インダストリアル・インターネットにみるGEの経営力

7月 11th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | 経営 - (インダストリアル・インターネットにみるGEの経営力 はコメントを受け付けていません)

たまたま、読んでいたFinancial Timesの記事にとても興味深い記事があった。タイトルは、”GE plans platform path for ‘internet of things’” (GEがinternet of things のプラットフォームを提供する)というもの。

仕組みとしては、GEが提供している航空機エンジン、鉄道などにセンサーを搭載し、センサーからのデータを集約して、分析して、パターンを見つけて、運用効率を上げるというものだ。こうした試み自体はそれほど新しい話ではないけど、産業界において圧倒的なシェアを誇るGEが取り組むことで、裾野が広がることは間違いないだろう。

どちらかというと、自分がこの記事を読んで驚いたのは、ハードウェアの売上がほとんどのGEがソフトウェア分野に取り組むという決断をしたこと。

普通の企業の場合、こうした決断はなかなかできない。というのは、ハードウェアが”稼ぎ頭”である場合、必然的に、その部門の影響力が強くなり、会社の方針としても、その影響力の強い部門を反映したモノになりがちだ。

そして、新規にソフトウェア分野に取り組むというのは、もちろん、ハードウェアとの相乗効果はあるけど、ハードウェア部門からしてみれば、自分たちの領域を侵すことにもなりかねない、で、当然、反発するケースが多い。よく、ハードウェアとソフトウェアの両輪というけど、なかなかこれが実現できないのは、社内の力学の問題が大きいともいえる。

だからこそ、GEのこうした決断は評価したい、そして、これは結局のところ、経営者のリーダーシップの賜物なんだと思う。
GEといえば、長い年月とコストをかけてCEOを選ぶことで知られているけど、やはり、こうした”やならければいけない”ことを実現するために必要な投資なのかもしれないと、このインダストリアル・インターネットから思いました。

オープン化のチカラ

6月 13th, 2013 | Posted by admin in イノベーション - (オープン化のチカラ はコメントを受け付けていません)

オープンであることはいいことだ。これは当たり前と言えば当たり前だけど、その恩恵は何?と言われるとなかなか難しい。

そんななかで、これはオープンにしたからこそ、なし得たことと思うのが、モンゴルの少年のMIT入学の記事。

朝日新聞の良質な教育は国境を超える ネット無料講座で広がる世界によれば、モンゴル ウランバートルに住む高校生バトゥーシグさんは、

 教育機関エデックスで昨春、MITの2年生向け講座「電子回路」を受けた。受講生15万人のうち満点は340人。当時15歳で満点を取った彼は、教授を「天才」と驚かせた。周囲に勧められてMITを受験し、合格。「エデックスがなければ今の僕はなかった」と喜ぶ。

EDX(エデックス)は、ハーバード大学とMITが設立したオンライン授業プラットフォーム、単にオーディエンスとしてビデオを見るだけもできるけど、授業をビデオで受講して、宿題をこなせば、修了書がもらえる本格的なオンライン学習の仕組みで、今のところ、59のコースが登録されている。

では、なぜ、大学は、”タダ”でこんなオンライン学習の仕組みを提供するか?

 その答えが、バトゥーシグさんだ。モンゴルであれば、そう簡単に、米国留学できるものではない。でも、オンラインであれば、ネットが使えるところであれば、タダで授業を受けることができる。そして、その受講生のなかに、キラリと光る人材がいれば、大学はこれを奨学金を出して迎える。これは、オープンにしたからこそできること。すなわち、授業をタダにしても、素晴らしい人材を採用できるわけだから、事業としてやる価値はあり、まさに、オープン化が生み出すイノベーションの一つだと思う。

 そう思うと、すごい時代になったものだ。バトゥーシグさんの話は、別にモンゴルじゃなくても、ネットがあって、英語ができる環境であれば、世界各国どこでも起こり得る話だ。逆に言えば、ネットと英語があれば、世界中のポテンシャルを持つ人間をスカウトすることができる。逆に、日本語だけだったら、一部の外国の日本語学習者しかリーチできない。そういう意味で、オープン化すればするほど、世界が均一化するということでもあるかもしれない、まさに、トーマス・フリードマンの「フラット化する世界」の話だ。かつて、ケンブリッジに留学していたとき、シンガポールの留学生がいて、彼曰く、自分の親は英語が喋れず中国語のみ、一方で、息子は中国語が喋れず英語のみ、なので、祖父母と孫とは言語コミュニケーションがやりにくいと、言っていてなるほどと思った。

 そういう意味で、オープン化はとても大きなチカラを持っているけど、その負のチカラも大きい。結局のところ、バランスなんだと思う。オープン化によるグローバルな視点を持ちながら、ローカルなことも考えられるバランス感覚をもつ、こういう人間になりたいものです。

 

連載:世界ハイテク企業ウォッチ グーグルのサービス一覧まとめ、プロダクトポートフォリオでその強さを読み解く

6月 3rd, 2013 | Posted by admin in お知らせ - (連載:世界ハイテク企業ウォッチ グーグルのサービス一覧まとめ、プロダクトポートフォリオでその強さを読み解く はコメントを受け付けていません)

四半期に一度書かせていただいている世界ハイテク企業ウオッチです。今回はGoogleをとりあげました。”春の大掃除”のように、ユーザ数が伸びないサービスから潔く撤退する、こうしたマネジメントの機動性にこの会社の強さがあると思います。

http://www.sbbit.jp/article/cont1/26372

新しいビジネスをつくる

6月 2nd, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (新しいビジネスをつくる はコメントを受け付けていません)

最近、思うこと、新しいビジネスを作るのは難しい。

たとえば、”世の中を変える誰も作っていない製品をつくる”ということでビジネスをスタートする。

これはこれで素晴らしいし、こうした元気な企業がたくさん出てこないと日本は活性化しない。
だから、もっともっと、こうした企業が出てくるべきだ。

ただし、こうした会社がすべてがすべてうまくいくかというと、そうとは限らない。

特に難しいのが、”世の中誰も作っていない製品”ということ。

誰も作っていない製品というのは、やや穿った見方をすれば、市場性がないから大企業が作っていない製品ともいえなくはない。もちろん、その市場をまったく大企業が見逃しているというケースもある。

だから、意気揚々と新製品を出したとしても、それがすぐにユーザに受け入れられるまでそれなりに時間がかかる。とくに、企業向けソリューションの場合、得てして企業は保守的なので、新しい会社と付き合うリスクを取るよりも、むしろ、これまでの実績のある会社と付き合う場合が多い、だからといって、大企業はリスクを取れと言われても、そうはいかないだろう。これはこれでしょうがない。

そう、研究の世界では、新しいこと、誰もやっていないことが価値だけど、ビジネスの場合は、新しいから売れるとは限らない。で、最初は、絶対売れると思って、かなり大きい数字を入れた事業計画書が絵餅になり、”こんなはずじゃなかった”と責任のなすりつけをする。これもよくあるパターン。

ただ、往々にして、今は新しくても5年後に、みんなが使うようになるというのは結構多い。身近なところでは、スマホ。5年前は、一部のギークしかつかわなかったけど、5年後、誰もが使うものになった。20世紀初頭の電気、1990年代のインターネットも同じ。

というわけで、新しいビジネスをどう作るか、自分の結論は、”信念をもって堪える”です。ビジネスの話をしていて、経営者は自分の立ち上げたにもかかわらず、ダメと否定する場面がたまにある、でも、これはよくない。まわりからどんなに”こんなの流行るわけがない”と否定されようとも、ブレずに信念を貫く、これが一番重要なんだと思いました。

”アマゾンのショールーム化”問題をどう解決するか

5月 29th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 経営 - (”アマゾンのショールーム化”問題をどう解決するか はコメントを受け付けていません)

ヤマダ電機、全役員を降格処分 「アマゾンのショールーム化」避けられない?、この記事を読んで、思ったこと。

各地で発生するアマゾンのショールーム化

ヤマダ電機に限らず、最近、この手の”アマゾンのショールーム化”の話をよく聞く。典型例は、書店だ。

まず、本屋にいって、立ち読みして、よさそうだったらアマゾンで注文する。条件を満たせば、送料も無料だし、家まで宅配してくれるし、クレジットカードで決済すれば、クレジットカードのポイントもたまる。なので、あえて、街の本屋で買わずに、アマゾンで買う。

自分の知っている会社でも、この”アマゾンのショールーム化”問題に手をやいているところもあって、この問題を抱えている企業・小売店は結構多いと思う。

ショールーム化をどう解決するか?

で、どうやってこの問題を解決するか?

最もわかりやすいのは、”価格勝負”、アマゾンより安く販売する、価格.comの価格ランキングは、だいたいアマゾンが一番安いけど、たまに、それを上回る価格でアピールする小売店もある。ただ、これはおそらく長続きしない。というのは、アマゾンは大量に仕入れる分だけ、それだけディスカウントが効いているわけだし、闇雲に価格勝負を挑むと、結局、消耗戦になり、勝てない。

もう一つ考えられるのは、”ショールームに徹する”。たとえば、本屋を全部立ち読みOKにして、そして、QRコードなりでタッチすると、アマゾンのアフィリエイト経由で、商品を購入できる仕組み。ただ、アフィリエイトの料率も年々下がっており(今年6月からは書籍一律3%)、店舗の賃料、従業員・パートの賃金、などのコストを回収するのは、よほど売り上げをあげるか、コストを下げるかをしないと難しく、これもそれほど現実的じゃないと思う。

となると、残るのは、店・定員に対する愛着心なんだと思う。たとえば、この店にいけば、カメラのことが詳しい店員がいる、あの店はディスプレイの仕方が工夫されている、あるいは、あの店で買うと壊れたとき修理してくれる、など、店・店員が”スペシャル”であると、アマゾンもすべては顧客のためにという経営理念を標榜しているけど、さすがに、物理的に店をもって、店員を抱えているわけではないので、これは”物理”店に分がある。これはコーヒーと同じで、150円でマックでコーヒーは買えるけど、あえて、倍の300円以上出してスタバに行くのは、店・店員が”スペシャル”だから。

コーヒーと家電量販店とは、仕入れ条件などがあるので、単純には比較できないけど、ただ、スペシャルな店・店員に惹かれて、それにお金を払うのは、世界中どこにでもあるのだと思う。

フォン・ノイマンに学ぶ その1

5月 5th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | フォン・ノイマンに学ぶ - (フォン・ノイマンに学ぶ その1 はコメントを受け付けていません)

「できる人はどこが違うのか?」-こういうテーマを以前から追っかけています。そして、そのなかで、自分がもっともできる人と思うのがフォン・ノイマンです。
フォン・ノイマンは、20世紀最大の科学者で、数学(シミュレーションの基礎)、物理(量子力学の数学的基礎つけ)、経済学(ゲーム理論)、そして、フォン・ノイマン型と呼ばれる今のコンピュータの原型、彼が世界を変えたものをあげるときりがないくらいすごい人。ノーベル経済学賞を受賞したP.サミュエルソンをして、「フォン・ノイマンほどの人間を知らない。この分野にちょっと顔を出しただけで経済学の世界をがらりと変えた。」とたたえる。さらには、核融合でノーベル物理学賞を受賞したハンス・ベーテも、「フォン・ノイマンの頭は常軌を逸している。人間より進んだ生物じゃなかろうか。」と言わしめるほどの天才だ。この稀代の天才がどのようにして生まれて、何を考え、何を成し遂げたのか、「フォン・ノイマンに学ぶ」としてシリーズ物(不定期更新)で追っていきます。ネタになっているのは、「フォン・ノイマンの生涯」(ノーマン・マクレイ著、朝日選書)です。

天才をつくるモト

 フォン・ノイマンが生まれたのは、1903年のハンガリーの首都ブタペスト、当時のブタペストはニューヨークと並んで、移民を自由に受け入れていることもあり、世界でもっとも繁栄している都市だった。そして、裕福な資産家の家に生まれた彼は、両親からの薫陶を受けて、音楽、ラテン語、ギリシア語など、当時必要な教養を身につける機会を得る。とくに、当時のハンガリーのギムナジウム(高校)において、もっとも重要な科目がラテン語、毎日1時間月曜から土曜までびっしり8年間ラテン語をたたきこまれる。

 もともとの頭のつくり、遺伝はもちろんあるんだろうけど、やはり、彼が徹底的にラテン語を幼少時に叩き込まれたということが、彼の活躍の基礎になっているのは間違いない。具体的には、
ラテン語とフランス語の世界へ!において、松澤先生は下記のように指摘しています。

ラテン語は語根と接頭辞の使い方が、コンピュータのプログラムのように理路整然としています。接頭辞と語根がまるで表計算ソフトで整理したように、縦横に単語が作られています。接頭辞100個と語根500個と接尾辞50個で組み合わた表を作ると、25万個の単語を作ることができます。この25万個の単語を使って、コンピュータで作文したものを当時のラテン語を使っている人々に読ませたら、恐らく意味が理解できるのではないかと思われます。実際のラテン語では、この組み合わせのうちの2割ぐらいしか使われていません。

数学、物理学、経済学、そして、コンピュータ、いずれに共通するのは”ロジックを積み上げること”、すなわち、数学の証明のようにものごとを理路整然と考えて、そこから答えを出すことが要求される世界だ。たとえば、自分が関わっているコンピュータでは、あたりまえだけど、コンピュータはプログラムした通りにしか動かない。そのなかで、コンピュータをどう設計するか、それは”勘”ではなくて、理路整然としたロジックが必要になる。そして、幼いころからラテン語を学ぶことによって、こうしたロジックを積み上げる素地を作ったと。だから、”天才科学者をつくるにはどうすればよいか?”という質問が成り立つとしたら、”ラテン語を徹底的に勉強する”というのは一つの答えになるかもしれない。

  

ベンチャーサポートと日本酒販売

4月 21st, 2013 | Posted by admin in イノベーション | 経営 - (ベンチャーサポートと日本酒販売 はコメントを受け付けていません)

たまたま、違う分野の2人と話をしていて、その内容がとても共通点があったので、一人で、なるほど、と思ったことです。

ベンチャーサポートのビジネスモデル

まず、一人は、ベンチャーサポートの方。裾野の広さと500 startupsで指摘したように、自分を含めて、ベンチャー企業をサポートすることは、日本企業の裾野を広げる大切なことだと思う。そして、あるベンチャーサポートの方いわく、”われわれのビジネスは、恩を売って、売って、売りまくることだ”という。

そう、”これだ!”と思える有望なベンチャー企業に出会ったら、短期的な費用対効果を考えずに、自分の取引先を紹介する、企業の問題点をサポートする、などあらゆる観点からサポートし、そして、将来の上場などの機会で回収する。これはこれで、裾野を広げる意味で日本企業にとって、必要不可欠なビジネスだ。

日本酒販売というビジネスモデル

そして、もう一つが日本酒小売の方。古を辿れば、日本酒は明治まで、酒と言えば日本酒であり、その優位性は揺るぎのないものであり、作れば売れるビジネスだった。だけど、明治以降ビールなどの種類が増えてきて、日本酒ビジネスも作れば売れるとうわけにはいかない。

だから、売るためには工夫がいる。たとえば、作り手の戦略は、”昔ながらの製法を維持”もあるけど、新しいイノベーションに挑戦する企業もある。その一例が、獺祭を販売する旭酒造。この酒造メーカーのラインアップの一つが、遠心分離製法。普通の酒つくりはもろみを絞って日本酒にするものの、この会社のアプローチは、無加圧状態での遠心分離によってもろみから分離することで、香りやふくらみが残る。だから、これが日本酒?と思うほど、味に雑味がない。いうまでもなく、これは売れる。

もちろん、小売りとしても、こういう革新的な製品を出せば売れるのは間違いないけど、えてして、この手の製品は製造側に主導権があるので、小売店での差別化が難しい。だから、小売りの戦略は、”これだ!”と思える将来有望な酒蔵を見つけ出して、恩を売って、流通をサポートする。これは、ベンチャーサポートと同じビジネスモデルと思う。これって、結局、重要なのは、裾野の広さ、日本中に10件しか酒蔵がなかったら、このビジネスモデルはありえない。だから、”うちもつくってみよう”という酒蔵が増えることがとても大事だと思う。

ベンチャースピリッツ

 ベンチャーサポートと日本酒販売、この共通点は、やはり、挑戦することの大事さだと思う。どんな小さいことでも、”やろう!”と志して、挑戦する。もちろん、その挑戦が一本調子でうまくいくことはない。失敗して、失敗して、でも、あきらめずに続ける、その過程でサポーターからのサポートもあり、志をなし遂げる。自分は、最後の一人になってもその経営者の志を応援する立場だけど、もっともっと、志をもつ経営者を応援したいと思いました。

福沢諭吉とフロンティア

2月 16th, 2013 | Posted by admin in 独立 | 経営 - (福沢諭吉とフロンティア はコメントを受け付けていません)

福沢諭吉とフロンティア

昔から本を読むのが大好きで、今でも、時間をやりくりして、毎日本を読むようにしています。ただ、最近は新刊が若干食傷気味で、もっぱら、青空文庫やブックオフの100円セールが自分の読書ライフの中心です。

そのなかで、とても印象に残ったのが、小泉信吉著「福沢諭吉」。著者自身も、慶應義塾塾長を長らく務め、かの旧海軍元帥山本五十六を”慶應びいき”にさせたのも、彼の影響が少なくないという。尤も、山本の慶應びいきは、このエントリの主役福沢諭吉による著書”学問のすすめ”の一節”天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず”に深く共感していたようだ。

もちろん、福沢自身の「福翁自伝」も一級の著書として素晴らしいものだ、だけど、この本は、客観的に福沢がどのように生きて、何を考えたのかがわかるおススメの一冊です。

福沢諭吉の人生の転機があるとすれば、それは、幕末時の西洋修行だと思う。長崎でオランダ語を学んだ彼は、江戸に住み、当時、開港したばかりの横浜でオランダ語を使おうとするが、そこは完全に英語で、まったく、オランダ語が通用せず、失望する。そして、当時、英語を教えてくれる場所もほとんどない。でも、オランダ語と英語は良く似ていて、彼は独学で英語を学ぶ、それによって、「福沢の眼界は、頓に広く開かれた」(p18)。そして、咸臨丸での渡米、欧州視察を経て、彼は、西洋の第一人者となったと。明治以後の彼の活躍は言うまでもないけど、その活躍は、彼の西洋修行なしでは語れない。

幕末ならいざ知らず、グローバル化が進んだ現在では、西洋は未開でも何でもない。でも、彼が生きた150年後の今でも、未開な場所(フロンティア)はたくさんある。たとえば、かつてブログに書いた富士通の日本初のコンピュータ。IBMの独断場であったコンピュータを天才技術者池田敏雄を中心とした富士通のチームが日本初のコンピュータを開発し、それが世界を席巻した。現在いうには、ちょっと古いけど、これもフロンティア開拓の一つだろう。

 福沢は、「素より智よりも徳も共に大切であることを承知してい居るけれども、特に強く説いたのは智の進歩であった」(p100)。自分はこの智の進歩を”未開を開拓する”と理解しました、そして、これからも新たな”未開を開拓”する、これが福沢のスピリットであり、これを受け継がなくてはいけないと思うわけでした。

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