものTwitter”であってほしいと一ユーザとして願うところです。