新卒から一人前を育てるために必要と思う3つのこと

8月 12th, 2014 | Posted by admin in 日々の思い | 経営 | 長橋のつぶやき - (新卒から一人前を育てるために必要と思う3つのこと はコメントを受け付けていません)

たまに、人を育てて欲しいみたいなリクエストをいただくことがあります。

ワークショップみたいな形でディスカッションする、あるいは、一緒に営業するみたいなケースもあります。

ま、自分は、「オレが、オレが、オレが」的に自分が豬突猛進するのではなく、「この人とこれをやったら面白いだろうな」的な控えめな発想をするので、たぶん、この手の仕事はあってるのかもしれない。

最近思うこと、当たり前だけど、一人前を育てるのは難しい。どうしたら、新卒を一人前に育てられるのか? ノウハウというわけではありませんが、自分が日々感じていることを整理してみました。

あきらめない

やっぱり、あきらめない。どんな企業でも、新卒に”即戦力”を求めるけど、これはないモノねだりだと思う。たしかに、新卒だけど、十分な経験もしていて、どんな場所にいっても、一人でできる人は少なからずいる。(ちなみに、自分の経験からすると、こういう人は大学でフィルターするよりも、中高でフィルターしたほうが発見確率が高い気がする。たとえば、開成・麻布みたいな名門中高出身者は、大学はどこであれ、このイケてる確率は高い。おそらく、単なる英語や数学のテクニックを学ぶのではなくて、自分自身で考え方を学ぶみたいなことが徹底されているので、社会に出たときも即戦力に近い状態になるんだろうなあと、ケンブリッジもそんなかんじでした)。

で、そういう人は自分でビジネスやったり、就職偏差値の高いところに行っているケースがほとんど。だから、最初から、この新人できそう、という期待値を上げない方が良いと思う。

で、基本は”使えない”のだけど、でも、使えないからクビ、ではなくて、あきらないことが大事だと思う。あきらめたらそこで終わり。

いろいろやらせてみる

競馬の話で恐縮ですが、競馬には未勝利戦というのがあります。だいたい競走馬は2歳でデビューして、一度でも勝てば(1着入線)次のステージに進むことができる。ただ、1着になるのは、楽ではない。ポテンシャルの高い競走馬(この例でいえば、新卒でなんでもできる君)は、あっさり勝って、春のクラシック路線(皐月賞、桜花賞、ダービー、オークス)に行けるけど、ほとんどは勝てなくて苦労する。でも、タイムリミットがあり3歳の9月までに1勝もできないと、出場できるレースがない(=引退か、地方競馬転籍)。だから、オーナー、調教師、騎手は3歳未勝利馬に対して、距離を変えてみたり、調教を変えてみたり、いろいろ試してみる。

企業の場合は、このタイムリミットはないけど、いろいろやらせてみるのは重要だと思う。たとえば、しゃべるのが苦手だからといってエンジニアとして入っても、誠実な人柄から営業に向いていたり、この仕事しかないと決めるのは早いと思うので、いろいろやってみるのがよいと思う。 

きっちり原因を究明する

何をやるかについて、考えることはとても大事だけど、一度、決めたら、あれこれ口を出さない。自分が、おおらかな環境で育ってきたこともあり、箸の上げ下げまで指導されるのが苦手というのもあるけど、やっぱり、やることなすこと逐一ダメ出しされていては、結局、委縮してしまって何もできない。

むしろ、重要なのは、何が上手くいって、何が上手くいかなかったかをきちっと原因の究明をすること。

その中に本人の誤りがあれば、糺すべきだし、失注とかビジネスに影響を及ぼす場合は、監督者・上司が責任をとるべきだと思う。

旧日本海軍元帥山本五十六は、人を動かすコツについて、『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ』と指摘しましたが、人を育てるのも、まさにこれなんだなあと思うのでした。

21世紀を拓く5つの新しいデザインキャリア

7月 27th, 2014 | Posted by admin in イノベーション | 経営 | 長橋のつぶやき - (21世紀を拓く5つの新しいデザインキャリア はコメントを受け付けていません)

Screenshot of www.linkedin.com

デザイン思考として有名なIDEOのCEO Tim BrownがLinkedIn上で、”5 New Design Careers for the 21st Century”(21世紀を拓く5つの新しいデザインキャリア)として、新しいデザインキャリアを提示していて、気付きがあったので、シェアします。

https://www.linkedin.com/today/post/article/20140722130342-10842349-5-new-design-careers-for-the-21st-century?published=t

まず、前提として、”デザイン”あるいは”デザイナー”は、いわゆる、ファッションデザイナー、工業デザイナーのように、モノのデザインをする人ではなくて、様々なアプローチで課題を解決する、もしくは、何か新しいものをつくるチームのこと。あくまでも、自分のイメージだけど、デザイン、開発、テストなど決まった仕事だけをこなすのではなく、あるときはデザイン、あるときは、開発、テストなど、バックグラウンドが異なりながら比較的小さなチームでマルチファンクションに仕事をこなす、いわゆる、アジャイル的な組織で仕事をすることがデザイン思考的な組織に近いと理解しています。(観察をすることがデザイン思考みたいな話もあるけど、観察は結局手段であって、目的は、様々なバックグラウンドを持つ人間が自由な発想でモノを作る、仕組みを作ることだと思っています)。

で、彼が挙げているのは次の5つ。

1.The Designer Coder – プロトタイムのためのコードを書くデザイナー

プロトタイプは、デザインのなかでも重要なパート。そして、最近のアプリの場合は、コードを書くことがデザインになりつつある。
したがって、コードをかけるデザイナーは、ジョブマーケットで高い価値を生み出す。

2.The Design Entrepreneur – デザイン起業家 

企業家(アントレプレナー)とデザインを融合させることが増えている。とくに、UberやAirbnbは、デザインをアピールポイントとして成功している会社が増えている。新しいプロダクトをデザインできる力があるのであれば、デザイン企業家として挑戦するには今が絶好のチャンス。

3.The Hybrid Design Researcher – ハイブリッドデザインリサーチャー 

いままで、デザインのリサーチャーは、人類学、民俗学、心理学のバックグランドが多かった。この手のリサーチはたくさんの分類をすることで、隠れたニーズを発見することであり、最近ではこうした手法とリアルタイムのデータとを組み合わせたハイブリッドな手法でユーザの行動を把握することが増えている。ユーザ、グループがある技術にハマることを把握することは、イノベーションの大事な一部であり、こうしたハイブリッドデザインリサーチャーの出番となる。

4.The Business Designer – ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、プロダクトからイノベーションを見出すのではなく、ビジネスの仕組み、ビジネスモデル、チャネル戦略、サプライチェーンなどからイノベーションを見出す役割。たとえば、Googleの検索技術は、ユーザにとってイノベーションであるものの、会社に富をもたらしたのは、その技術を広告に当てはめる仕組みを作ったこと。

5.Social Innovator – ソーシャルイノベーター

 貧困、きれいな水へのアクセス、環境汚染など、世界中で社会問題が発生している。こうした課題に対して、これまではアカデミックを含む小さな団体がその問題を解決しようと取り組んできた。そのなかで、最近ではビル・メリディア財団、ロックフェラー財団、ヒューレット財団といったデザイン思考を重視した財団がでてきたこと。そして、D-Rev, Design that Matters,IDEOといったデザイン思考で課題解決する団体を増えてきており、社会問題を解決するソーシャルイノベーターの素地が出来上がりつつある。

どちらかといえば、自分はビジネスデザイナーに近いなあと。あと、思ったのは、世の中の価値がシフトしていること。下の恐竜本でも書かせていただきましたが、ITの場合、最近ではクラウドとかフレームワークとかを使えば、結構簡単にアプリ、サービスができてしまう。だからこそ、重要なのは、さくっとプロトタイプを作って世に出すこと(上記のデザインキャリアでいえば、1.のデザインコーダー、2.デザイン企業家あたり)。

あるいは、世の中で起きているいろいろなことを分類・整理して付加価値をつける(3.ハイブリッドデザイナー、4.ビジネスデザイナーあたり)、もしくは、社会課題を解決すること(5.ソーシャルイノベーター)が重要になってきているんだと思う。

 

営業で仕事を受注できないときは?

7月 22nd, 2014 | Posted by admin in 日々の思い | 独立 | 経営 | 長橋のつぶやき - (営業で仕事を受注できないときは? はコメントを受け付けていません)

先日、某社のとある新卒3年目くらいの若手の営業から、

”いくら営業しても仕事が受注できないんです。やっぱ、自分は営業向いてないんですかね?”

という話をして、気づきがあったので、シェアします。

自分も口が上手い方でもないし、お客さん受けするようなコミュニケーション能力に秀でているわけではないけど、最近、自分で独立して営業をやるようになって(正確にはアナリストのときも営業っぽいことはしていた)、一つ言えることは、

”一回で受注できることは普通ない”

ということ。

B2Cならいざ知らず、自分がターゲットとしているB2Bのたとえばシステムを売るような場合、まず1回話して、”じゃあ、買いましょう”というケースはほとんどない。

欲を言えば、商談一回で決まったほうがいいけど、こればっかりは、やっぱり難しい。

結局のところ、ビジネスは信頼関係だと思う。やっぱり、同じものを買うにしても、ちゃんと信頼できる相手の方が良いに決まっている。

で、信頼関係は、一回会っただけでは、やっぱり、成立しない。

何度も何度も相手と向き合い、ときには摩擦をし、お互いを理解することで、信頼関係が生まれるんだと思う。

もちろん、出身地が同じ、高校・大学が同じというのは”信頼”を築くうえで重要な要素ではあるけど、それが必須というわけでもない。

やっぱり、信頼関係を築くには、何度も会うしかない。ほんの小さな理由でもアポをもらって、話をして、提案して、ダメでも、また次のネタを探す。

という意味で、ダメなのは、一回会ったから駄目だった、ということであきらめること。本当に受注したいのであれば、何度も何度も喰らいついていくべきだと思う。

相撲界には「三年先の稽古」という言葉があります。

力士としてのけがをしないカラダ、自分の相撲にあったカラダは1,2カ月の稽古では作れない。だからこそ、3年先を見越して、稽古をすることが重要だと。

営業もこれに似ているかもしれない。今日の受注に一喜一憂するのではなく、さすがに最近の会社は3年も待ってくれないけど、お客さんと時間をかけて信頼関係を築く。

だからこそ、はじめて会っても、仕事が取れないと嘆くのではなく、信頼関係を築く一歩とポジティブに考えようと。

「第五の権力—Googleには見えている未来」

6月 22nd, 2014 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 長橋のつぶやき - (「第五の権力—Googleには見えている未来」 はコメントを受け付けていません)

ダイヤモンド社小島様より献本いただきました。ありがとうございました。

結論から言うと、この本はGoogleの人間(エリック・シュミット&ジャレット・コーエン)によって書かれているものの、
Googleがこれからどうなるかということは書かれていない、むしろ、Googleがこれから立ち向かわなければならない問題を記述していると言える。

自分がはじめてネットを使うようになったのが1996年、それから比べるとネットは誰もが便利に使われるようになった。

そして、こうしたネットを使うようになり便利になる一方で新しく考えなければいけない問題も増えてきている。

今後、起きる問題について論じているのが、本書であり、自分なりにまとめると、「国家と個人のアイデンティティ」の問題に帰着すると思う。

Googleの成功は言うまでもなく検索ビジネス。2000年初め、ごちゃごちゃだったウェブの世界をページランク(引用されているページから順に検索結果を表示)という革新的な検索技術で、一気にネットの主役となり、その後もAndroidの成功、さらには、Google Glass、自動運転自動車など、その勢いはとどまるところを知らない。

その源流となるGoogleのビジネスモデルは、ウェブを通じてできるだけたくさんの情報を取得すること、いわば、ウェブ民主主義的なものがベースにあると思う。

とはいうものの、ネットが良くも悪くも世の中に影響を及ぼすとき、それを規制しようとする動きも当然でてくる。それが国家による抑制。

たとえば、筆者は、オンラインアイデンティティとして、次の動きがでてくると指摘する。

政府にとっては、追跡不能で正体不明の匿名の市民、いわば、「隠れ人」をオンラインで大勢野放しにしておくのは、リスクが高すぎると考えても不思議ではない。そこで、仮想世界に影響力を及ぼすために、各市民をオンラインアカウントと紐づけして、国家レベルでの認証を義務つける、といった措置をとるだろう。(p48)

結局のところ、国境を越えて誰もが自由に情報を発信することができるネットが国家によるネットが生まれると。具体的には、こう指摘する。

 「政府がフィルタリングなどによってインターネットを規制すれば、グローバルであるべきインターネットが「国ごとのネットワークの寄せ集め」とかす、という懸念が生じる。そうなれば、やがてワールドワイド(世界規模の)ウェブは砕け散り、「ロシアのインターネット」や「アメリカのインターネット」などが乱立するようになるだろう。(p129)

やはり、ネットを通じてサイバーテロ、それは、単にネットだけの攻撃ではなくて、無人飛行などのデジタル操縦も脅威となり、そうした脅威に対応するために、何かしらのフィルタリング、規制が必要にならざるをえないと。

もちろん、これはネット全体のなかのほんの一部に過ぎなく、これがすべてではない。ただし、こうした事態が加速すると、ネットのオープン性はどんどん低下せざるをえない。本書はこうしたネット規制社会への警鐘と自分は理解しました。そして、最後はこう指摘する。

出会いと好機が重なるところには、無限の可能性がある。世界中の人たちの生活の質を高めるには、コネクティビティを通じて出会いを広げ、テクノロジーを通じて機会を生み出していくのが一番である。

やっぱり、ネットはコネクティビティを通じて、出会いを広げ、さまざまな機会を生み出す。これを追求すべきとなんだと思う。

アライアンスを組む

6月 21st, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (アライアンスを組む はコメントを受け付けていません)

先日のこと。

基本、自分は、料理をつくるのが好きなので、食材を調達しようと、近くのスーパーにいったらコストコフェアなるものをやっていました。

要は、スーパーの一画でコストコのバカでかいカークランドブランドのジュース等を売るフェアなんですが、これはこれでアリだなと思いました。

ウチの近辺(高田馬場)は、イオン・ヨーカドーは離れているけど、最近はコンビニが増えてきて、スーパーに行かなければいけない理由は減ってきている。かといって、コストコに行くのも遠いし、会員になるのもめんどくさいし。

というわけで、コストコフェアということで、全部じゃないけど、あのコストコの製品をゲットできるなら、そのスーパーにちょっと行ってみよう、という気になる。

結局のところ、これってアライアンス(業務提携)なんだと思う。

かつて、三国志のころは、強大な魏の国に対して、呉と蜀がアライアンスを組んで、一緒に戦ったように、強い相手がいるからこそ、いろいろ工夫して、そして、自分でできないものはパートナーと組んで価値を上げて、対抗する。

というわけで、”ライバルに押されて、売上が落ちている”という場合、アライアンスを組んで、違うものを組み合わせてみる、これは有効だと思うのです。

成長することはよいこと?

6月 9th, 2014 | Posted by admin in 日々の思い | 経営 - (成長することはよいこと? はコメントを受け付けていません)

最近思うこと。

世の中には、たくさんの”成長”がある。

子供がすくすくと育つのも”成長”だし、企業の場合では、ビジネスを大きくするための”成長戦略”のプランを自分も書いていたりする。

で、成長することはよいことか?

もちちろん、子供の場合は、育ってもらわないと困るので、成長しないといけないし、企業の場合でも、ビジネスが大きくならないと、食べていけない。

というわけで、成長することは良いことだ。成長なくして、何も生み出さない。

ただ、思うに、”どうやって”成長させるかが重要だと思う。

というのは、子供であれば、ひたすらお稽古をさせて、勉強をさせて、子供の成長にとって良かれと思っても、それが裏目に出る場合もある。

企業も同じで、成長を追求するあまり、営業にきついノルマ、あるいは、現場の店員に長時間労働を強いる、ことで、”成長”するケースもある。

自分は人の親になったことがないのでわからないけど、企業の場合は、バランスが難しい。

というのは、”みんな自分の好きなことやっていいし、好きな時間働いていいいよ”と自由放任にする会社は基本的にうまくいかない、やはり、社員がルーズになってしまい、会社に規律がなくなり、別に、成長しなくてはいいやというモードになってしまう。

逆に、きついノルマを課しすぎると、”ブラック企業”的な、ライフワークバランスもない、自分を捨てて、会社のために身を尽くすモデルになってしまう、

と考えると、成長は重要だけど、もっと重要なのは、成長速度だと思う。

車はエンジンをかけて思いっきりアクセルを踏むとエンストしてしまう。

マラソンでも、最初から全力ダッシュでは絶対にフルマラソンは走れない、かといって、最初から歩いていてはよほどのことがない限り時間制限に引っかかってしまう。

だからこそ、長く続けることができる”速度”を決める、これが重要なんだなあと思いました。

予定調和を壊す

6月 1st, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (予定調和を壊す はコメントを受け付けていません)

先日、飲み会の席でなるほどなあ、と思ったこと。

以前、たしか、秋元康氏が”一番よくないのは予定調和、それを壊すのが自分の役目”というようなことを指摘していて、その時は、正直あまりピンとこなかった。

で、その飲み会で、こういうことだったのか、と腑に落ちた。

話によると、現在のF1レースは、かつての、セナ・プロストがいた時代にくらべて”予定調和”らしい。

技術が発達して、ドライバーがいくら頑張っても、技術にアドバンテージがあるチームが勝つ。すなわち、”予定調和”であると。

だから、彼曰く、”最近のF1はつまらない”と。

たしかに、スポーツの世界では、予定調和はつまらない。

たとえば、相撲では、横綱は自身のプライドにかけて負けることが許されない。でも、ときには、予定調和を乱して、平幕の力士が横綱をうっちゃり、金星を挙げることもある。

あるいは、競馬では、先週のオークスでは、ハープスターが確実に勝つといわれながらも、あまり注目されていなかったヌーヴォレコルトが優勝したのは、”予定調和”を壊す良い例だと思う。

そして、思ったのは、この予定調和は企業の組織にも当てはまるかもしれない。

大企業もしくは官庁の場合、最近は少なくなったけど、学歴とか成績順で出世コースを決めるケースがある。

そして、その出世コースのなかで、よほどの失敗をしないかぎり、”予定調和”的にそのポストに辿り着ける。

もともと、旧海軍・陸軍士官学校では、卒業時の成績で出世コースが決まっていたこともあり、その風習が残っているのかもしれない。

ただし、この”予定調和”のよくないところは、やっぱり、組織が硬直してしまうこと。相撲の例であれば、予定調和であれば、平幕力士は永遠に横綱に勝てない。

だからこそ、予定調和を壊すこと、これは組織を活性化する上でとても重要だし、その予定調和を壊すことが経営者のリーダーシップとも言えるかもしれない。組織が上手く動かないと思ったら、予定調和を壊す、これが組織を活性化する一つの取り組みですね。

脳に汗をかくこと

5月 23rd, 2014 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (脳に汗をかくこと はコメントを受け付けていません)

最近、新規ビジネスプランを書いたりして思うこと。

こうやったら新規ビジネスは上手くいくというノウハウ本はあるけど、この通りにやっても上手くいかないと思う。

なぜか?

やっぱり、新規ビジネスは考えて、考えて、考えて、考え尽くしたところに、新しいビジネスがあって、”こうすれば上手くいく”というノウハウだけでは、やっぱり、考えが浅くなる。

結局のところ、”これはうまくいきそうだ”と思いつくことはある。これはこれで重要だけど、そういう思いつきはもうすでに大半の人がやっている。だから、新しいことをやるには、その”思いつき”を様々な角度から検討し、本当に上手くいくかを考え、上手くいかない場合はどういうケースかを考え、”これだったら絶対いける”というレベルまで昇華させる、やっぱり、その段階でようやく腑に落ちる。

とくにベンチャー企業の場合、基本は資本力では大企業に勝てない、だからこそ、考えて、知恵を絞って、ひたすら考えて、”これなら間違いない”というレベルまで考える。孫さんは、これを「脳に汗をかくくらい考えるべし」と指摘していて、まさに、その通りだと思う。

と考えると、やっぱり、幼いころから「脳に汗をかく」習慣をつけるというのはとても重要だと思う。それは、ちょっと考えたところで「これでいいや」というのではなく、あらゆる角度から考えて、考えて、考える、こういう習慣ができれば、新規ビジネスに限らず、どんなところにいっても確実に生きる。自分もできているとは思わないけど、やはり、これが必要なんだなと思いました。

誰がデジカメを買う? ジャパネットたかたに見る”売る力” 

5月 10th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (誰がデジカメを買う? ジャパネットたかたに見る”売る力”  はコメントを受け付けていません)

あまりテレビを見るタイプではないけど、土曜日の朝、たまたまたテレビをつけていたらジャパネットたかたのCMに気づきをもらいました。

そのときの製品は、カシオのデジカメ

この低価格コンパクトデジカメは、スマホの登場で、完全に市場としては縮小傾向。あのキャノンでさえ撤退を発表している。画質もだいたいスマホとデジカメ同じくらいで、かつ、Facebookとの連動などソフトウェアについてはスマホの方が確実に優っている。だから、あえて、コンパクトデジカメを使う必要はないというわけだ。

でも、ジャパネットたかたは、そんな背景とは関係なく、売る。

その売り方は、まずデジカメを活用するシーンをみせる。それは旅での家族の思い出を記録におさめる、そのためにデジカメが必須だと。

そして、高田社長が”今、買わないと損”とまくしたてるw

最後に、9980円という価格を訴求する。

たぶん、売れると思う。

”今更、コンパクトデジカメなんて誰が買うの?” ジャパネットたかたは、このテーゼを見事に覆していると思う。

こんなの売れるはずはないとおもっていても、売り方の工夫でいくらでも売れる。

というわけで、”モノが売れない”と嘆いていたら、”売り方を工夫する”、これは重要だと思う。

当たり前といえば、当たり前だけど、ジャパネットたかたからその当たり前を教えてもらった気がします。

ネットビジネスと論語の「近き者説び、遠き者来る」

3月 23rd, 2014 | Posted by admin in イノベーション | 経営 | 長橋のつぶやき - (ネットビジネスと論語の「近き者説び、遠き者来る」 はコメントを受け付けていません)

温故知新とはいったもので、論語を読むといつも新しい発見があります。

今回の発見は、子路第十三にあるこの一節

葉公政を問ふ。子曰く「近き者説(よろこ)び、遠きもの来る。」

葉公が政治について孔子に質問した。孔子は言う「政治を行うには民心を得ることを貴びます。ゆえに近くにいる民は己の恩沢をこうむって悦び、遠方の民は己の封を聞いて来たり附くようにすべきであります」

「論語新釈」(宇野哲人、講談社学術文庫p389)

そう、ある政治家がすばらしい政治をしていれば、そこに住んでいる人々は喜ぶ。そして、それを遠方の人が聞きつけ、そこによって来る。

これは当たり前といえば当たり前なんだけど、すごく含みがある。やっぱり、遠方の人間を直接呼ぶことはできない、まずは、近い人々を呼ぶと。

そして、ネットビジネスでも同じことが言えると思う。

最近、よく相談を受けるのは、どうやってユーザを増やすか。とくにスマホのアプリの場合、誰でもアプリをつくることができるので、企業だろうが個人だろうが同じ土俵で相撲を取らざるをなくて、結局、がんばってつくったアプリが埋もれてしまうケースが多い。

で、どうやって埋もれないようにするか?

やっぱり、「近き者説び、遠きもの来る。」しかないと思う。簡単にいえば、自分の知り合い、企業であれば取引先、など、ほんとに顔の見える近い人を呼び込み、近い人が”このアプリはいけてる”と思ってもらって、はじめて、遠方の人が聞きつけ、そのアプリをダウンロードする。だから、どんなすごいアプリでも、リリースすればすぐに遠方の人がやってくることはほとんどないと思う。

論語のこの説は政治の話だけど、その言わんとするところは政治、ビジネス、ひいては、ネットビジネスとも同じであり、まずは、自分の知っている人を口説く、それがなくては、遠方への拡散はありえない。まさに、論語を読み返して、温故知新の思いです。