人生後半の戦略書

4月 14th, 2024 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (人生後半の戦略書 はコメントを受け付けていません)

 最近、読んだ本「人生後半の戦略書」が、深く印象に残りました。自分もあと数年で50代になります、いつまでも変わらないつもりではありますが、やはり、人生後半に差し掛かっているのだろうと思います。というのは、どんなにこれから医学が進歩しても、100歳までは生きることができても、150歳まで生きることはできないでしょうし、そこまで生きていても、あまり幸せではないとも思います。

  この本の主題である、「人生後半の戦略書」、人生後半をどう過ごすか?というのがテーマで、一言でいえば、「流動性知能」から「結晶的知能」へシフトすべしと説きます。まず、「流動性知能」とは、革新的なアイデア、数学的能力を生み出す知能で、シリコンバレーの起業家が20代で成功するケースが多いのもこうした自由な発想による「流動性知能」によると説きます。あとは、数学者なんかもそうですよね、革新的な数学のアイデアはたいてい20~30代で閃くといいます。

 一方、「結晶的知能」とは、過去に学んだ知識を活用する能力で、たくさんの知識を蓄え、それを知恵として、後進への指導に役立てる知性です。これは50代以降になっても、衰えない能力で、その代表例は教師、単にモノを教えるのではなく、長年の知識と経験に裏付けられた知恵を授ける、人文系で高齢の教師がそれなりにいるのも、こうした背景があるようです。

  じゃあ、こうしたクリエイティブな「流動性知能」から教える「結晶的知能」に移ればよいのでは、という話ではあるのですが、ここに難しさがあって、移れない要因として、「仕事と成功への依存心」、「世俗的な見返りへの執着」、「落ち込みに対する恐怖心」があると言います。これは実感として理解できるのではないでしょうか。仕事をしていれば、やはり、仕事で成功したい、世間から認められたいと思います。そして、その成功して、世間から認められた状況になったら、そこから外れたくないと思います、いわば、成功のランニングマシンに乗って、永遠に走り続ける、結果、消耗してしまう、これを本書では「成功依存症」と呼んでいます。

 で、どうしたらこの成功依存症を克服できるか、それは「満足」の定義を変えるべしと。成功依存症での満足は欲しいものを手に入れつづけることですが、むしろ、そうではなく、満足=持っているもの÷欲しいものと考えるべしと。なので、成功のランニングマシンから降りて、欲しいものを減らす、こうした削ることが「結晶的知能」のステージにつながると指摘します。

 さて、インドのヒンドゥーの教えでは、人生を4つのステージに分けるそうです、第1ステージは学生期、青少年が学習に専念するステージ、第2ステージは家住期、キャリアと富を築き、家族を養うステージ、第3ステージが林住期(ヴァーナプラスタ)、精神性と深い知恵、結晶的知能、信仰、教育に注力ステージ、そして、第4ステージが遊行期、悟りを開くステージ。この「流動性知能」から「結晶的知能」へ移るステージが、第3ステージ林住期であり、「50にして天命を知る」に近いかもしれないですね。

 と、まあ、この本で語られていること、すなわち、人生後半は「流動性知能」から「結晶的知能」へ移るべしとは、かなりの真実、核心をついていると思います。で、最初に戻って、今の自分を見返すと、人生後半には差し掛かりつつありますが、以前、成功のランニングマシン、消えゆく「流動性知能」にとらわれている気もします。ただ、一つできるとしたら、満足の価値観を変える、欲しいもの減らす、このあたりの見直しからスタートかなあと思い、大いに刺激を受けました。