ワークフロムホームと刺激

6月 27th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (ワークフロムホームと刺激 はコメントを受け付けていません)

 さて、6月19日に県間移動が解除され、レストラン等も再開、だいぶ日常に戻ってきましたが、家から働く(Work From Home)スタイルが定着しつつある気がします。自分は、もともと、朝9時に出社して、夕方5時の定時で帰宅するというワークスタイルではなく、成果を出すために仕事をするタイプなので、WFHは違和感ないですが、社会がこういう方向になりつつあり、それはそれでよいかなと思います。

 で、最近思うのは、WFHにおける「刺激」です。WHFの場合、当たり前ですが、通勤もなければ、ミーティングのための移動時間もないです。それはそれで、コストも抑えられるし、時間もセーブできるし、良いことだらけですが、「刺激」という点では、どうなんだろう、と。

 たとえば、自分は本を読むのが好きなのですが、最近はAmazonを昔ほど使わなくなりました。というのは、購入した本からいろいろレコメンドされるのですが、わりとジャンル・内容が偏っていて、そこからの「刺激」が少ないと思っています。むしろ、最近はめっきり減りましたが本屋だったり、ブックオフの100円コーナー、ブログの書評だったり、そっちの方が自分の知らない「刺激」があるように思います。

 Amazonの「刺激」のなさとWFHの「刺激」のなさは近いと思っていて、たとえば、通勤・ミーティングの移動の際に街の様子を見る、中吊り広告から世の中で起きていることを知る、あるいは、同僚との他愛のない会話の中から新しいアイデアを見出す、など、WFH\にはリアルの「刺激」が決定的に不足していると思います。

さて、最近の「刺激」の一つで、読んで面白かったのは、桶田毅著「最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム」です。朝日新聞の祖3代目社主村山美知子氏の一生を追ったドキュメンタリーです。朝日新聞のスパイとして創業家に送り込まれた筆者が、創業家ならでは苦悩等を目の当たりにして、ある意味、創業家側に翻意する物語と読みました。「御影の令嬢」の奥にあるドラマは自分にとって「刺激」でした。

閑話休題。経済学者シュンペーターは、イノベーション(革新)の源泉を新結合であると指摘しました。新結合は、自分の理解では、化学反応みたいなもので、何かと何かをつなげることで、新しいものが生まれると。で、その新結合のみなもとは「刺激」なんだと思います。まあ、革新はちょい大げさかもしれないですが、日々のうるおいも「刺激」から生まれると思います。なので、WFHも便利ではありますが、不便利?なリアルな「刺激」も必要なのではと思い、感染拡大に気を付けながらも、リアルな「刺激」も見つけていこうと思いました。

データ分析の進め方及び AI・機械学習導入の指南

6月 13th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (データ分析の進め方及び AI・機械学習導入の指南 はコメントを受け付けていません)

セミナー等でお世話になっております情報機構さんの書籍「データ分析の進め方及びAI・機械学習導入の指南」に寄稿させていただきました。

https://johokiko.co.jp/publishing/BC200701.php

第2章1節 学習データの収集について 寄稿させていただきました。

7月から販売、早期割引もあるようです。

 

 

学歴は不要か?必要か?

6月 10th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (学歴は不要か?必要か? はコメントを受け付けていません)

このページによると現在、必要でないモノのトップは「学歴」だそうです。まあ、この手の話は、昔から喧々諤々の議論があるので、「正しい」答えはない気がします。

むしろ、これをきっかけに思いを巡らせることが大事かと思います。かつて、福澤諭吉は、緒方洪庵が主宰する適塾で「赤穂浪士の討ち入りは正義か否か?」で肯定派、否定派に分かれてディベートしたそうで(*)。義士、不義士、いずれの場合にも「ロジック」があり、そのロジックを突き詰めるのが学問と理解しています。ま、学歴の話もこれに近く、ディベートネタによいかもしれないですね。

(*)出所 青空文庫「福翁自伝」

仮令たとい議論をすればとて面白い議論のみをして、例えば赤穂あこう義士の問題が出て、義士は果して義士なるか不義士なるかと議論が始まる。スルト私はどちらでもよろしい、義不義、口のきで自由自在、君が義士と云えば僕は不義士にする、君が不義士と云えば僕は義士にして見せよう、サア来い、幾度来てもくるしくないといって、敵にり味方に為り、散々論じてかったり負けたりするのが面白いと云うくらいな、毒のない議論は毎度大声でやって居たが、本当に顔をあからめて如何どうあっても是非をわかってしまわなければならぬと云ういった議論をしたことは決してない。

 

さて、学歴の話。自分の理解では、集合でいうところの「十分条件」な気がします。十分条件は、たとえば、果物とリンゴの関係でいえば、果物という大きな集合のなかの一つの要素がリンゴ(十分条件)。で、下図のように、学歴の場合は、おそらく、成功?という大きな集合のなかに、人脈、判断力、性格などの構成要素の一つとして学歴は入っているんじゃないでしょうか。なので、両方を満たす成功=学歴、いわゆる必要十分条件、ではないですよね。

 ただ、この成功?があやしく、成功の定義は人によって違いますよね。毎日、ストレスなく満たされた穏やかな生活を成功とするのであれば、別に学歴とかいらないし。逆に、会社で出世することを成功とするのであれば、必要かもしれません。まあ、最近は、良くも悪くも前者が増えているような気がしますね、だから、必要ないモノのトップにあるのかもしれません。

 

 

 

 

「所定」とデジタル化の視点

6月 8th, 2020 | Posted by admin in 日々の思い - (「所定」とデジタル化の視点 はコメントを受け付けていません)

 

今回のコロナ禍のなかで、何度も話題になったのが、行政の電子化の遅れです。たとえば、定額給付金について、対応が追い付かないといったところから、28の自治体で中止や休止をしているといいます。まあ、これだけにとどまらず、物理的にハンコを押す習慣とか、だいぶ、電子化は進みましたが、まだまだ道半ばと思います。

そもそも電子化とは何か?目的はデジタル化と思います。デジタル化とは、アナログを0と1のデジタルに置き換えること。

具体的には、下の図のように申請用紙などの所定の紙に手書きで埋めて、郵送、担当者がチェックして可否を判断、これがアナログの入力、送信、出力で、デジタルの場合、所定のフォームをPC・スマホとをつかって埋める、そして、担当者がチェックして可否を判断する場合(セミデジタル)と、ルールに基づいて自動判断する場合(デジタル)があると思います。

アナログ セミデジタル デジタル
入力 所定用紙に手書きで埋める 所定フォームに所定形式に従ってPC・スマホを使って埋める
送信 郵送 所要時間 1~2日 メール、クラウド 所要時間 0.1秒
出力 担当者がチェックし判断 担当者がチェックして判断 ルールに基づいて自動判断

 

で、アナログとデジタルの違いは、この「所定」にあると思います。もちろん、アナログの申請書類も「所定」はありますが、間違えて消す場合もあるし、誤ったまま提出した結果、返送されることもあります。ただ、デジタルの場合、単純な話では、電話番号には数字しか入れられないし、メールアドレスには、日本語は入力できません。すなわち、場所・規格を定める(所定)こと、これがデジタル化とも言えそうです。

それで、思い出したのは、かつてアナリストをやっていた際、企業の基幹システム(ERP)について調査したことがありました。企業の基幹システムは、文字通り基幹のシステムで、どこで、どれだけモノが売れて、どれだけ在庫が残っているかかといった販売システム、売上、利益を管理する財務システム、工場でどれだけモノを作ったかを管理する生産システムと多岐にわたります。

で、このERP構築において、論点になるのは、「所定」です、日本の企業の多くは業務に合わせてシステムを作っているので、生産と販売などつなげようとすると上手く動かないことが多いです。最初の話では、「アナログ」的な所定のやり方でシステムを作っているケースが多かったです。

で、この「アナログ」的なアプローチを変えるには、「所定」しかなくて、業務を標準化すること、あるいは、働き方をシステムに合わせること。一時的には、とてもやりにくくなります、紙ベースからデジタルにしてやりにくい、不便と同じかもしれないですね。ただ、一時的には不便になるかもしれないですが、24時間申請できますし、基本、フォーム通りに間違えなければ申請されますし、メリットも一杯あると思います。したがって、まず、踏み込むことこれが重要かもしれません。