新・青年社長

5月 14th, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 経営 | 長橋のつぶやき - (新・青年社長 はコメントを受け付けていません)

ブックオフの108円均一コーナーは、自分にとっては宝の山みたいなところです。基本は昔ベストセラーになったけどみたいな本が大量にありますが、中には掘り出し物があります。いま、ブックオフの業績あまりよくないですが、個人的にはこの108円均一コーナーはなくなってほしくないですね。。

 さて、そのなかの掘り出し物の一つが先日読んだ高杉良「新青年社長 上下」です。言うまでもなくこの青年社長はワタミの創業者で、いろいろと毀誉褒貶がある方ですよね。まあ、毀誉褒貶はともかくとして、大いに学ぶべき点は2つありました。

 まずひとつは彼のフレーズ「夢に日付を」、前に聞いたことあるけど、いまいち理解できなかったのですが、この本を読んで納得しました、自分の理解では、アクションアイテム(夢)に日付をつけること。これは当たり前のようで、意外と難しい。

 たとえば、社内のブレストで「これいいね!やろう」となったとしても、それがキチンとプランニングされて、実現にこぎつけるケースって意外と少ないのではないでしょうか。あと、個人でもそうで、「これやろう!」って思っても、日々の忙しさにかまけて、なおざりになってしまう、よくある話ですよね。

 そうじゃなくて、「夢に日付を」入れる。やるべきことに対して、日付を設定して、その日付にあわせて確実に実行する。これがキチンとできる組織は強いですよね。まあ、戦略・プランはかけるけど、実行が伴わないというケースが多いなか、日付を入れるというのは学ぶべきですね。

 もう一つは、小さな出会いを大切にすること。ワタミは、NPOを支援したり、農園を経営したり、良し悪しをともかくてとして多角的に事業を展開しているけど、そのはじまりはちょっとした縁、たとえば、小学校での講演の縁でたまたまNPOを始めるとか、そこからはじまっています。

 自分が思うに、どんな大きなビジネスもこうした取るに足らないかもしれない小さな縁を大切にすることからスタートすることが大きなビジネスにつながる思うのです。これも学ぶべき点だと思いました。

確証バイアスとテヘランから来た男

3月 29th, 2018 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (確証バイアスとテヘランから来た男 はコメントを受け付けていません)

 さて、先日読んだ「テヘランから来た男 西田厚聰と東芝崩壊」(児玉博)という本が面白かったのでシェアです、ドキュメンタリーとしてはちゃんと調べてあって、結論はちょいと残念ですが、よい本でした。
 
 東芝元社長の西田氏、イランで現地採用され、社長に就任するや米原子力事業を手掛けるウェスティングハウス(WH)を6400億円を買収する。この本のなかで、印象的なのが西田氏の勉強っぷり。

 「西田に講義を行った原子力事業部の幹部によれば、砂漠が水を吸い込むように原子力というビジネスを理解していったという。西田も米国から原子力関連の書籍、研究書などを次々と取り寄せては読破していく。机の上に置かれた米国版原子力白書は折り込みだらけになっていた。」(p27)

東芝がWHを買収したのが2006年、まさか5年後、原子力の根幹を揺るがす事態である東日本大震災が発生するとは予想だにしなかったと思います。もちろん、誰だってこんなことは想定できないので、不運だったかもしれない。でも、断る勇気も必要かもしれないと思いまいた。

 そこで思い出したのが、1960年代半ばの松下電器による事務用大型コンピュータの参入。松下幸之助は、当時、利用拡大が見込まれる事務用大型コンピュータ事業への参入を決め、オランダのフィリップス社と合弁会社を設立して、参入を決める。しかし、米チェース・マンハッタン銀行の副頭取との会話で日本にコンピュータメーカーが7社あることに驚き、彼はこういう。

「私の銀行は世界中にカネを貸していますが、電算機メーカーは、ほとんどどこも経営がうまくいっていない。アメリカでも今やIBMとGEなど数えるほどしかありません。それもIBM以外はしだいに衰微しているんです。日本に7社あるのは多すぎます。」

「日本経済新聞 私の履歴書 名語録」(石田修大、三笠書房、p40)

そして、松下電器はこの発言を機に大型コンピュータの開発を中止したという。

認知心理学の分野に「確証バイアス」というのがあります。確証バイアスとは、Wikiによれば、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことであり、まあ、東芝によるWHはその典型かもしれないですよね。

で、こうした確証バイアスに陥らないためにどうするか、松下と副頭取の話のように、素直な心でいろいろな意見を聞く、このブログでも何度か登場する「一方聞いて沙汰するな」ですね。

 

チームプレーか個人プレーか

9月 3rd, 2017 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (チームプレーか個人プレーか はコメントを受け付けていません)

これが良い悪いという話ではありません。自分は普段あまりテレビを見るタイプではありませんが、久々に9月3日夜のNHKスペシャルを観ました。タイトルは、「デナリ大滑降」、冒険家の佐々木氏がアラスカのマッキンリーあらためデナリを登頂し、そこからスキーで大滑降するというドキュメンタリーです。

 デナリを登頂し、スキーで順調に滑降していたものの、途中でメンバーの一人が雪ではなく氷にスキーを取られて負傷、命に別条はないものの靭帯損傷で、その日は滑降ができなくなり、ベースキャンプに戻り、その日を終えます。この時点でどう次を選択するか、それには正解はないけど、選択が分かれるところだと思いました。一つは、彼は置いて、元に戻って滑降を再開する、もう一つは、メンバーで滑降できなかったので断念する。実際は、前者を選びました、まあ、これはこれでありと思います。

 マイケル・サンデル教授は「ハーバード大学白熱教室」でトロッコ問題として一つの問題を提起しています。それは制御が効かないトロッコが上から滑走してきて、何もしなければ下にいる5名の作業員が死亡、作業員がスイッチを切り替えれば別のルートに代わるものの1名の作業員が死亡、どっちをとるか?トロッコ問題、滑降問題、いずれも解はない話ですが、会社、あるいは、チームのリーダーの場合、滑降問題については、後者な気がしてなりません。

 登山の場合、個人の力が大きいので、個人プレーでよいと思います。会社・チームも個人プレーによるところは、もちろん、ありますが、それ以上に、チームが団結して、一体化することが大事と思います。なので、個人のスキルはそれほど高くないかもしれないけど、団結力で補う、そのためには、チームの成功を考えることが大事なのかなと。ま、いずれにしても、よい考えるきっかけになりました。

 

 

指揮者と経営者

5月 27th, 2016 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (指揮者と経営者 はコメントを受け付けていません)

 本日、かつてアナリストの際、とてもお世話になりましたオービックからオービックスペシャルコンサート2015にご招待いただきました。ありがとうございました。

 さかのぼること、今から2週間くらい前、ある経営者に「今後、会社を強くするために何が必要ですか?」と質問したところ「指揮者のような人を育てたい」という答えで、指揮者はどんな人だろうという問題意識がありました。

 さいわい、とても良い席で、指揮者のマエストロコバケン氏をつぶさに見ることができました。で、素人ながらも、当たり前のことが新鮮でした。まず、指揮者は、コンマス、ソロの演奏の際は基本何もしない、言ってみれば、飛行機のパイロットが水平飛行に入ったとき、オートパイロット(自動運転)にしているものかもしれない。

 でも、ソロから別のパートに移る、もしくは、曲のトーンが変わる際には、指揮者が積極的にリーダーシップをとって、トーンを変える、これも言ってみれば、パイロットが離発着の際に最新の注意を払って離陸・着陸をすることかもしれない。というわけで、指揮者は平常時は任せていればいいけど、何かあったとき、変化があったときには、リーダーシップを発揮して、あるべき道に導く、マエストロコバケン氏から指揮者のあるべき姿を感じました。

 で、思ったのは、これってチームなんだなと。50人以上いるオーケストラをまとめるには、指揮者に対して「この指揮者についていこう」と思わせないと、たぶん、バラバラになると思う。だから、コンサートはあくまで結果であって、そのプロセス、チームビルディング、つまり、指揮者とメンバーと同士が信頼を醸成しあう過程が大事なんだろうなあと思いました。少なくとも、マエストロコバケン氏はうまくチームをビルドしていて、信頼関係を醸成していることが素人ながらも伝わってきました。

 ひるがえって、会社も全く同じだと思う。会社という組織をビルドアップして、お互い信頼しあう、これはすぐにはできないけど、こうしてできたチームは強い。そして、こうしたチームを作れる経営者(指揮者)をたくさん作れれば、その会社は強くなるに間違いと思う。

 自分はジャズのようなアジャイルな組織が好きで、もっぱら、こういうジャムセッションに是を求めていましたが、マエストロコバケン氏のリーダーシップにクラシックの世界も奥深くて面白い世界だと、新鮮な発見がありました。

会計ソフトと関心を持つこと

4月 7th, 2016 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 | 長橋のつぶやき - (会計ソフトと関心を持つこと はコメントを受け付けていません)

 先日、ある方とお話しして、なるほど、と思ったことです。

 その昔、アナリストをやっていて気が付いたのは、会計ソフトを開発・販売している会社は利益率が高くて、景気にあまり変動なく業績が安定している。で、それはなぜだろうというのが、前からの疑問でした。

 で、その方いわく、会計ソフトが変更が多い。たとえば、消費税は本当であれば昨年の10月から10%になる予定だったけど、いまのところ、8%、さらには今後も変わる可能性がある。くわえて、今後は軽減税率で、品目によって消費税が変わる可能性もあると。

 というわけで、ソフトを使っている方にとっては、やはり、こうしたイベントが起きると更新せざるをえない。そして、重要なのは、こうした更新というイベントにおいて、要所要所でコミュニケーションがあること。

 まあ、オンラインであればアップデートだけでいいけど、たとえば、営業が「消費税が上がるのでアップデートお願いします」という動機ができて、そっから、芋づる式にお客さんのニーズに応えていくと。

 マザーテレサはこう言ってます。「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と。ソフトを入れっぱなしで、おカネだけもらって、その後、無関心の放置プレーだったら、やっぱり、お客さんとしては、もういいや、となってしまう。でも、消費税が変わるタイミングでセールストークを仕込んで、お客さんに関心をもつ、これが会計ソフトの高い利益率、業績の安定につながるのかなあと。ただ、これって会計だけではなくて、お客さんに関心をもつ、これが大事なんだと思いました。
 

アンディ・グローブを悼む

3月 22nd, 2016 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (アンディ・グローブを悼む はコメントを受け付けていません)

 インテル創業者アンディ・グローブが亡くなったというニュースにショックを受けました。自分は直接、彼の謦咳に接したことはないものの、彼と直接触れ合った知り合い、そして、彼の著書から、深く影響を受けました。理系出身のマネジメントとして、はるか先な自分のロールモデルとして心から尊敬していました。心よりご冥福を申し上げます。

 自分の理解しているなかで、彼の卓越したリーダーシップは2点。ひとつは、思い切ったDRAMの撤退。もともと、DRAMメーカーとして成功したインテルが1980年代、日本勢の興隆にシェアを奪われ、忸怩たる思いでDRAM事業から撤退する。でも、その勇敢な撤退のおかげでマイクロプロセッサーに注力し、CPU市場で圧倒的なポジションまで昇華したと。

 もうひとつはインテル、そして、Googleのようなシリコンバレーの会社に広く導入されている人事制度MBO(Management By Objectives)をインテルに導入したこと。社員一人一人が目標(Objectives)を設定して、それを成し遂げることが会社の目標となる考え方。

 自分も経験があるけど、上司と部下がいるとして、上司は部下を管理しなくてはいけないということで、箸の上げ下げ並みにプロセスをいちいち管理しようとする。でも、プロセスじゃなくて、達成した目的に対して評価する、だから、自分の設定した目標を達成すべく努力する。これは素晴らしいアプローチだと思う。そして、こうした彼の残した考え方は後世にまで受け継がなければいけないと思いました。

オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ

9月 3rd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ はコメントを受け付けていません)

 9月第1週は夏休みをいただいてニュージーランドを旅しました。ATAMAIワインの小山さんとの出会い、一日一組限定のThe Sounds Retreat のすばらしいおもてなし、など、すばらしい経験をすることができました。ありがとうございました。感謝です。

 NZ,最後の夜はDepotです。 Aucklandのど真ん中にあるレストランで、 AucklandでもいつもTop10に入るレストラン。味、サービス、まったくもって申し分ありません、惚れ惚れするすばらしいレストランです。

 最初に訪問した2年前にも思ったのですが、このレストラン、わりと自分の経営の理想形があるように思います。このレストランの収容人数はだいたい120名くらい(ま、いつも並んでいますが)。一方、スタッフは10名以下。あたりまえだけど、一人が焼き方専門、野菜専門、ウェイター専門とやっていたら、全然、回らない。だから、このレストランは、あるスタッフが、貝をさばきながらも、焼き方に人が足りないとあれば、焼き方を担当。一人で複数の役割を受け持つ。スタッフのキビキビした動作が心地よく、見ているだけでもこのレストランに行く価値があります。

 で、1年くらい前になりますが、アジャイル開発の本を書きました。簡単に言えば、アジャイル開発はシステム開発の方法論で、ひとりがプログラミング、設計、テストなど複数の役割を担うことで、アジャイル(迅速)にシステムを仕上げる。このレストラン、アジャイルそのものだと思います。

 そして、このアジャイルを成立させるためには、1.仕組み(メニューはできるだけシンプル、複雑なことはしない)、2.優秀なスタッフ、に尽きると思います。経営もこれと同じだなあと。 Aucklandにお立ち寄りの際は、ぜひ、立ち寄ってみてください。

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http://www.eatatdepot.co.nz/

江戸日本の多様性とダイバーシティ

4月 22nd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (江戸日本の多様性とダイバーシティ はコメントを受け付けていません)

 司馬遼太郎は、自分のなかで最も好きな作家の一人でもあり、自分の文体も彼の影響を受けているくらいの大のファンです。

 で、先日、読んだエッセイ「江戸日本の無形遺産”多様性”」(ちくま文庫 明治国家のこと)が面白かったのでシェア。江戸時代、日本は300あまりの藩に分かれて、藩が”法人”として、様々なカルチャーを生み出した。

 たとえば、薩摩藩であれば、物事の本質をおさえておおづかみに事をおこなう政治家や総司令官タイプを生み出し、長州藩は権力の操作が上手であることから官僚機構をつくり動かした。土佐藩は、官には長くおらず、野に下って自由民権運動をひろげ、佐賀藩は、着実に物事をやっていく人材を新政府に提供した。そして、この人材の”多様性”が江戸日本から引き継いだ最大の財産(無形遺産)という。これは慧眼だなあと思いました。

 企業のダイバーシティもこれに近いと思う。会社が大きくなって、何百人と新卒採用するようになると、一人ひとりの個性を活かすというよりも、まっさらな新人に新人教育で自社の愛社精神を叩き込み、その結果、どこを切っても同じ”金太郎飴”になりがち。これは、あくまで一般論です。

 自分の経験上、この”金太郎飴”は、会社が伸びているときはいいけど、一旦下り坂になると、”みんなとちがうことをやるのはよろしくない”という作用が働き、自発的に行動ができなくなるケースが多く、その結果、次の手が打てず、ゆでガエルになってしまいがち。

 で、”金太郎飴”にならないように必要なのは、やはり、ダイバーシティ。大雑把に本質を捉えて突き進む人も必要だし、官僚機構といった仕組みを作る人も必要。作った仕組みに対して外から監視する人も必要だし、うまくその仕組みを運用する人も必要。

 昨今、ダイバーシティというと、XX比率を上げるべしみたいな定量的な話が多いと思う。もちろん、定量的な指標も必要だけど、なぜダイバーシティが必要かという話も重要かと、司馬遼太郎のエッセイから思ったのでした。

リーンとフランチャイズ

4月 4th, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (リーンとフランチャイズ はコメントを受け付けていません)

 ワークスアプリが15年に新卒を1000人採用するという、すごい決断だなあと思い、いろいろ考えるところがありました。

 かりに、給料ならびに会社負担法定福利費をあわせて一人当たり月額30万とすれば、1000名採用で月額3億円、年間で36億円、かなりの負担と思われます。

 自分の経験からすると、人を雇うのは難しくないけど、人材を活用することは難しい。で、難しいもっとも大きな要素はコミュニケーションコストが増えること。たとえば、一人の上司がいままで5人の部下を見ているところが、突然、大量新卒採用で一気に30人になると、おそらく、その上司は一気に5人から30人相手にしなくてはならず、そのためのコミュニケーションに関わるコストが一気に増える。

 このコミュニケーションコストで、自分が遭遇するのはシステム開発の現場。システム開発も、基本は人を投入するビジネスで、協力会社から人を投入すればするほど効率が上がると思いがちだけど、人を投入すると、コミュニケーションコストが増えて、プロジェクトマネジャーが把握できなくなるケースがそれなりにある。

 で、どうするか?たぶん、二つのアプローチがあると思う。一つは、少数精鋭で頑張るアプローチ。いわゆる、リーン開発といわれる分野で、一人が開発、テスト、企画など複数の役割を担うアプローチ。人をたくさん投入してコミュニケーションコストを上げるよりも、一人にたくさんの仕事をさせる。これは良さげにみえるけど、難しいのは、一人で何役もできる人は、世の中にそれほどいないこと、でも、そうしたデキる人材が何人かいればまわるアプローチ、自分の理想もこれです。

 もう一つは、マニュアル化。フランチャイズのアプローチがこれで、うまくいくエッセンスを抽出して、これを徹底的にマニュアル化する。そして、そのマニュアルに従って、オペレーションをする。売上を拡大するという点では、このアプローチは結構有効だと思う。

 で、リーンとフランチャイズどっちがいいか?

 これはどちらかがいいとはいえない。結局のところ、”仕組みを作ってレバレッジを利かす”という点ではフランチャイズのアプローチは優れているし、”人を活かす”という点ではリーンの方が優れている。

 思うのは、これを両方うまくできる会社が世の中に存在すること。仕組みを上手くつくりながらも、一人何役もできる人材がたくさんいる、こういう会社は強い、こういう会社を作りたいなあと思ったのでした。

  

歩み寄ること

2月 11th, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (歩み寄ること はコメントを受け付けていません)

先日、ある方からお話をお伺いして、なるほど、と思いました。

自分は全然知らなかったのですが、最近、プロレスが盛り上がっているという。

 で、なぜ、プロレスが盛り上がっているかと言うと、レスラーがお客さんに歩み寄っているからと。

 たとえば、プロレス公演が終わった後、お客さんとレスラーとの懇親の場所があって、レスラーからお客さんに対して、「最近どうっすか?また来てくれてありがとうございました」みたいな、やりとりがあり、レスラーは、そうした歩み寄りを全国規模で繰り返していると。ま、劇場で会えるアイドルにコンセプトは近いかもしれない。

 プロレスというと、オワコンとはいかないまでも、ちょっと古いイメージがあるかもしれない。でも、レスラーが歩み寄ることで、お客さんとしては、「また、次回、彼に会いに行こう」という気になる。

 それで、おもいだしたのが、先日、iPadの青空文庫アプリで、たまたま読んでいた中島敦の「山月記」。学校の教科書には必ず乗っている短編で、主人公は、自分詩を作る才能があり、「オレはスゴイ、イケてる」って思っていたものの、結局、誰にも歩み寄らない結果、虎になってしまった。

このプロレスの話と虎の話、言いたいことは同じだと思う。

 どんなすごいコンテンツでも、それを見て、聞いてくれるお客さんに歩み寄らなければ、結局、独りよがりになってしまう。

で、自分の理解では、これはまぎれもなく営業だと思う。どんなダサい商品でもお客さんに歩み寄って、お客さんのために尽くすことの方が、歩み寄っていないイケてる商品よりも良いと。

 というわけで、今度、プロレスにいってみようかなと思いました。