家康にみる抜擢力

12月 11th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (家康にみる抜擢力 はコメントを受け付けていません)

普段、あまりテレビをみることはないのですが、こないだブラタモリの彦根の回をたまたま見ていて思うことがありました。

 彦根は交通の要衝、京都、北陸を行き来するには、彦根を経由する、新幹線も彦根を通りますよね。そして、徳川家康は、その要衝に自分の最も頼りとする井伊直政を任じたという。

 もう400年近く前の話だけど、意外といまの経営にも接点があると思いました。会社は小さいうちは創業者・社長がすべて把握することができる、でも、大きくなるとすべて自分が面倒を見ることができない。

 そうした場合どうするか?これが会社が大きくなるか縮小均衡かの分かれ目だと思うのです。家康のように、これだと思う人材を充てる。会社でいえば、連結子会社を作って、これだと思う人材に任せることに近いかもしれないですね。

 で、先日、ある会社の方の話を聞いてなるほどと思いました。その会社では、20代でも子会社の役員、社長に抜擢するという、そして、そこでマネジメントを経験して、苦労することで、一皮も二皮も剥けるという。これは商社も同じカルチャーかもしれないですね。

 さすがに家康は老獪たるがゆえにこれだと思う人材を抜擢しながらも、徳川体制を維持する仕組みを考えました。そこまで老獪さは兼ね備えていませんが、抜擢する仕組み、これは重要だと思います。土佐の山内一豊も同じですよね、いままでは幕末の本ばかり読んでましたが、戦国時代、家康も勉強してみようと思いました、これは来年の抱負です。

開発と営業のスキマを埋める

1月 11th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (開発と営業のスキマを埋める はコメントを受け付けていません)

 日経新聞のカルロス・ゴーン氏の私の履歴書を読んでいて、共感するところがありました。

 彼がルノーあるいは日産において、不振の要因が縦割りの組織にあると感じ、「会議では自己主張や実りのない議論が多く、何も決まらない。何か起きれば、言い訳が先行する」状態だったと。そして、これを変えるべくクロスファンクショナルチームをつくる。それによって、部門壁を壊し、風通しを良くして一緒に問題の解決にあたる状況をつくると。

 自分は製造業の経験はないけど、IT企業においても、これがズバリ当てはまる。IT企業の場合の多くは開発と営業の厚い壁があるケースが多い。開発は、”営業がムリな案件とってきた、仕様がムチャクチャ”と営業の詰る。一方で、営業は、”開発が遅い、バグが多い”と開発のせいにしがち。自分の経験上、開発と営業の溝が深いほど、企業の業績は落ちる、逆に、開発と営業との距離が近いほど、業績は総じて手堅い。

 で、この溝を解決するには、一つしかない。それは、マネジメントによるハンズオン・介入。開発はいつも営業が悪いというけど、たまには営業が正しいこともある、逆もしかり。だからこそ、マネジメントが場を作って、しっかりと受け止めて、フェアに判断する、そして、仕組みを作る。ま、一言でいえば、リーダーシップですね。

 「一方聞いて沙汰するな」、もうだいぶ時間がたってしまいましたが、大河ドラマ篤姫の主人公が常に心がけたことです。やっぱり、開発の話を聞いて沙汰するのではなく、開発と営業、両方の言い分をきちんと聞いて沙汰する。翻って、ゴーン氏はこうした判断能力が卓越していると思う、で、自分もまだまだだけど少しで近づければなあと思ったのでした。
 
 

合同会社と株式会社 独立ノウハウ

6月 21st, 2013 | Posted by admin in 独立 - (合同会社と株式会社 独立ノウハウ はコメントを受け付けていません)

最近、何か所で独立するにあたって、株式会社か合同会社どっちかを作ろうと思う、という話を聞くようになった。

一昔前は、会社と言えば、株式会社だったけど、最近は、合同会社という選択肢も増えて、これはよいことだと思う。

で、株式会社と合同会社どちらが適しているのか?

自分の理解では、一人でビジネスをする場合、合同会社が適していると思う。

その理由はやはりコストが安い(定款認証がいらない、設立登記の際に必要な「登録免許税」の費用が6万円と安い)、くわえて、株式会社のようなめんどくさい制度設計が不用なこともある。

株式会社の場合、経営と所有が分離されていて、かつ、所有(株式保持)に力点が置かれている(たとえば、取締役は株主総会で選ばないといけない)いて、その所有の権利を守るために、必然的に、制度設計が複雑にならざるをえない。

一方、合同会社の場合は、経営と出資が同じなので、株式会社のようなめんどくさい制度設計はいらない、だから、一人でビジネスをする場合は合同会社の方が楽。

ただ、合同会社の場合、あたりまえだけど、”株”にまつわるアクションが取れない。

株にまつわるアクションは、たとえば、ストックオプション。ストックオプションは、上場するときに行使するイメージはあるけど、行使期間中に行使金額を払い込めば、株主になれる。新規株式公開も、あたりまえだけど、合同会社にはできない。

結局どっちがいいのか、これって、やはり、会社をどうしたいのか、なんだと思う。一人でこつこつとビジネスをやるのであれば合同会社が適しているし、たくさん社員を雇ってゆくゆくは公開というのであれば株式会社しかない。もちろん、最初は合同会社で、規模が大きくなったら株式会社というのもありだろう。でも、思うのは、会社はトップが思いがすべてだと思う。”売上1億円いけばいいや”というのであれば、1億円の壁は越えられるかもしれないけど、何もしないで10億円まで到達したという例はあまり聞かない。だから、株式会社、合同会社、いずれも器にすぎない、むしろ、”思い”の方が重要だと思うのでした。

独立と会社内独立

5月 3rd, 2013 | Posted by admin in 独立 | 経営 - (独立と会社内独立 はコメントを受け付けていません)

2009年から、自分は独立という形態で、自社(フューチャーブリッジ社)を設立して、今に至っています。そして、独立して4年もたつと、”今、会社員だけど、将来独立したい”という御相談を光栄なことに幾つか頂きます。

独立自尊

福沢諭吉とフロンティアで指摘したように、福沢諭吉の信念は、明治の開国にあたって、自分のプライド(矜持)を堅持しながらも、国の独立、ひいては、自分の独立を論じた。こうした点において、自分で独立して、事業を営むことは、”是”に他ならない。そして、これはとてもいいことだ。裾野の広さと500 startupsでも指摘したように、日本国民が自分のプライドを堅持し、自分で独立して事業を営めば、すべてが成功することはないものの、確実に裾野が広がる。これは日本にとってとても良いことであり、福沢先生の思いは、現在にもまったく色あせていないと思う。

1.会社員は独立すべき?

すべての日本国民は独立して事業をおこすべきか?、一言に結論づけることは難しい。
今の会社法上、資本金が1円であっても、株式会社を設立することはできる。つまり、株式会社、もしくは、個人事業として”独立”してビジネスをすることはとても簡単。
なので、誰でも、その気になれば、株式会社をつくり、”独立”することはできる。

ただ、難しいのは、会社作ること=”独立”ではないこと。

たとえば、自分の知っている例では、ソフトウェア開発の場合、発注側から”ネット通販のシステムを作ってほしい”と言われて、その案件を受注した場合、自社で完結できるわけではない。当然、リソースが足りないので、開発を専門に請け負う会社にソフトウェア開発を依頼する(外注)。そして、そのソフトウェア開発を請け負った会社は、”独立自尊”かといわれれば、”親頼み”の面が強い。すなわち、株式会社を設立=独立とは限らない。(ただ、受託会社にとっても、親会社からの受注によって、売上を計上し、従業員への給料、あるいは、さらに外注費を支払う、ので、外注=悪、だから、もう不必要という話ではない)。

2.会社内で独立する

 
 という意味で、自分で会社を作る≠独立というのが、最近の自分の見解。会社を作ったからと言って、いつでも、”独立自尊”とはいえない。逆に、ある大企業に所属していても、自分のプライドを堅持しつつ、自分の独立を論じて、自分のやりたいことをやる会社員もいる。たとえば、自分が大学にいたころは、企業に所属しながらも、自分の好きな研究に没頭されている方が多数おられた。もちろん、それは彼が他の社員とくらべて特殊なスキル・ノウハウを持っておられて、そのスキル・ノウハウが今後の会社の成長の糧になるだろうと見越して、会社がそうした社員の”独立自尊”を是とし、自由にやらせた。ただ、最近、日本企業ではこうした社員が好き勝手やるケースが減っていると聞いて、その事態にちょっと憂慮していますが。

独立とは信念を貫くこと

 会社をやめて独立する、社内で独立する、どちらがいいか?自分の結論は、”どちらも結構、ぜひ、自分の信念を貫いて、それをビジネスにしてほしい”、だ。そして、一番、避けてなくてはいけないのは、社内・社外問わず、”自分はこういうことを考えているんだけど、同僚・上司からは余計なこと言わないで、周りの言われたことやればいいという雰囲気なので、あえて人と違う提案はやめとこう”というカルチャー。そういうカルチャーであれば、確実に2・会社内独立は難しい、と思う。結局のところ、信念を貫くという点では、社員としてやろうが、自分で独立してやろうが、本質的な問題ではない、というのが自分の結論です。そう、だからこそ、社内だろうが社外だろうが、”絶対に揺るがない信念をもつ”人が必要であり、それを一人でも生み出そうというのが、自分の信念でもあります。