沈まぬ太陽に思う昭和のキャリア

11月 15th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき

 今年4月のステイホームの時期、たまたまアマプラで「沈まぬ太陽」のドラマ版にハマりました。全20話ながらも、1話1話丁寧に作られていて、あっという間に全話コンプリートです。

 で、これは原作も読まねばということで、先月から読みました。全5巻ですが、ドラマ同様あっという間でした。とくに、3巻、御巣鷹山編が重かったです。

 ドラマのときにも思ったのですが、主人公恩地元はなぜ会社を辞めなかったのか?と。もともと、彼は、国民航空のエリートとして将来を嘱望されたものの、労働組合の委員長に推薦され、委員長として首相フライトのストライキ計画をし、そこから会社から赤のレッテルを張られ、経営陣に疎んじられ、カラチ、テヘラン、ケニアの海外赴任とあからさまな左遷人事を食らいます。でも、彼は辞めずに任を全うします。

 まあ、一度入社した会社に定年まで勤めあげる、転職とはもっての外、いわゆる、昭和な職業観ゆえに辞めなかったのかもしれません。そのなかで、自分なりの結論は、見守ってくれる人がいるからだと理解しました。それは、ケニアでは、欧州・アフリカ総支配人の南洋一、あるいは、最後の会長室では国見会長、「こいつは見どころがある」と見守ってくれる上司の存在があったのではないかと。

 そういう意味で、半沢直樹も同じかもしれないですよね。ややネタバレですが、半沢直樹が、やり返したらやり返す、とか、1000倍返しとか、普通の銀行であれば有り得ないことをドラマではやりますが、それは大ボスである中野渡頭取が「こいつは見どころがある、将来の頭取候補だ」という思いがあったので、辞めさせることはなかったのではないかと。

 さて、昭和から平成をへて令和になり、転職も当たり前になりました。もちろん、転職は本人のの意思なので止めることはできません。でも、ちょっとヤンチャで、いろいろとやらかすけど「こいつは見どころがある」、そんな部下を見守る、これは会社にとっても大事なのではないかと思いました。

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