「ロスジェネの逆襲」に見る半沢直樹の条件

9月 25th, 2013 | Posted by admin in 経営

いや~、半沢直樹のドラマ面白かったです。

この面白さを語るには、いまさら感があるけど、とにかく、面白かったです。

で、巷では、映画化のうわさもある、出向先の半沢直樹を描いた「ロスジェネの逆襲」をドラマの余韻が醒めぬまま、読みました。

これもやっぱり面白い、原作の方は、ドラマに比べると半沢直樹が若干マイルドになっていて、これをドラマにするとすごいことになるんだろうなぁと想像しながら、最後まで一気に読みました。

それで思ったこと、自分もいろいろな会社をみるチャンスがあるけど、どの会社にも半沢直樹に相当する社員はいると思う。もちろん、何も状況がわからないまま、”倍返し”をしても、会社の反発を買うだけだけど、倍返しが成立しうる環境もあるかなと。ロスジェネの逆襲(ドラマも同じ)だと、たぶん、以下の環境。


1.トップからの認知・理解
 これはすごく大事。どんな企業を問わず、トップの最大の特権は人事と報酬を決める権利。アメリカ型コーポレートガバナンスというなかで、人事を決める指名委員会、報酬を決める報酬委員会を設置する委員会設置型がある。でも、日本でなかなか普及しないのは、このトップの権限である人事と報酬を奪うものであり、なかなか普及が進まないのも、この強力な権限をトップが手放したくないというのもある。半沢直樹でいえば、このトップは、中野渡頭取、ドラマでは最後に子会社出向を命じるものの、頭取は”銀行を変える面白いやつ”という認識があるように思う。これは、他の会社でも結構あって、”皆に反対されたけど、社長だけ支持してくれて、プロジェクトを進めることができた”という話も結構多い。トップから認知・理解されること、これが一番重要だと思う。

2.同期の絆
 結局のところ、ビジネスの多くは、どれだけ情報を持っているかで決まる場合が多い。それで、自分の部署だけだと情報が限られていて、内部・外部を問わずいろいろな情報を収集することで、次の打ち手を決めなければならない。たとえば、そういう情報が入ってくるのは、タバコ部屋、自分はタバコを喫わないのだけど、たまにタバコ部屋にいくと、いろいろな情報が入ってくる。そして、部署が違う同期も”タバコ部屋”と同じ役割だと思う、半沢直樹でいえば、渡真利、近藤がこれに相当する。これも重要。

3.部下からの信頼
 「ロスジェネの逆襲」では、半沢の部下として働いた森山がこう回想する。

半沢は尊敬に値する上司だった。顧客を優先し、自らの地位さえ顧みない肝のすわった仕事ぶり。知恵と努力で相手を上回り、僅かな糸口から事態を逆転に導く手腕、。半沢と仕事ができたのは、森山の財産だ。(「ロスジェネの逆襲」 p363)

 これはドラマをみれば言わずもがな、でしょう。そして、ロスジェネの逆襲では、”ロスジェネ”の部下が、半沢の思いもよらない方法で、”逆襲”します。

この3つ、もちろん、トップからの認知・理解が一番重要だけど、それには同期・部下とのコミュニケーションも大切、そうした3つの当たり前があるからこそ、倍返しが成り立つのかもしれない。そして、ロスジェネの逆襲、映像化が楽しみです!

 

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