オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ

9月 3rd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ はコメントを受け付けていません)

 9月第1週は夏休みをいただいてニュージーランドを旅しました。ATAMAIワインの小山さんとの出会い、一日一組限定のThe Sounds Retreat のすばらしいおもてなし、など、すばらしい経験をすることができました。ありがとうございました。感謝です。

 NZ,最後の夜はDepotです。 Aucklandのど真ん中にあるレストランで、 AucklandでもいつもTop10に入るレストラン。味、サービス、まったくもって申し分ありません、惚れ惚れするすばらしいレストランです。

 最初に訪問した2年前にも思ったのですが、このレストラン、わりと自分の経営の理想形があるように思います。このレストランの収容人数はだいたい120名くらい(ま、いつも並んでいますが)。一方、スタッフは10名以下。あたりまえだけど、一人が焼き方専門、野菜専門、ウェイター専門とやっていたら、全然、回らない。だから、このレストランは、あるスタッフが、貝をさばきながらも、焼き方に人が足りないとあれば、焼き方を担当。一人で複数の役割を受け持つ。スタッフのキビキビした動作が心地よく、見ているだけでもこのレストランに行く価値があります。

 で、1年くらい前になりますが、アジャイル開発の本を書きました。簡単に言えば、アジャイル開発はシステム開発の方法論で、ひとりがプログラミング、設計、テストなど複数の役割を担うことで、アジャイル(迅速)にシステムを仕上げる。このレストラン、アジャイルそのものだと思います。

 そして、このアジャイルを成立させるためには、1.仕組み(メニューはできるだけシンプル、複雑なことはしない)、2.優秀なスタッフ、に尽きると思います。経営もこれと同じだなあと。 Aucklandにお立ち寄りの際は、ぜひ、立ち寄ってみてください。

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http://www.eatatdepot.co.nz/

世界ハイテクウオッチ ラックスペース

8月 27th, 2015 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 長橋のつぶやき - (世界ハイテクウオッチ ラックスペース はコメントを受け付けていません)

Screenshot of www.sbbit.jp

連載中の米国ハイテク企業ウオッチにラックスペースの記事を寄稿させていただきました。

【連載】米国ハイテク企業ウォッチ
ラックスペースは、なぜアマゾンAWSやマイクロソフトAzureと「互角に」戦えているのか
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30098?ref=150827bit

コミュニケーション! コミュニケーション! コミュニケーション!

8月 25th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (コミュニケーション! コミュニケーション! コミュニケーション! はコメントを受け付けていません)

 門田隆将「太平洋戦争最後の証言 第1部 零戦・特攻編」を読んで、いろいろ思うところがありました。今年は戦後70年、70年も経つと、同時代を生きた方は減っているなか、当事者による証言はとても学ぶところがたくさんあるとともに、二度と繰り返してはいけないと思いました。

 そのなかで、印象に残ったのが零戦。零戦は、当時の日本海軍が世界に誇る戦闘機。その運動性能のよさ、20ミリ機関砲の威力は九六式艦戦などと比べると、飛躍的に改善し、その性能は当時の世界最先端だったという。

 その零戦の弱点。よく言われるのは、運動性能を追求したため、米国のグラマンF6Fヘルキャットといったパイロットを守るための強固な装甲と比べると、その防御力が弱いなど。まあ、たしかに、それもあるようだけど、「当事者」にとっての弱点は通信機能がほぼないことだという。

 「零戦は、電信機がほとんど使えなった、支那事変の時の 九六式艦上戦闘機の場合は、お互いの飛行機同士や、それから母艦、戦艦、巡洋艦あたりとも交信できました。でも、零戦になってから、一回も通信できなかったですね。これはうちばかりではなく、どこの文体でも、そうだったようです。」と。(p159)

 実際のところ、内地では通信機能は利用できたという話もあり、南方だとコンデンサ、真空管などの部品の劣化などがあるかもしれない。ただ、自分が思うに、そして、当たり前だけど、通信は大事だと思う。

 やはり、母艦とそして仲間と無線で通信できるからこそ、チームワークで取り組むことができる。たしかに、日本には撃墜王と呼ばれたエースがいたけど、やっぱり、一人の力では限界がある。だからこそ、仲間とコミュニケーションをとること、これは今の時代にも共通して重要なことだと思う。

 コミュニケーションとは信頼だ - ある人はこう言いました。たしかに、コミュニケーションを重ねることで、お互いに信頼し、成果を生む。もともと、自分はネットワークの研究をしていたけど、そのネットワーク・通信の原点を見た気がします。

マネジメントスタイル

8月 21st, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (マネジメントスタイル はコメントを受け付けていません)

最近、どの雑誌か新聞だった忘れたけど、印象に残る記事がありました。

 それは、中国の指導者 習近平と鄧小平の仕事のスタイル。習近平は、自分で全部やらないと気が済まないタイプなので、働く時間が長い、一日16時間働くという。一方、鄧小平は必要なことだけ自分で決めて、あとは、任せるマネジメントスタイル。任せた分、時間があるので、よく孫と遊んだという。

 これは中国の指導者に限らず、自分の見るところ経営者はだいたいこの2つに収斂されると思う。で、一般的に後者がよいとされているけど、意外と、トップが何から何まですべてをやるのも別に悪い話ではない。たとえば、清の乾隆帝をはじめとした歴代の清の皇帝はあらゆる書類を自分で処理したという。逆に言えば、処理できない場合、うまくいかないケースが多いかもしれない。

 で、自分が思うのは、どっちかなんだと思う。一番よくないのは中途半端に自分でやって、中途半端に任せる。これだと手間がかかるだけで、何もいいことがない。自分はどちらかといえば、任せるタイプだけど、以外と中途半端にやるケースが多く、これはいかんなとたまに思うわけです。というわけで、中国の指導者のマネジメントスタイルから学んだことでした。

猛暑でもスーツな理由

8月 6th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (猛暑でもスーツな理由 はコメントを受け付けていません)

今年から自分のなかで一つ決めたことがあって、どんな暑くても、寒くても少なくとも平日はスーツ、長袖シャツ、ネクタイと決めています。

7月も暑かったけど、基本、スーツでした。8月もどんなに暑くても、たぶん、このルールは守ろうと思っています。

クールビズとか、カジュアルとか言われているの中、かつ、この暑い中、なんでスーツ?とたまに聞かれます。

自分が対応するのは、大企業もあるけど、やはり、ベンチャー企業が多い。

ベンチャー企業の場合、たとえば、朝行くと、プログラマーがカップラーメンの残りを放置しながら、シュラフで寝ている、まるで大学の研究室みたいな光景はよくある。

別に、この光景自体は悪いとは思わない。エンジニアが最大のパフォーマンスを発揮するためには、むしろ、こうした環境の方が良いと思う。まちがっても、プログラマーがスーツを着るべしという話ではない。

ただ、会社の場合、すべての社員が、好きな時にきて、好きな時間に、好きなことをする、というのはあまりよくないと思う。

やはり、会社は永続するという前提に立てば、会社法、定款、会計方針などの、いくつかののルールがあって、そのルールのなかで、最大限のパフォーマンスを発揮するように努力すべきだと思う。

というわけで、そうした規律・秩序を守る人が一人くらいはいてもいいかもしれない。というわけで、自分はまずは服装からこの規律・秩序を守りたいという思いです。

で、暑いでしょ?と言われるけど、正直、もうすでに暑いので、半袖だろうが、長袖だろうが、そんなに変わらなかったりします。

システム思考と全体最適

5月 31st, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (システム思考と全体最適 はコメントを受け付けていません)

先日、ある方と話していて、発見があったので、シェア。

 これまで「システム思考」という言葉を耳にしたけど、いまいち、腑に落ちなった。システム思考とは、定義によれば、「システム全体で考えること」。で、腑に落ちなかったのが、何がシステムで何がシステムじゃないかよくわからなったというのもあると思う。

 その時、話していたのは、企業の情報システム。そこそこの規模の企業の情報システムは、製造、経理・財務、マーケティングなどのユーザ部門が自分たちの業務に合うシステムとかツールを入れて、その運用はシステム部門というケースが多い。 

 で、その問題点は、「個別最適」になってしまうこと。製造部門で入れていたシステムと似たシステムが別ベンダーによって導入されているというケースは結構あって、統一すればコストは安くなるものの、いままでと操作方法がちょっと違うなどの論理で結局、個別最適になるケースが多い。それで、個別最適を繰り返した結果、企業の情報システムとしてつぎはぎだらけになってしまう。ゲーム理論で言えば、「囚人のジレンマ」的な状態といえるかもしれない。

  そういう状況において、おそらく必要なのは、システム全体を鳥瞰して、「全体最適」をすること。で、そのシステム全体から全体最適をする考え方がシステム思考なんだと思う。自分の経験上、情報システムの多くの場合は、個別最適するよりも全体最適した方がコスト的に安いケースが多い。

 とはいうものの、全体最適することは簡単なようで結構難しい。たとえば、製造部門が全体を俯瞰して全体最適することはなかなかできない。自部門の論理が優先される。こうした全体をみながら、リソースを配分するのは、たぶん、経営の役割だと思う。

 というわけで、おそらく、情報システム以外にも個別最適の論理が蔓延り、全体最適になっていないケースはいっぱいあると思う。それをシステムとして捉えて、全体最適する、これはとても重要なことなんだなあと思ったのでした。

「坂の上の雲」をのぼる

5月 5th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (「坂の上の雲」をのぼる はコメントを受け付けていません)

GW中にみた動画「はじめてのももクロ」、素晴らしいと思いました。

 この動画は、ももクロが路上ライブで世の中からほとんど認知されなかったころから一気にスターダムに駆け上がり、夢であった国立競技場でのライブまで、ももクロの軌跡を余すことなく伝えています。

 自分は、デビューしたてのアイドルがスターダムに駆けあげるのを応援するが一つの趣味です。その昔は、広末など、応援してきましたw。で、思うのは、スターダムに駆けあげる、その過程、それは、一つの組織が、「坂の上の雲」を駆けあげることであり、アイドルだけではなく、会社などでも同じだと思うのです。そして、ももクロがスターダムに駆けあげる過程は、スタートアップ企業が「坂の上の雲」を登り、大きくなる過程そのものと思います。

 ももクロの「坂の上の雲」、それは、9人から6人になって5人に(個人的には、あかりんがマッサンで女優デビュー、うれしい限りです)、いろいろ紆余曲折があっても、現状に満足することなく、常に高みを追い求めること。それはメンバーだけではなく、メンバーを支えるマネージャー、メイクさんなど、現状に満足せず、チャレンジすることにあると思う。

 こう思うと、会社などでは、現状に満足してチャレンジしていない会社も多い気がする。それはそれで思うところもあるのかもしれないけど、やはり、今のポジションに安住することなく、チャレンジすること、それによって、新しい「高み」に到達できると思う。そんなことを「はじめてのももクロ」から気づきました、おススメです。

はじめてのももクロ
https://www.youtube.com/watch?v=rZaleCVQ4Zk
 

サントリーに見るモノを売る方法

5月 2nd, 2015 | Posted by admin in 日々の思い - (サントリーに見るモノを売る方法 はコメントを受け付けていません)

自分にとって、サントリーという会社はGoogleとならんでビジネスモデルを考えるうえで、いろいろな気づきを与えてくれる素晴らしい会社です。

 昨日もそんな気づきがありました。訪問した店は「串カツ田中」という、カテゴリ的にいえば、大衆居酒屋チェーン。おそらく、サントリーは、ジンビームを売りたいんだと思う。
 
 で、どう売るか?そのアプローチがチンチロリンジンビーム。さいころをふって、ぞろ目であれば一杯無料、合計が偶数であれば1杯半額。自分が思うに、ぞろ目がですぎると運営は厳しくなるので、おそらく、サントリーがジンビームを売るということで販売促進費を出していると思う。あくまで推測ですが。

 ここで重要だと思うのは、マジョリティへのリーチ。おそらく、ジンビームそのものを売っているのでは、たとえ、CMにレオ様、ローラを起用してもリーチできる層は限定されると思う。でも、えげつないかもしれないけど、ハイボール+キャンペーンで、一気にマジョリティにリーチする、これは学ぶべきことだと思う。

 企業が時を越えて脈々と受け継がれる文化、これを企業のDNAと定義すれば、この会社のDNAはマジョリティへのリーチだと思う。前クールの朝ドラ「マッサン」では、スモーキーフレーバーの本場のスコッチウイスキーにこだわるマッサンに対して、サントリーの創業者がモデルといわれる鴨居の大将はあくまでも日本人の舌にあうウィスキーを追及した。そして、このDNAは、チンチロリンジンビームという形で息づいていると思う。

 最近思うことは、素晴らしい技術・製品は世の中にたくさんある。そして、技術・製品を深堀することは重要だけど、その技術・製品を広く使ってもらうこともとても重要。で、どうやって使ってもらうか?サントリーの「チンチロリンジンビーム」の売り方は学ぶところが多いと思ったのでした。

江戸日本の多様性とダイバーシティ

4月 22nd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (江戸日本の多様性とダイバーシティ はコメントを受け付けていません)

 司馬遼太郎は、自分のなかで最も好きな作家の一人でもあり、自分の文体も彼の影響を受けているくらいの大のファンです。

 で、先日、読んだエッセイ「江戸日本の無形遺産”多様性”」(ちくま文庫 明治国家のこと)が面白かったのでシェア。江戸時代、日本は300あまりの藩に分かれて、藩が”法人”として、様々なカルチャーを生み出した。

 たとえば、薩摩藩であれば、物事の本質をおさえておおづかみに事をおこなう政治家や総司令官タイプを生み出し、長州藩は権力の操作が上手であることから官僚機構をつくり動かした。土佐藩は、官には長くおらず、野に下って自由民権運動をひろげ、佐賀藩は、着実に物事をやっていく人材を新政府に提供した。そして、この人材の”多様性”が江戸日本から引き継いだ最大の財産(無形遺産)という。これは慧眼だなあと思いました。

 企業のダイバーシティもこれに近いと思う。会社が大きくなって、何百人と新卒採用するようになると、一人ひとりの個性を活かすというよりも、まっさらな新人に新人教育で自社の愛社精神を叩き込み、その結果、どこを切っても同じ”金太郎飴”になりがち。これは、あくまで一般論です。

 自分の経験上、この”金太郎飴”は、会社が伸びているときはいいけど、一旦下り坂になると、”みんなとちがうことをやるのはよろしくない”という作用が働き、自発的に行動ができなくなるケースが多く、その結果、次の手が打てず、ゆでガエルになってしまいがち。

 で、”金太郎飴”にならないように必要なのは、やはり、ダイバーシティ。大雑把に本質を捉えて突き進む人も必要だし、官僚機構といった仕組みを作る人も必要。作った仕組みに対して外から監視する人も必要だし、うまくその仕組みを運用する人も必要。

 昨今、ダイバーシティというと、XX比率を上げるべしみたいな定量的な話が多いと思う。もちろん、定量的な指標も必要だけど、なぜダイバーシティが必要かという話も重要かと、司馬遼太郎のエッセイから思ったのでした。

リーンとフランチャイズ

4月 4th, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (リーンとフランチャイズ はコメントを受け付けていません)

 ワークスアプリが15年に新卒を1000人採用するという、すごい決断だなあと思い、いろいろ考えるところがありました。

 かりに、給料ならびに会社負担法定福利費をあわせて一人当たり月額30万とすれば、1000名採用で月額3億円、年間で36億円、かなりの負担と思われます。

 自分の経験からすると、人を雇うのは難しくないけど、人材を活用することは難しい。で、難しいもっとも大きな要素はコミュニケーションコストが増えること。たとえば、一人の上司がいままで5人の部下を見ているところが、突然、大量新卒採用で一気に30人になると、おそらく、その上司は一気に5人から30人相手にしなくてはならず、そのためのコミュニケーションに関わるコストが一気に増える。

 このコミュニケーションコストで、自分が遭遇するのはシステム開発の現場。システム開発も、基本は人を投入するビジネスで、協力会社から人を投入すればするほど効率が上がると思いがちだけど、人を投入すると、コミュニケーションコストが増えて、プロジェクトマネジャーが把握できなくなるケースがそれなりにある。

 で、どうするか?たぶん、二つのアプローチがあると思う。一つは、少数精鋭で頑張るアプローチ。いわゆる、リーン開発といわれる分野で、一人が開発、テスト、企画など複数の役割を担うアプローチ。人をたくさん投入してコミュニケーションコストを上げるよりも、一人にたくさんの仕事をさせる。これは良さげにみえるけど、難しいのは、一人で何役もできる人は、世の中にそれほどいないこと、でも、そうしたデキる人材が何人かいればまわるアプローチ、自分の理想もこれです。

 もう一つは、マニュアル化。フランチャイズのアプローチがこれで、うまくいくエッセンスを抽出して、これを徹底的にマニュアル化する。そして、そのマニュアルに従って、オペレーションをする。売上を拡大するという点では、このアプローチは結構有効だと思う。

 で、リーンとフランチャイズどっちがいいか?

 これはどちらかがいいとはいえない。結局のところ、”仕組みを作ってレバレッジを利かす”という点ではフランチャイズのアプローチは優れているし、”人を活かす”という点ではリーンの方が優れている。

 思うのは、これを両方うまくできる会社が世の中に存在すること。仕組みを上手くつくりながらも、一人何役もできる人材がたくさんいる、こういう会社は強い、こういう会社を作りたいなあと思ったのでした。