センスを磨くには?

7月 14th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (センスを磨くには? はコメントを受け付けていません)

今日、ブラジルワールドカップの決勝が終わった。

現地開催のブラジルが優勝、という元々の下馬評のなか、ブラジルはドイツに惨敗。

ブラジルを破って勢いにのったドイツがそのままの勢いでアルゼンチンを破った、といったところだろう。

そんな中で、思ったのは、”センス”。

センスは、日常よく使う言葉で、”あの人は数学のセンスがある”あるいは、”あの人のファッションセンスは素晴らしい”

など、など、その人の持っている能力の高さを褒める、あるいは、

”彼は、経営のセンスがない”

などと、否定にも使われる言葉。

そして、この”センス”に共通しているのは、どちらかといえば、学習して身に付くというよりも、先天的・生まれつき、のようなものだと思う。

この”センス”とワールドカップ、それを結びつけるのは、ドイツが優勝してからのアクション。

ワールドカップでドイツが優勝したとき、2つのアクションが考えられる。

まず、一つは、”ま、ドイツが優勝したけど、ウチは関係ない”と突き放すタイプ。

もうひとつは、”ドイツが優勝したので、人々のドイツに対する関心が高まっている、だから、ウチの商品のうちドイツ製品をワールドカップ優勝セールとして売ろう”というタイプ。

実際に、今日のダイレクトメールでも、いくつかの店舗では、”ドイツ優勝セール”というメールが届いたので、後者のような考え方をする人は少なからず存在する。

で、”センス”があるのは、前者か? 後者か?

これは言うまでもなく、後者の方がセンスがあるだろう。もちろん、ドイツ優勝セールだからといって、本場ドイツならいざ知らず、日本では売上が倍になることはないだろう。

でも、人々の関心はドイツにあると、嗅ぎつけ、そのニーズにあった製品・サービスなどを提供する、これができる会社とできない会社ではやはり差が出る。

というのは、やはり、ビジネスでは、お客さんがあって初めて成り立つ、だからこそ、刻一刻と変化するお客さんのニーズを嗅ぎつけ、提供する、これは言うまでもなく重要。そして、こうやってお客さんのニーズを嗅ぎつけ、提供できる人は、”ビジネスのセンスがある”と言えるかもしれない。

という意味で、この”ビジネスのセンス”は、先天的・生まれつきではないと思う。

むしろ、”センス”(検知する)の文字通り、自分の環境で起こっていることを、検知(センス)して、その環境に対応したモノを提供する、これをできる人が”センスがある”人なんだと思う。

で、タイトルに戻って、センスを磨くにはどうするか?

結局のところ、検知する力を上げるということだと思う。

ワールドカップでドイツが優勝したように、世の中では、毎日毎日いろいろなことが起きている。

そして、いろいろなことから”検知”して、自分が提供できるモノに結びつける、この繰り返しによってセンスが磨かれるのだと思う。

という意味で、自分の知っている会社で、毎日、社員に日々の出来事と自社のサービスを結びつける作文を課している会社がある。

なんで、そんなことやるのか?と疑問に思ったけど、これは”センスを磨く”有効なトレーニングだと思う。

というわけで、毎日起こっていることを検知して、自分の提供できるモノに結びつける、これがセンスを磨く方法だと思うのです。

顧客満足度と標準化

7月 6th, 2014 | Posted by admin in イノベーション | 日々の思い | 経営 | 長橋のつぶやき - (顧客満足度と標準化 はコメントを受け付けていません)

最近、思うこと。

最近、ITによる省力化みたいなことを考えていて、そのなかで、先日、郵便局でこんな場面に遭遇しました。

大きな郵便局は土日もやっていて、そこで書留・荷物のピックアップができる。で、先日も、書留をピックアップしようと郵便局にいったらえらい行列ができていた。

その行列の原因は二つあって、一つは、書留をピックアップするために身分証明書を提示しなくてはならず、その人は今身分証明書がなく、10日後にできるから何とかほしいとゴネていた。

もう一つは、不在届を持参せずに、”1週間前、ロンドンから来た荷物”と曖昧なリクエストを出して、郵便局員が困り果てていたパターン。

こういうパターンはなかなか難しい。やっぱり、郵便局員のミッションは、顧客満足度を上げることで、お客さんのためになんでもやります、という態度は重要だけど、曖昧なリクエスト、規定外のリクエストに対応しようとすると手間がかかり、かつ、行列は長くなってしまう。

となると、やっぱり、標準化は必要な気がする。不在届がない場合、すいませんが、お出しできません。現在、身分証がない場合は、すいませんが、お出しできません、みたいな。

標準化のなかにおもてなし、これが理想の姿なんだけど、これは楽なようで難しい。でも、これをやらないと付加価値が生まれないと思ったのでした。

アジャイルな組織

7月 1st, 2014 | Posted by admin in 日々の思い | 経営 | 長橋のつぶやき - (アジャイルな組織 はコメントを受け付けていません)

最近、思うこと。

自分はあまり外食するタイプではないけど、たまに外食にいくといつも新しい発見があります。この発見も、先日、某チェーン店にいったときのこと。

景気も良くなっていることもあって、どこのチェーン店も人手が足りない。それはそれとして仕方ないものの、どう対応するか、店長によって2つのパターンがあると思う。

まず、一つのパターンが、“店長ずら”をしている店長。決められた店長業務以外は、すべて、スタッフ、あるいは、バイトに任せて、それ以外のことはしないタイプ。オペレーションを遂行する上で、所定の人数がそろっているという仮定では、この“店長ずら”は成立する。でも、昨今の人材不足ぶりからすれば、所定の人数が足りない場合が多い。したがって、テーブルに前の客が残した皿等が散らかっていて片付けられていない、注文したものが待てど暮らせど来ない、ということがしばしば発生する。

もう一つのパターンが、店長が、プレイングマネージャーのように、バイトのカバーに入ること。たとえば、店長が焼き鳥を焼くのが職務ながらも、バイトが忙しかったら、注文を取る、できたものを配膳する、など、店長が一番汗をかくタイプ。

自分の理想のタイプは、やはり、後者。先日、上梓させていただきました恐竜本のテーマは、アジャイル。数人の小さなチームでも、ある時はプログラマー、あるときは、デザイナーと一人何役をこなすことで、はやいスピードでリリースまでこぎつける方式。

で、このアジャイルでの難しい点は、複数の役回りをテキパキできる人が少ないこと。こうした人材はすぐ育つものではない。だからこそ、手塩をかけて、様々な部署で経験をさせなければいけないのだと思う。

やっぱり、景気が良い時はどこも儲かっていると思うけど、一旦、景気が悪くなると、やはり、残る企業は店長を含めたトップが汗をかけるタイプなんだと思うのです。

林原家 同族経営への警鐘

6月 13th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (林原家 同族経営への警鐘 はコメントを受け付けていません)

先週、読んだ本で、印象に残りました。

先日、倒産のことを勉強する機会があり、事業再生ADRと会社更生法は違うという話があって、いまいち、整理できなかったけど、これを読んで、その違いをとてもクリアに理解できました。
かい
林原という大企業がなぜ会社更生法を適用するに至ったのか、当事者の視点で事細かに語られています。

そして、自分の理解では、同族経営への警鐘という点では、やっぱり、ガバナンスだと思う

自分の会社を財布と思って、いくらでも、お金を引き出せると錯覚してしまう、その感覚が破たんにつながった。たぶん、家事ので溶かした大王製紙の元会長と話は似ていると思う。

で、どうやって、ガバナンスを確保するか。やっぱり、現状をきちんと理解することがまず必要だと思う、彼は1日3時間しか会社に出社せず、経理などはすべて弟に任せ、カネが欲しいときだけ、弟に要求したという、これは健全ではないよね。

で、彼は、会計監査人を置いていれば、こんなことにならなかったのにと語っているけど、例の上場している大王製紙でもこんな事態があったので、万能ではない気もする。むしろ、私利私欲を捨てる、ということかなあと。やっぱり、私利私欲がなければ、会社から個人的にカネを借りることはしない。むしろ、会社にとって何をすべきかを考える。これは難しいけど、この難しいことを普通にやる人がやはり偉大なんだなあと思いました。

成長することはよいこと?

6月 9th, 2014 | Posted by admin in 日々の思い | 経営 - (成長することはよいこと? はコメントを受け付けていません)

最近思うこと。

世の中には、たくさんの”成長”がある。

子供がすくすくと育つのも”成長”だし、企業の場合では、ビジネスを大きくするための”成長戦略”のプランを自分も書いていたりする。

で、成長することはよいことか?

もちちろん、子供の場合は、育ってもらわないと困るので、成長しないといけないし、企業の場合でも、ビジネスが大きくならないと、食べていけない。

というわけで、成長することは良いことだ。成長なくして、何も生み出さない。

ただ、思うに、”どうやって”成長させるかが重要だと思う。

というのは、子供であれば、ひたすらお稽古をさせて、勉強をさせて、子供の成長にとって良かれと思っても、それが裏目に出る場合もある。

企業も同じで、成長を追求するあまり、営業にきついノルマ、あるいは、現場の店員に長時間労働を強いる、ことで、”成長”するケースもある。

自分は人の親になったことがないのでわからないけど、企業の場合は、バランスが難しい。

というのは、”みんな自分の好きなことやっていいし、好きな時間働いていいいよ”と自由放任にする会社は基本的にうまくいかない、やはり、社員がルーズになってしまい、会社に規律がなくなり、別に、成長しなくてはいいやというモードになってしまう。

逆に、きついノルマを課しすぎると、”ブラック企業”的な、ライフワークバランスもない、自分を捨てて、会社のために身を尽くすモデルになってしまう、

と考えると、成長は重要だけど、もっと重要なのは、成長速度だと思う。

車はエンジンをかけて思いっきりアクセルを踏むとエンストしてしまう。

マラソンでも、最初から全力ダッシュでは絶対にフルマラソンは走れない、かといって、最初から歩いていてはよほどのことがない限り時間制限に引っかかってしまう。

だからこそ、長く続けることができる”速度”を決める、これが重要なんだなあと思いました。

予定調和を壊す

6月 1st, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (予定調和を壊す はコメントを受け付けていません)

先日、飲み会の席でなるほどなあ、と思ったこと。

以前、たしか、秋元康氏が”一番よくないのは予定調和、それを壊すのが自分の役目”というようなことを指摘していて、その時は、正直あまりピンとこなかった。

で、その飲み会で、こういうことだったのか、と腑に落ちた。

話によると、現在のF1レースは、かつての、セナ・プロストがいた時代にくらべて”予定調和”らしい。

技術が発達して、ドライバーがいくら頑張っても、技術にアドバンテージがあるチームが勝つ。すなわち、”予定調和”であると。

だから、彼曰く、”最近のF1はつまらない”と。

たしかに、スポーツの世界では、予定調和はつまらない。

たとえば、相撲では、横綱は自身のプライドにかけて負けることが許されない。でも、ときには、予定調和を乱して、平幕の力士が横綱をうっちゃり、金星を挙げることもある。

あるいは、競馬では、先週のオークスでは、ハープスターが確実に勝つといわれながらも、あまり注目されていなかったヌーヴォレコルトが優勝したのは、”予定調和”を壊す良い例だと思う。

そして、思ったのは、この予定調和は企業の組織にも当てはまるかもしれない。

大企業もしくは官庁の場合、最近は少なくなったけど、学歴とか成績順で出世コースを決めるケースがある。

そして、その出世コースのなかで、よほどの失敗をしないかぎり、”予定調和”的にそのポストに辿り着ける。

もともと、旧海軍・陸軍士官学校では、卒業時の成績で出世コースが決まっていたこともあり、その風習が残っているのかもしれない。

ただし、この”予定調和”のよくないところは、やっぱり、組織が硬直してしまうこと。相撲の例であれば、予定調和であれば、平幕力士は永遠に横綱に勝てない。

だからこそ、予定調和を壊すこと、これは組織を活性化する上でとても重要だし、その予定調和を壊すことが経営者のリーダーシップとも言えるかもしれない。組織が上手く動かないと思ったら、予定調和を壊す、これが組織を活性化する一つの取り組みですね。

誰がデジカメを買う? ジャパネットたかたに見る”売る力” 

5月 10th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (誰がデジカメを買う? ジャパネットたかたに見る”売る力”  はコメントを受け付けていません)

あまりテレビを見るタイプではないけど、土曜日の朝、たまたまたテレビをつけていたらジャパネットたかたのCMに気づきをもらいました。

そのときの製品は、カシオのデジカメ

この低価格コンパクトデジカメは、スマホの登場で、完全に市場としては縮小傾向。あのキャノンでさえ撤退を発表している。画質もだいたいスマホとデジカメ同じくらいで、かつ、Facebookとの連動などソフトウェアについてはスマホの方が確実に優っている。だから、あえて、コンパクトデジカメを使う必要はないというわけだ。

でも、ジャパネットたかたは、そんな背景とは関係なく、売る。

その売り方は、まずデジカメを活用するシーンをみせる。それは旅での家族の思い出を記録におさめる、そのためにデジカメが必須だと。

そして、高田社長が”今、買わないと損”とまくしたてるw

最後に、9980円という価格を訴求する。

たぶん、売れると思う。

”今更、コンパクトデジカメなんて誰が買うの?” ジャパネットたかたは、このテーゼを見事に覆していると思う。

こんなの売れるはずはないとおもっていても、売り方の工夫でいくらでも売れる。

というわけで、”モノが売れない”と嘆いていたら、”売り方を工夫する”、これは重要だと思う。

当たり前といえば、当たり前だけど、ジャパネットたかたからその当たり前を教えてもらった気がします。

ネットビジネスと論語の「近き者説び、遠き者来る」

3月 23rd, 2014 | Posted by admin in イノベーション | 経営 | 長橋のつぶやき - (ネットビジネスと論語の「近き者説び、遠き者来る」 はコメントを受け付けていません)

温故知新とはいったもので、論語を読むといつも新しい発見があります。

今回の発見は、子路第十三にあるこの一節

葉公政を問ふ。子曰く「近き者説(よろこ)び、遠きもの来る。」

葉公が政治について孔子に質問した。孔子は言う「政治を行うには民心を得ることを貴びます。ゆえに近くにいる民は己の恩沢をこうむって悦び、遠方の民は己の封を聞いて来たり附くようにすべきであります」

「論語新釈」(宇野哲人、講談社学術文庫p389)

そう、ある政治家がすばらしい政治をしていれば、そこに住んでいる人々は喜ぶ。そして、それを遠方の人が聞きつけ、そこによって来る。

これは当たり前といえば当たり前なんだけど、すごく含みがある。やっぱり、遠方の人間を直接呼ぶことはできない、まずは、近い人々を呼ぶと。

そして、ネットビジネスでも同じことが言えると思う。

最近、よく相談を受けるのは、どうやってユーザを増やすか。とくにスマホのアプリの場合、誰でもアプリをつくることができるので、企業だろうが個人だろうが同じ土俵で相撲を取らざるをなくて、結局、がんばってつくったアプリが埋もれてしまうケースが多い。

で、どうやって埋もれないようにするか?

やっぱり、「近き者説び、遠きもの来る。」しかないと思う。簡単にいえば、自分の知り合い、企業であれば取引先、など、ほんとに顔の見える近い人を呼び込み、近い人が”このアプリはいけてる”と思ってもらって、はじめて、遠方の人が聞きつけ、そのアプリをダウンロードする。だから、どんなすごいアプリでも、リリースすればすぐに遠方の人がやってくることはほとんどないと思う。

論語のこの説は政治の話だけど、その言わんとするところは政治、ビジネス、ひいては、ネットビジネスとも同じであり、まずは、自分の知っている人を口説く、それがなくては、遠方への拡散はありえない。まさに、論語を読み返して、温故知新の思いです。

失敗を認める文化

3月 20th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (失敗を認める文化 はコメントを受け付けていません)

先週、ある方との会話で、なるほど、と思ったこと。

彼はこう指摘する。「ビックデータは、100%完璧な答えを出すものではない、むしろ、70%くらいの確率で未来を教えてくれる」

これは当たり前といえば当たり前だけど、こういう視点もありだなあと思いました。

やっぱり、日本のシステムとくに情報システムの場合”100%”を要求される。

もちろん、銀行の勘定システムの場合、1万円引き落とすつもりだったのに、1000円しかでなかったというミスがあってはいけない。

でも、その100%にこだわることによるデメリットもある。

それは、それはミスを許さないカルチャーになってしまい、冒険をしようという気概がなくなってしまうことだと思う。

たとえば、日本の大企業には、情報システム部があり、情報システム部の仕事は、”安定的”にシステムを運用すること、冒険はできない。

そして、安定的な運用にこだわるあまり、新しいものを取り入れなくなり、しまいには競争力が落ちる可能性はゼロではない。

で、どうするか?

”冒険”は必要。そして、一番重要だと自分が思っているのは、”冒険の失敗を認めるカルチャー”だと思う。もちろん、失敗はよくないし、失敗はゼロが望ましい。でも、どんなに努力しても失敗することはある。でも、その失敗が次の成功につながるのであれば、悪い話ではない。だから、冒険の失敗を認めるカルチャーは大事だと思う。

で、難しいのが、失敗の”度合い”。かつて、旧日本陸軍がビルマ英軍攻略で立案したインパール作戦では、山岳地域の補給路確保の難しさから、立案者の牟田口中将を除いて誰もが”失敗”すると感じていた。でも、彼の上司である川辺中将が”彼ががんばって立案しているから、認めてあげよう”という温情で作戦は決行され、多大な犠牲を強いられた。すなわち、失敗を認めることは重要、でも、致命的な失敗を認めたら会社はつぶれてしまうこともある。

結局のところ、バランス感覚なんだと思う。リーダーたるマネジメントが次につながる失敗であれば認め、会社を揺るがすような失敗であれば、断固として拒否する、難しいけど、こうしたことが大事なんだと、ビックデータの話から思いました。

キューピーにみる良い会社の条件

3月 19th, 2014 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (キューピーにみる良い会社の条件 はコメントを受け付けていません)

週末にテレビ番組カンブリア宮殿のキューピー特集を見ました。

キューピーは、マヨネーズのイメージが強いけど、マヨネーズの売上は全体の10%くらいでそれほど高くない。むしろ、卵製品、サラダ、物流といったマヨネーズ以外が売上をけん引している。

でも、キューピーのビジネスはマヨネーズであり、マヨネーズを研究した結果、卵の派生製品に行きつき、おいしくマヨネーズを食べてもらうためにサラダ(生鮮野菜)を提供し、そして、マヨネーズを新鮮に運ぶために流通ビジネスを始めた。すなわち、多角化しているようだけど、実はルーツは同じと。

それでシンクロしたのが、最近読んだ稲森さんの新著「稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ」で、彼はこう指摘する「すなわち、新規事業を立ち上げる場合は、自分の得意技を使って展開することが重要です。決して「飛び石」を打ってはなりません」(p101)。

このキューピーの例は、まさに、得意技を使って展開することそのものだと。自分の知っている会社でも、新規事業をやろうとして、「飛び石」を打った結果、うまくいかなったケースは結構ある。「飛び石」を打たず、自分の得意技を使う、当たり前といえば当たり前なんだけど、これは意外難しい。でも、ブレずに得意技にこだわる会社がやはりよい会社なんだろうなあと思いました。