ものづくりベンチャー経営に必要なたったひとつのこと

8月 27th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (ものづくりベンチャー経営に必要なたったひとつのこと はコメントを受け付けていません。)

 つねづね、自分はハードウェアベンチャー(ものづくりベンチャー)のマネジメントは、結構、難しいと思っています。そして、先日、ある方とお話しているうちに、この仮説をさらに止揚するきっかけとなったので、シェアしてみます。なお、これはあくまで一般的であって、特定の話ではありません、かつ、自分の所属している組織の見解を示すものでもありません、あしからず。

 なぜ、ものづくりベンチャーは難しいのか? 自分は理解では、当たり前だけど、ハードウエアを作るから。そして、ファイナンスの観点からみると、企業のバランスシート(貸借対照表)の左側(資産サイド)には、現金があり、ハードウエアをつくるということは、その現金を使って、ハードウエアの部品・組み立て等など加工して、それを同じく左側の在庫として計上する。すなわち、仕訳的には現金が在庫に振りかえる処理をする(現金→在庫)。

 その在庫が最終的にお客さんとの売買が成立して、在庫がはけるかわりに、現金が入ってくる、このビジネスサイクルであれば、全く問題ない。でも、意外とこれが難しい。とくに、”ベンチャー”の場合、コンセプトはあっても、そのコンセプトがハードウエアにキチンと繁栄されていないケースが多い。設計図をもとに発注したけど、違ったものができたのでやり直しというケースは結構ある。そして、その旅に、現金が在庫になり、反古になったものは在庫のまま使われず、死蔵在庫になりがち。そして、その在庫から現金を回収できずに、どんどん現金がでていくという負のスパイラルに陥るケースもある。

 ソフトウェアの場合、こうした現金→在庫サイクルについては、ハードウエアにくらべて圧倒的にリスクは低い。会計上、ソフトウェアを資産化するケースもあるけど、よほど外注をつかわない限り、基本は内部の人件費だし、やり直すのも、最初からやり直しというケースはなきにしもあらずだけど、基本はコードの修正で対応できる。だから、リスクという点ではソフトウェア・サービスの方が圧倒的に低い。

 こうなれば、いっそのこそベンチャーはソフトウェア・サービスでいいじゃんと思うかもしれない。自分はそれを否定しないけど、ハードウエアにもメリットはある。こうした、現金→在庫のループをぬけて、ハードウェアがお客さんに納入された場合、モノによるけど、比較的安定的に供給できる。ソフトウェア・サービスの場合、すぐに陳腐化する可能性はあるけど、ハードウェアをすぐにマネ、納入するのは、敷居が高い。中国などにマネされるリスクはあるだろうけど、そこまでいけば御の字ではないでしょうか。

 というわけで結論、ものづくりベンチャーのマネジメントにおいて必要なたった一つのこと、それは現金→在庫バランスでしょう。とくに、エンジニアが強い会社のばあい、カネに糸目をつけず、はやく次の試作をすべし、みたいに、現金→在庫べランスをあまり考慮しないケースも多い。もちろん、次へつなげる試作も重要だけど、おカネは企業の血液、現金がなくては会社生きていけない、この現金→在庫バランスをキチンと考えることが大事と思うのです。

開発と営業のスキマを埋める

1月 11th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (開発と営業のスキマを埋める はコメントを受け付けていません。)

 日経新聞のカルロス・ゴーン氏の私の履歴書を読んでいて、共感するところがありました。

 彼がルノーあるいは日産において、不振の要因が縦割りの組織にあると感じ、「会議では自己主張や実りのない議論が多く、何も決まらない。何か起きれば、言い訳が先行する」状態だったと。そして、これを変えるべくクロスファンクショナルチームをつくる。それによって、部門壁を壊し、風通しを良くして一緒に問題の解決にあたる状況をつくると。

 自分は製造業の経験はないけど、IT企業においても、これがズバリ当てはまる。IT企業の場合の多くは開発と営業の厚い壁があるケースが多い。開発は、”営業がムリな案件とってきた、仕様がムチャクチャ”と営業の詰る。一方で、営業は、”開発が遅い、バグが多い”と開発のせいにしがち。自分の経験上、開発と営業の溝が深いほど、企業の業績は落ちる、逆に、開発と営業との距離が近いほど、業績は総じて手堅い。

 で、この溝を解決するには、一つしかない。それは、マネジメントによるハンズオン・介入。開発はいつも営業が悪いというけど、たまには営業が正しいこともある、逆もしかり。だからこそ、マネジメントが場を作って、しっかりと受け止めて、フェアに判断する、そして、仕組みを作る。ま、一言でいえば、リーダーシップですね。

 「一方聞いて沙汰するな」、もうだいぶ時間がたってしまいましたが、大河ドラマ篤姫の主人公が常に心がけたことです。やっぱり、開発の話を聞いて沙汰するのではなく、開発と営業、両方の言い分をきちんと聞いて沙汰する。翻って、ゴーン氏はこうした判断能力が卓越していると思う、で、自分もまだまだだけど少しで近づければなあと思ったのでした。
 
 

となりへー地に足をつけること

11月 18th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (となりへー地に足をつけること はコメントを受け付けていません。)

 先日、丸の内の地下を歩いていて、たまたま、靴修理のミスターミントの前を通りました。ミスターミントは、いつものように靴修理とスペアキーの他に新しくスマホ修理というのがあって、なるほど、と思いました。

最近だとiPhoneのガラスが壊れたというのは自分も経験あるけどスマホのガラスが割れることはよくおきます。そして、わざわざアップルストアにいくよりも、近くのミスターミントで直してもらった方が、やっぱり便利です。ミスターミントにとって、スマホ修理のスキルは、たぶん、スペアキー作成、靴修理と似たようなスキルだと思う。

 新規事業というと、何やら大したものかもしれない。これまで、自分がいろいろ見ていて、失敗する新規事業は”飛び石”、つまり、全く知見のない分野に参入すること、たとえば、IT受託開発会社がリゾート開発に新規参入といっても、受託開発(お客様の仕様にあわせてソフトを開発する)のスキルとリゾート開発(自分で仕掛けてトレンドをつくる)のスキルは全然違うので、うまくいかないことがおおい。ひるがえって、ミスターミントのスマホ修理、おそらく、ミスターミントにとって新規事業かもしれないけど、知見のある分野かつ初期費用もそれほどかからないので、”となり”の分野への参入といえるかもしれない。そして、”となり”へいくことはとても理にかなっていると思うのです。”となり”から”となり”へどんどん行けば、それにしたがって、ビジネスも大きくなると。

 ミスターミントは上場していないので、どういう状況かわからないけど、こうした地に足をつけるという点で良い会社だと思う。そして、自分も地に足をつけて行きたいと思いました。

要領が良い人と悪い人

10月 21st, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (要領が良い人と悪い人 はコメントを受け付けていません。)

先日、ある方と”要領のよい人”について話して、いろいろ得ることがありました。

 ま、要領が良いか、悪いかといえば、当たり前だけど良い方が良いことは間違いない。つまり、どんなことにあたっても、卒なくこなす、これが一般的な要領の良い人だと思う。

 で、自分はここ2年間くらい、エンジニア向けにデータサイエンスの授業をやっていますが、その中で必ず登場するのが、正規分布。ま、正規分布をザックリいうと、世の中の事象はだいたい平均に収斂するという考え方。こうしたザックリした考え方なので、ランダムウォークっぽい事象をモデル化したり、わりと便利な考え方です。

 そして、この要領が良い人は、おそらく、正規分布っぽい考え方をしているような気がします。世の中、何が起こるかわからない、でも、2σ(±5%くらいで起こる確率)、3σ(±0.03%くらいで起きる確率)は滅多に起きないので、それを排除して、一番、起こりやすいことに選択と集中する、だから、省エネできると。

 でも、思うのは、世の中、要領が良い人ばっかりだと、結局のところ、平均に起きることばかりを考えてしまうと言えるかもしれない。むしろ、絶対起きないと思われる2σ、3σを考える”要領が悪い人”も必要かもしれない。というわけで、結論、やっぱり、要領がいい人だけではなく、要領が悪い人、両方、必要かもしれない。

 最後に告知。ここ2年間、データサイエンスの授業をやってきましたが、参加者を中心にデータサイエンス友の会という集まりを10月26日開催します。誰でも参加可能で、まだ、参加OKのようです。ご興味があればぜひ!

https://www.impressbm.co.jp/event/datascientist201610/society.html

【連載世界ハイテクウオッチ】FinTechユニコーン企業をポジショニングマップで図解、ランキング上位は決済とローン

5月 23rd, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (【連載世界ハイテクウオッチ】FinTechユニコーン企業をポジショニングマップで図解、ランキング上位は決済とローン はコメントを受け付けていません。)

http://www.sbbit.jp/article/cont1/32136

連載中の世界ハイテクウオッチにFinTechユニコーン企業記事を寄稿させていただきました。

FinTechユニコーン企業をポジショニングマップで図解、ランキング上位は決済とローン
http://www.sbbit.jp/article/cont1/32136

アイデアを熟成させる

11月 11th, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (アイデアを熟成させる はコメントを受け付けていません。)

最近、思うこと。

誰がいったか忘れたけど、”アイデアを熟成させる”ことはとても大事だと思う。

どんな素晴らしいアイデアでも時代が早すぎたり、あるいは、一緒にやるパートナーがいなかったり、とアイデアがすぐ実現するとは限らない。

だからこそ、熟成させる。そして、熟成させて、鬨の声、しかるべきタイミングを待つ。

そう考えると、アイデアの熟成はワインの熟成に似ているかもしれない。

五大シャトーのような高いポテンシャルをもつブドウ(高いポテンシャルをもつアイデア)は、熟成させればさせるほど価値が上がる。

一方で、ポテンシャルが高くないブドウは、熟成させるとかえって、風味が落ちることがある。

ワインの熟成は年月だけど、アイデアは、年月だけではなくて、コミュニケーションとかいろいろあると思う。

で、やっぱり、重要なのは、ポテンシャルがあろうがなかろうが熟成させる仕組みを作ること。自分もあまりできているとは思えないけど、思いついたこと思い付きで終わるのではなくて、書き留める、これも重要なのかなと。というわけで、アイデアをどんどん熟成させましょう。

ベトナムベンチャー企業訪問記3 Hub IT & Shoppie

1月 16th, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (ベトナムベンチャー企業訪問記3 Hub IT & Shoppie はコメントを受け付けていません。)

Hub ITは、ベンチャー企業ではなく、ベンチャーを支援するインキュベーションセンターです。創業者のBobby Liu氏はもともとシンガポールにてベトナム投資をされていた方で、今年、ハノイでスタートアップ向けのインキュベーションプラットフォーム hub.ITをスタートさせました。

hub.ITの目的は、ハノイにスタートアップの“エコシステム”を作ることです。具体的には、定期的に“ピッチイベント”を実施し、スタートアップを志すハノイの学生・事業家が自身のアイデアをプレゼンします。

そして、その中から有望と思われるアイデアをサポートすべくhub.ITの施設を半年間無料で利用、経営アドバイス、場合によっては、マイノリティ出資を受けることができます。そうしたインキュベーションをへて、巣立った企業が成功し、hub.ITの新しいスタートアップを応援するというエコシステムです。

Liu氏によれば、ベトナムのスタートアップとしてアクティブなエリアは、1.ソーシャルメディア、2.Eコマース、3.モバイルといったコンシューマー向けサービスであり、B2Bについてはほとんどやっていないとのこと。

 前述のように、ベトナムにおいて経済の中心はホーチミンですが、なぜ、ハノイでスタートアップ支援を始めたのかという問いに対して、“ハノイは大学などの教育機関もあり、スタートアップを目指す良い人材がたくさんいる”と指摘します。

前述のhub.IT内で新しいスマホサービスを提供しようとしているのがShoppieです。Shoppieは、一言でいえば、“モバイルクーポン”で、 Shoppieの創業者Dao Thanh Tuyen氏は、2013年このサービスを立ち上げ、6月にはHanoi Startup Weekend Awardを獲得。現在は、iPhone版、Android版のアプリをリリースしました。現在は、10名程度の人員で、アプリの改良、マーケティング等を実施しています。

 Foursquareのように、Shoppieに対応している店でチェックインし、商品を購入すると、pie(ポイント)が付与される、いわゆる、ポイントサービスアプリです。現状では、GPSを利用して位置測定をしているものの、創業者のDao Thanh Tuyen氏によれば、BTLE(Blouetooth Low Energy、いわゆるiBeacon)を利用して、ユーザが店舗に入ったら、push配信を実現する仕組みをサポートする予定です。

 現状では、ハノイの一部の店舗 (AK Club, ALCADO, HICCUP, LOVE’S CREPE, BOO FASHION, X-FACTORY)でShoppieを利用することができますが、2年間のうちにベトナムのハノイ以外にも拡大、さらには、ASEAN地域への拡大する予定です。

shoppie: http://shoppie.com.vn/

hub.ITオフィス

ウォズの願いとインターネット的なモノ

11月 7th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー - (ウォズの願いとインターネット的なモノ はコメントを受け付けていません。)

ウォズの願い「アップルとグーグルが互いに協力してほしいなぁ」という記事を読んで思ったこと。ウォズは、かつてスティーブ・ジョブズと一緒にアップルを創業。稀代のテック・ギークとして、テクノロジーに明るいことでも知られている。

彼は、こう指摘する。

「例えばさ、「Joe’s Dinerに行って」とSIriに言うでしょ、するとさ、SiriはJoe’s Dinerを知らないっていうことがあるんだよね。さらに、そういう場合大抵Androidは知っているわけ。それこそが、たぶんコンピューターにとってより賢くなるための、より性能の高い人工知能のための未来への鍵だと思う。だからこそ、将来的にアップルとグーグルが連携してくれればと神様に願う気持ちだよ。」

これはさすがの指摘だと思う。彼の思い描くように、アップルとグーグルが連携すれば、世の中もっと便利になるに違いない。

そして、思ったこと。これって分散と集中の話だなあと。

ウォズのSiriの例は、”インターネット的”な考え方に近い。インターネットの場合、TCP/IPという共通言語のもと、お互いにつながっている。そして、たとえば、Yahoo!にたどり着くために、まず、ISP-Aにいって、ISP-Aに到達性がなければ、ISP-B経由で到達する仕組みになっている、そういう意味では、ウォズのSiriの話と全く同じであり、全員が分散しながら協調する、世界に類のない規模の分散協調システムともいえる。

ただ、問題点は、グーグルとかアップルのような飛び抜けた存在がでてくると、そこにトラフィックが集中する。Googleの全サービスに影響する障害が発生、世界のネットトラフィックは40%減少という指摘もあり、世界のトラフィックの40%がグーグルかどうかはさておき、世の中の多くの情報がグーグルに”集中”しているのは間違いない。そして、一度、情報が集中すると、そこに価値が生まれ、自社で囲い込もうとする。ということで、分散協調システムというよりは、集中モデルになりがちになる。

たしかに、集中モデルは便利なんだけど、結局のところ、サービスをしているのは1社だけなので、競争原理が働きにくくなり、ユーザにとって便利なことだけど、実現できていないということはよくある。まさに、ウォズにSiriの話は、ユーザにとって便利だけど、アップル、グーグルとしては情報を集中したいので、やりたくないだろう。

この手の集中と分散の話は正しい解はなくて、時代が流れるにつれて、つねに集中と分散が繰り返される。いまはどちらかと言うと、分散から集中になりつつあるような気がする。その時々のタイミングを見計らって、ビジネスチャンスを見つける。おそらく、集中の場合のビジネスモデルは、集中しているサービスを売る、シリコンバレーの企業で、Googleに買ってもらうために起業するというのは、毀誉褒貶はあるものの、一つの集中のビジネスモデルだと思う。でも、それは永遠に続くわけではない。機を見るに敏、そうした変化をとらえることが一番難しくかつ大事なことだと思いました。

修羅場とリーダーシップ

5月 25th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (修羅場とリーダーシップ はコメントを受け付けていません。)

先日、ある人とお話をしていて、”どうしたらリーダーシップを鍛錬することができるか?”という話をお伺いした。

彼いわく、”リーダーシップを鍛える一番の方法は、”修羅場をぐぐることだ”と。

それから数日後、たまたま、ワコール創業者の塚本幸一氏が松下政経塾の塾生へレクチャーした講和録を読んでいたら、”修羅場”の指摘がとても腑に落ちた。

塚本氏の修羅場

塚本氏は、20歳になった昭和15年に陸軍歩兵として出征し、中支で2年半、それから南方に転身する。

ベトナムのサイゴン、カンボジアのプノンペン、タイのバンコクから、ビルマを横切り、チンドウェイン川をわたってインパール作戦に参加。その後、インパールの敗戦のなかで生き残って、昭和19年10月に雲南集結。それから、またビルマへ反転作戦、敵に追われ追われて、イラウジ会戦。20年6月ビルマからタイの国境の、あの「戦場にかける橋」をわたってタイへ逃げ帰って、しばらくして敗戦なりました。

「松下政経塾講話録」 (松下政経塾編、PHP研究所、p60)

そして、終戦を迎えて、彼の小隊55名のうち、生き残ったのは彼を含めた3名しかいなかった。彼自身も5年間、毎日死と直面していたという。そして、彼は、いよいよ日本に帰れるという復員船のなかで、「はたして、自分で自分の命を守りきったのだろうか」と考えこんでしまう。

どう考えてみても、どの瞬間を取ってみても、自分の意識と、自分の能力と、自分の決意断行でもってできたことではない。あの時のあの一発の弾が、体をこっち向けたから、こう通っていたとか、あの時の食べ物についていた黴菌を自分は食べなかったから、その病気にかからなかったというように、一つ一つの現実が、自分の意志と能力であったかどうか。とんでもないことですね。それは、まったくの偶然といえば偶然ですが、偶然というには、あまりにも長すぎます。

(同p62)

そこで、彼はこう悟る、「いわゆる、親から授かった、今日まで生きてきた生命というものはおわったんだ。なくなった。今、こおkでこうして復員船に載せられて、日本に帰ってくるというこの声明は、いわば、与えられ、生かされた、おあずかりものの人生だ」と。その後の成功については、言うまでもないだろう。

塚本氏のように、戦中に生死の境をさまよって、その後、戦後になって、日本をリードした方は結構おられる。たとえば、東京電力の平岩外四氏、ダイエーの創業者中内功氏もそうだろう。こうした修羅場を乗り越えた方々が日本の戦後の繁栄をもたらしたともいえるかもしれない。

今は修羅場があるか?

ひるがえって、現代。また、別の人からこんなを話をきいた。最近、世界各国ともベンチャー投資が盛んで、とくに、政府が次の成長戦略ということで、ベンチャー企業に積極的に資金面から支援している、という。だけど、政府の支援に満足してしまって、ハングリーさが足りない、世の中を変えるようなプロダクトが生まれない、と彼は嘆く。

 リーダーシップという点では、おずかりものの人生か、国からお金をもらった事業か、どちらがリーダーシップが発揮できるかといえば、言うまでもないだろう。そして、”修羅場からリーダーシップが生まれる”というのは金言だと思う。逆に言えば、”かわいい子には旅をさせろ”方式も必要なのかもしれないと、塚本氏の経験から思ったのでした。

チャンドラー方式

5月 24th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (チャンドラー方式 はコメントを受け付けていません。)

いくらがんばっても、アイデアがでてこないときはある―自分の場合だと、モノを書くときとか、企画を考えるときとか、そんなときどうするか。

とりあえず、自分はチャンドラー方式をやってみることにしている。

このチャンドラー方式は、村上春樹が作家レイモンド・チャンドラーが小説を書くコツについて書いたもので、彼もそれを実践しているという。村上春樹いわく、

まずデスクをきちんと定めなさい、とチャンドラーは言う。自分が文章を書くのに適したデスクを一つ定めるのだ。そしてそこに原稿用紙やら(アメリカには原稿用紙はないけれど、まあそれに類するもの)、万年筆やら資料やらを揃えておく。きちんと整頓しておく必要はないけれど、いつでも仕事ができるという態勢にはキープしておかなくてはならない。そして毎日ある時間をーたとえば2時間なら2時間をーそのデスクの前に座って過ごすわけである。それでその2時間にすらすらと文章が書けたなら、何の問題もない。しかしそううまくいかないから、まったく何も書けない日だってある。書きたいのにどうしてもうまくかけなくて嫌になって放り出すということもあるし、そもそも文章なんて全然書きたくないとういこともある。(中略)
たとえ、1行も書けないにしても、とにかくデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、2時間じっとしていなさい、と。

「村上朝日堂 はいほー!」(村上春樹、新潮文庫)p40

”神”はいつ降ってくるかわからない、だからこそ、規則正しく、降臨を待つと。

これって、小説だけではなくて、モノを生み出すという点ですべてに当て嵌まると思う。

新しいビジネスを立ち上げました!といっても、その日から、世の中のトレンドになるというケースはまずない。

やはり、新しいもの≒尖っているものであり、そのビジネス・製品がどんなに素晴らしくても、興味を持つのは、アーリーアダプターという消費者のなかでもごくわずか。そこから、世の中みんなが認知するまでには時間がかかる。

そして、全く売れなくても、”チャンドラー方式”のようにあきらめずにコツコツ続ける、ここにチャンドラー方式の神髄があるのかもしれない。