労働生産性に思う

9月 20th, 2021 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (労働生産性に思う はコメントを受け付けていません)

 さて、たまに経済の話が面白いので、書いてほしいというリクエストをいただきます。で、今回は、労働生産性の話です。あ、自分は専門家ではないので、自分が理解した範囲で書いてます、なので、誤解もあるかもしれません、くわえて、所属する組織とは一切の関係はありません。


 自分の理解では、世界の経済は、コロナも予断を許さないも、落ち着きつつあるようです。米国をはじめとした中央銀行においても、コロナが猛威を振るった昨年は大規模な金融緩和を実施しましたが、そこから徐々に緩和を縮小して、利上げに向かいつつあります。米国は、年内に金融資産の買取を縮小する、いわゆる、テーパリングが市場の話題にもなっていますね。

 で、日本の場合、もう10年近く、中央銀行である日銀は、金融緩和、すなわち、利率を下げて、マネーの供給量を増やして、結果として、2%の物価上昇(インフレ)を目指してます。ただ、このインフレ目標がなかなか達成できなくて、その先の出口である金融緩和の縮小もめどが立っていない状況です。

 なぜ、インフレ目標が達成できないか?、国としての将来に不安がある、今後少子化が進み経済活動が縮小する、などいろいろあるようですが、日銀では賃金(給料)が上がらないことが大きな要因としています。賃金があがって、消費に回して、物価が上がると。そして、なぜ、賃金が上がらないか?やはり、労働生産性の低い会社が多いのではないかと思います。


 たとえば、前職ではとても苦労したのですが、日本の場合、労働者をクビにすることは難しいです。で、これをどうにかするという議論は必要でしょうが、それはさておき、クビにできない以上、何かしらの形で雇用を維持する必要があり、そのコストが結果として労働生産性さらには賃金が硬直する要因になると。 

この話は、正解があるわけではなくて、難しい話と思いますが、ただ、クビにすることがだけが労働生産性向上の唯一の手段ではない気もします、これは45歳定年も似た話かもしれないです。むしろ、適材適所というか、それぞれの社員の長所を最大化するポジションを提供する、あるいは新しいビジネスを創出して、そこに人材をあてる、これはマネジメントの役割でもありますよね。

 というわけで、マクロでみたら労働生産性が低いのかもしれないですが、ミクロでみたらちゃんとできている会社もあるし、伸びしろのある会社もあります。というわけで、金融緩和の出口はいつかはわかりませんが、会社の体質を強化して、労働生産性を上げて、賃金を上げる、これが礎のような気がします。

ダークホースとチャンス

9月 10th, 2021 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (ダークホースとチャンス はコメントを受け付けていません)

「Dark Horse 好きなことだけで生きる人が成功する時代」を読みました。表題のダークホースは、競馬でいう穴馬ですね。競馬の場合、事前オッズで1~3倍くらいを本命◎、順当にいけば勝ちます。ダークホース穴馬▲はレースの展開によって番狂わせで勝つ、ですね。ただ、馬主的な観点から言えば、出走するレースは全力を尽くして勝つつもりで、本命も穴も関係ない結果論でもあります。
 

で、この本でいうダークホースは、標準のコースではないはずれたコースです。たとえば、標準コースで、天文学者になるには、大学で天文学を専攻して、博士号をとって、研究者になる、ま、いわゆる、順当なコースです。ダークホースの場合、高校を卒業して、アルバイトをしていて、星に興味をもって、そこから勉強をして、天文学者になったという、本命ではない、亜流、ダークホースの位置づけがあると。


 ま、この手の話は、本人のモチベーションというか志というかやる気次第なところは大きいと思います。たとえば、音楽が本当に好きであれば、その好きなことをするために、どんな境遇だろうが徹底的に努力して、ポジションを勝ち取ると。


 ただ、この「ポジションを勝ち取る」のは、我武者羅に努力するのではなく、自分にあった方法で勝ち取るべしと言います、これは大事な視点ですよね。たとえば、ワインソムリエの最高資格マスター・ソムリエ資格は、単にワインを暗記するのではなく、知識・経験・想像力あらゆる力を発揮しないと合格できない資格といいます。で、この資格に合格するには、単に暗記、時間をかけるのではなく、論文を書くのが得意なのではあれば論文を書く、あるいは、味覚と身体感覚(この赤ワインであれば、舌がピリピリするなど)が鋭いのであれば、これを活かすなど、自分にあったやり方・勉強方法を見つけることが重要だと。


 自分の理解では、全員がダークホース▲になるわけではなく、問題外である無印も存在します、そして、無印が勝つこともあります。ただ、どんなレースでも1位は1頭しかいません。なので、本命◎もあれば、ダークホース▲もあれば、無印もある、この多様性というのでしょうか。誰にでもレースに出走して、勝つチャンスがある、たとえば、江戸時代の封建制度では才能があってもレースに出走できないですね、チャンスを与えること、これが重要だと思いました。