カーネーギーの墓碑に想う

3月 15th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (カーネーギーの墓碑に想う はコメントを受け付けていません)

 本日、ある先輩とご一緒させていただきまして、とても勉強になりました。

 彼曰く、いままで優秀な東大生をたくさん見てきたという。そこで、わかったのは、そうした人をどれだけたくさん見つけて、うまく使うかと。

 で、このうまく使うことは、意外と難しい。たとえ、どんな優秀であっても、自分の意図とは違うことをすることがある。そして、下手に優秀な大学を出たのでプライドも高い。そのなかで、彼の指摘は、そうした人にきちんと目的を与えて、一緒にどう目的を達成すべきか考えるべしと。

 ま、これはシリコンバレー流の業績評価でいえば、MBO(Management By Objective)、目標を設定して、それを達成するために、経営が一緒になって、汗をかくモデルそのものと思いました。

 鉄鋼王アンドリュー・カーネーギーの墓碑にはこうあります。「自分より賢き者を近づける術知りたる者、ここに眠る」、どう人を使うか、その術はいろいろやらないとわからないなあと、ただ、その積み重ねが大事なのかもしれません。

第36回 Webマーケティング・リレーセミナー

2月 13th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (第36回 Webマーケティング・リレーセミナー はコメントを受け付けていません)

3月23日(木)19:00からWebマーケティング・リレーセミナーに登壇させていただきます。ウェブマーケティングセミナーは、中学・高校の先輩でキャッチボール21社長原田さんが主催されておられて、毎回多彩なゲストがリレーします。前回は、Schooの森さんと対談させていただき、とても大きな気づきをいただきました。ありがとうございました。

さて、次回は、フィンテックから見た企業のエコシステムという話題について議論します。自分が企業と本格的にかかわり始めたのは、アナリストを始めた10年くらい前から、それ以降、会社はどうやって大きくなっていくのか、どういう土壌が会社を育てるのか、考えてきました。

ま、企業は生き物みたいなもので、食べる餌、育つ環境によって変わるのだと思います、こうした点をフィンテックのベンチャーから議論できればと思います、登録が始まったばかりですので、ぜひ!

https://relayseminar.cb21.co.jp/

婦人画報にみる「3年先の稽古」

2月 5th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (婦人画報にみる「3年先の稽古」 はコメントを受け付けていません)

 最近、ドコモのdマガジンで雑誌をパラパラ見るのが日課になっているのですが、毎回、婦人画報のクオリティの高さに瞠目しています。

 家庭料理とか、和菓子とか何気ないテーマでも実に深く、広く、そして、長期間にわたって取材していて、プロの技を感じます。なかでも、自分の印象に残っているのが、松本金太郎絵日記でした。

 彼は歌舞伎の名門高麗屋、松本染五郎の長男で、たぶん、いまは10歳くらい、10歳の絵日記を雑誌に載せて何が楽しいと思うかもしれない。でも、たとえば10年、20年後、彼が高麗屋の看板を背負うことになると、おそらく、婦人画報では、10歳の絵日記が何かしらのエピソードになると思うのです。

 というわけで、今日、明日ではなくて、数年後、数十年後を見据えて、雑誌づくりを担う、相撲の三年先の稽古に通じるものがありそうです。

 と考えると、企業も目先の利益を考えることは大事だけど、数年後、数十年後を見据えて取り組む、最近は目先にとらわれることが多く、じっくりと取り組くむのはもっと大事だと思ったのでした。
 
 

開発と営業のスキマを埋める

1月 11th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (開発と営業のスキマを埋める はコメントを受け付けていません)

 日経新聞のカルロス・ゴーン氏の私の履歴書を読んでいて、共感するところがありました。

 彼がルノーあるいは日産において、不振の要因が縦割りの組織にあると感じ、「会議では自己主張や実りのない議論が多く、何も決まらない。何か起きれば、言い訳が先行する」状態だったと。そして、これを変えるべくクロスファンクショナルチームをつくる。それによって、部門壁を壊し、風通しを良くして一緒に問題の解決にあたる状況をつくると。

 自分は製造業の経験はないけど、IT企業においても、これがズバリ当てはまる。IT企業の場合の多くは開発と営業の厚い壁があるケースが多い。開発は、”営業がムリな案件とってきた、仕様がムチャクチャ”と営業の詰る。一方で、営業は、”開発が遅い、バグが多い”と開発のせいにしがち。自分の経験上、開発と営業の溝が深いほど、企業の業績は落ちる、逆に、開発と営業との距離が近いほど、業績は総じて手堅い。

 で、この溝を解決するには、一つしかない。それは、マネジメントによるハンズオン・介入。開発はいつも営業が悪いというけど、たまには営業が正しいこともある、逆もしかり。だからこそ、マネジメントが場を作って、しっかりと受け止めて、フェアに判断する、そして、仕組みを作る。ま、一言でいえば、リーダーシップですね。

 「一方聞いて沙汰するな」、もうだいぶ時間がたってしまいましたが、大河ドラマ篤姫の主人公が常に心がけたことです。やっぱり、開発の話を聞いて沙汰するのではなく、開発と営業、両方の言い分をきちんと聞いて沙汰する。翻って、ゴーン氏はこうした判断能力が卓越していると思う、で、自分もまだまだだけど少しで近づければなあと思ったのでした。
 
 

加賀屋でおもてなしを考える

12月 24th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (加賀屋でおもてなしを考える はコメントを受け付けていません)

昨日、今日と和倉温泉の加賀屋にいく機会があり、いろいろと気づきがありました。

 いままで世界中でいろいろなホテル・旅館に滞在する機会がありましたが、加賀屋はおもてなしという点では、自分の中ではダントツでベストです。すばらしい旅館です。やはり、従業員一人一人が「どうしたらお客さまにとって過ごしやすい滞在ができるか」ということを徹底的に考えていて、すべてがその目線でサービスされています。たとえば、浴衣だと寝にくいだろうという配慮から夜にはパジャマを提供したり、男性には男性向けの食器、女性には女性の食器、アメニティ、タオル、何から何まで、ここまでやるかというところまで徹底しています。なので、1回だけではなく2回、3回とリピーターになる理由がとてもよくわかりました。

 やはり、このモデルはおカネがかかる。お客様に常に快適に過ごしてもらうには、仲居さんが一人で沢山お客様を相手にしていては対応できないので、結果的に従業員を増やし、かつ、研修のコストも結構かかると思う。くわえて、設備についても、常に新しく入れ替えたり、料理を変えたりしないと、ライバルに追いつかれてしまうので、やはり、常に投資をしないと競争優位を保てないモデルだと思う。そういう意味で、競合を圧倒的な投資・M&Aで出し抜くアマゾン、もしくは競馬で稼いだ賞金をすべて投資につぎ込むノーザンファームのビジネスモデルに近いかもしれない。

 この稼いだ金を全部つぎ込む全力投球型ビジネスモデルの場合、自分の経験では、やはり、どんどん投資して強くなるプレイヤーと投資の余力がなくなりジリ貧に陥るプレイヤーの二極化になりやすい。加賀屋も前者のプレイヤーで、今後もどんどん投資して強くなると思います。

 というわけで、旅館・ホテルにとどまることなく加賀屋から学ぶべき点はたくさんあります。もちろん、加賀屋のように大規模な投資は、よほどの規模でないかぎり体力的にもキツイと思う。でも、「どうしたらお客様にとって過ごしやすい滞在ができるか?」というのは知恵を絞れば実現できる気もする。たとえば、そのアプローチがデータの活用。お客様にかかわるデータを徹底的に集めて、どんな新聞を読むのか、どんな食べ物が好きなのか、枕の好みなど大規模な投資をしなくてもお客様のことを理解できる手段はいろいろあると思う。百聞は一見に如かず、加賀屋での心地よい滞在からいろいろ得るものがありました。

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図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本

11月 26th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本 はコメントを受け付けていません)

おそらく2年ぶりくらいになりますが、本が出ます。「図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本」。このシリーズは二度目で、紙の本はいつのまにか6冊目です。

 たまに、「書くの楽じゃないの?」、と聞かれることがあるのですが、全くそんなことはないです。今回もいろいろな方の話を伺い、自分が腹落ちするまで調べて、何度も何度も書き直す(かのピーター・ドラッカーは自著を三度書き直すそうですが、さすがにそこまでは。。)。このプロセスはマラソンのようにキツいプロセスで、かつ最近はアプリックスCFOとの二毛作で平日はあまり時間をとれず、休みを主に使いましたが、納得がいくものができました。

 アリペイ、テンペイなどのフィンテック先進国の中国、出稼ぎ労働者の送金から生まれたケニアのM-PESA、インドで起こりつつあるペイティーエムのようなモバイル決済、ロボアドバイザー、ブロックチェーン。日米だけではなく、世界各地で革命が起きていて、時間ができたらこうした世界を回るスタディーツアーをできればなあと思いました。というか、だれかやりましょう。

 最後に今回もこうした機会をいただけました編集の山内さんありがとうございました。来週くらいから本屋さんに並ぶようで、電子書籍も近いうちにでるようです。ぜひ、よろしくお願いいたします!

となりへー地に足をつけること

11月 18th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (となりへー地に足をつけること はコメントを受け付けていません)

 先日、丸の内の地下を歩いていて、たまたま、靴修理のミスターミントの前を通りました。ミスターミントは、いつものように靴修理とスペアキーの他に新しくスマホ修理というのがあって、なるほど、と思いました。

最近だとiPhoneのガラスが壊れたというのは自分も経験あるけどスマホのガラスが割れることはよくおきます。そして、わざわざアップルストアにいくよりも、近くのミスターミントで直してもらった方が、やっぱり便利です。ミスターミントにとって、スマホ修理のスキルは、たぶん、スペアキー作成、靴修理と似たようなスキルだと思う。

 新規事業というと、何やら大したものかもしれない。これまで、自分がいろいろ見ていて、失敗する新規事業は”飛び石”、つまり、全く知見のない分野に参入すること、たとえば、IT受託開発会社がリゾート開発に新規参入といっても、受託開発(お客様の仕様にあわせてソフトを開発する)のスキルとリゾート開発(自分で仕掛けてトレンドをつくる)のスキルは全然違うので、うまくいかないことがおおい。ひるがえって、ミスターミントのスマホ修理、おそらく、ミスターミントにとって新規事業かもしれないけど、知見のある分野かつ初期費用もそれほどかからないので、”となり”の分野への参入といえるかもしれない。そして、”となり”へいくことはとても理にかなっていると思うのです。”となり”から”となり”へどんどん行けば、それにしたがって、ビジネスも大きくなると。

 ミスターミントは上場していないので、どういう状況かわからないけど、こうした地に足をつけるという点で良い会社だと思う。そして、自分も地に足をつけて行きたいと思いました。

村上春樹と海外ビジネス

10月 6th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (村上春樹と海外ビジネス はコメントを受け付けていません)

 やれやれ、というかんじで、この時期になるといつも村上春樹のノーベル文学賞が話題になります。で、なぜ、彼がいつも候補になるのか、ハルキストの一人として以前から不思議に思っていました。
 
 その不思議が比較的解消されたのが、去年、彼が出版した自叙伝的エッセイ「職業としての小説家」。そのなかの、「第11回 海外に出て行く。新しいフロンティア」を読んでなるほどと思いました。

 「アメリカで作家として成功しようと思ったら、アメリカのエージェントと契約し、アメリカの大手出版社から本をださないことには、まずむずかしいよ」(p273)とアメリカ人に忠告され、彼は忠実に守って、アメリカの文芸界の超トップクラスのエージェントと契約したと。

 そして、日本人の作家ではなく、アメリカ人と同じ土俵に立ってやっていこうと、自分で翻訳者を見つけて個人的に翻訳してもらい、その翻訳を自分でチェックし、その英訳された原稿をエージェントに持ち込み出版社に売ってもらうという努力を続け、アメリカ人と同じスタンスで扱ってもらうようにしたと。

 そうしてアメリカのマーケットを開拓したことが、ヨーロッパ、ロシア、東欧、今では世界50カ国で読まれるようになったと。まあ、アメリカマーケットの開拓とノーベル賞候補は直接因果関係はないものの、アメリカの土俵というフロンティアを開拓した彼にやはり敬意を表したいと思う。

 これはわりとビジネスでも似たような話で、一般的には国内なんだろうけど、たまに、最初から海外を見てビジネスを展開するスケールの大きい人がいる。たとえば、50年以上前、誰もアメリカに日本製品が通じると思わないなかで、アメリカに移住したソニーの盛田昭夫氏は最たる例だと思う。そして、そのリスクをとったからこそ、大きなリターンを得られるのではないかと。

 というわけで、今年のノーベル文学賞、日本人として新しいフロンティアを切り開いた彼に期待です。
 

バンカーの矜持

8月 4th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (バンカーの矜持 はコメントを受け付けていません)

池井戸潤「陸王」を読みました、588ページもあるけど、テンポの良さとわかりやすいストーリーであっという間です。いつもながらの展開ではあるけど、やっぱり、うまいなぁ、と思います。
 
 彼がこの本、あるいは、半沢直樹でもそうだろうけど、一貫して描きたかったこと、それは”バンカーの矜持”なんだと思う。この物語は、百年続いた足袋作りメーカーこはぜ屋が、既存の足袋市場が縮小する中で新規事業として、会社の社運をかけて新規事業であるランニングシューズに挑む。でも、足袋メーカーという”点”とランニングシューズという”点”、この点と点を結ぶのは、銀行員である坂本であり、彼の存在なくしては、この物語は存在しない。

 ”銀行員(バンカー)”というと堅苦しいイメージがあるかもしれない。でも、堅苦しいだけではなくて、融資先が成長するために必要な手立てを惜しみなく提供して、点と点を結ぶ、それがバンカーの矜持、と言えるかもしれない。そんな企業の成長を資するバンカーがもっと出てほしい、こんな思いがあるのかなあと。

 そして、もう一つ読んでいて小気味がよいのが、主人公であるこはぜ屋社長の宮沢、冴えない中年だけど、人一倍アツい、映像化したら小日向文世かなあ。それはともかく、重要なのは、リーダーシップなんだと思う。自分も経験あるけど、新規事業はシンドイ。製品もなければ、販路もなければ、売れる保証もない。最初にあるものは、リーダーの想い・情熱だけ。でも、その想い・情熱、すなわちリーダーシップで、周りを巻き込み、新しい仲間を増やし、大きなうねりを作って、途方もない大きな目標を達成する。

 自分が私淑するベンチャーキャピタリストはいつもこういいます。「ビジネスで重要なのは仲間を作ること。自分で全部やらないで仲間を作ることでビジネス大きくできる」、陸王はこのよいサンプルと思いました。ま、ここまで成功するケースはなかなかないと思うけど、元気になれる本でした。

あなたがよい上司と思わせる24のサイン

7月 23rd, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (あなたがよい上司と思わせる24のサイン はコメントを受け付けていません)

日々、どうやって会社を活性化しようかと、模索する毎日です。そして、それには自分の理解では、会社の活性化には、マネージャー(Boss)の心持が重要だと思うのです。そんななかで、とてもよいページを見つけたので、適当に訳しました。このサイン、東洋哲学に通じるものがあると多分に思いました。ま、24のうち全然できないけど、少しでも満たせるようになりたいものです。

あなたがよい上司と思わせる24のサイン

1.特定のものに興味をもたない
2.従業員を人間らしく扱う
3.新しいことにトライする
4.自分がやっていることをキチンと説明する
5.自分も含めて説明する
6.礼儀をもって尋ねる
7.サポートに徹する
8.障害を取り除く
9.よいコーチたれ
10.期待値をコントロールする
11.従業員にフィードバックする
12.オープンで包み隠さない
13.本質を探る
14.自分のことをキチンと説明する
15.問題を解決する
16.従業員のチャレンジを応援する
17.マイクロマネージしない、でも、任せっぱなしにしない
18.従業員の気持ちを理解する
19.ユーモアのセンスをもつ
20.従業員の夢と目標を大事にする
21.ナイスなふりをしない
22.良い聞き役である
23.従業員の生活に関心をもち大切にする
24.波長を合わせる

24 signs you’re a good boss — even if it doesn’t feel like it