現場とJ・J氏に学ぶインプットの方法

5月 22nd, 2013 | Posted by admin in 経営 - (現場とJ・J氏に学ぶインプットの方法 はコメントを受け付けていません)

最近思うこと、どうやってインプットするか?といこと。

たとえば、何かを書いたり、プレゼンしたり、あるいは、新事業の推進などの経営判断をする場合、何かしらの”インプット”がないと、よいアウトプットはできない。だからこそ、良いインプットがとても重要になると思う。そして、インプットの方向性は2種類あると思う。

一次情報というインプット

まず、一次情報で、実際に現場に赴き、自分の目で見たものをインプットする。いうまでもなく、とても重要。自分の経験しているパターンだと、経営判断というアウトプットは、現場の声なくしてはありえない。というのは、従業員数十人くらいの小さな会社であれば、経営者は従業員すべてを掌握できているので、つねに経営と現場が一緒になっている。でも、企業規模が拡大して、従業員が数百人、数千人、そして、支店が増えるほど、経営と現場が離れてしまう。したがって、”離れた”デメリットを補おうと、中間管理職が、各拠点、各部門ごとに状況を報告する。ただし、中間管理職が、正しく状況を報告するとは限らない。とくに、業績が落ち込むと、誰かのせいにしたくなり、バイアスのかかった報告というのはよくある例。だからこそ、経営者が現場にいって、自分の目で見て、事実を確かめる。まさに、”事件は会議室で起きているのではなく、現場で起きている”であって、これはとても重要なインプットだと思う。

2次情報というインプット

 一次情報が目で見た”現場”の情報であれば、2次情報は、本に書いてあった、テレビで報道されていた、人から聞いた、といった第3者を介して取得した情報。2次情報は所詮”座学”で価値がない揶揄される場面もあるけど、自分はそうは思わない。その例が、敬愛するジャズ・映画評論家J・J氏こと故 植草甚一氏のニューヨーク談義。彼はニューヨークをこよなく愛し、60年代から「ヴィレッジ・ヴォイス」や「ニューヨーカー」を定期購読したという。そして、e-daysのインタビューによれば、写真家中平穂積氏がニューヨークを旅する際に、J・J氏を訪ね、ニューヨークの事情を教えてほしいと訪ねた際、J・J氏こう答える。

出発前に、植草先生のお家を訪ね、「ニューヨークの事情を教えて欲しい」と教えてもらいました。植草先生は、早速山のように積まれた本からニューヨークの地図を取り出して、鉛筆で書き込みながら解説してくれました。「この通りのこの店のコーヒーが美味しい。最近、新しく出来たパン屋はここです。ビレッジ・バンガードはここです。中平さん、行ってみるといいでしょう」。さすがに詳しいなと、すっかり感心して、「ところで先生は、何回ぐらいニューヨークに行かれたのですか?」って聞くと、「僕は一度も行ったことないよ」って。先生は最高ですね」。

J・J氏にとってのニューヨークは2次情報以外の何ものではない。でも、様々な角度から2次情報というインプットを積み上げると、1次情報を凌駕することもありえる。そして、後年、J・J氏はニューヨークを訪問し、2次情報と1次情報を融合した「ぼくのニューヨーク案内」という著書を世に送り出している。

1次情報と2次情報

結局のところ、1次情報と2次情報、どちらが重要という話ではないと思う。1次情報から本当の意味を引き出すためには、やはり、事前の学習など2次情報が必要。一方で、反乱する2次情報のなかで、真実をつかむためには1次情報が不可欠、このバランスが重要なのだと思いました。

企業の寿命

5月 18th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (企業の寿命 はコメントを受け付けていません)

先日、ブックオフで100円で買った与謝野馨氏の「全身がん政治家」のこの一説が印象に残りました。彼は、アリストテレスを引用して、「政治の形態は、専制君主制と、寡頭制(すくない数の集団指導制)、デモクラシーの3つ。それぞれいいようで欠点がある。つづけていくと最後には危機に陥る。」と。

 これは企業にも同じ話で、デモクラシーのように社員の言うことばかりを聞く企業は一見よさそうに見えるけど、結局うまくいかない場合が多い(社員の意見はバラバラなので、それをまとめると妥協の産物になる)。かといって、専制君主のようにカリスマオーナーが会社を引っ張る場合、一代ではいいけど、そのカリスマオーナーの次が引っ張っていけないという場合も多い。

企業の寿命は30年とよくいわれる、やはり、会社を、専制君主制、寡頭制、デモクラシーいずれかの方式で設立して、そのやり方に限界がくるのは30年ということなんだろうと思う。逆に言えば、100年、200年と生き続ける企業の場合、同じように、どこかで限界が来るに違いない。でも、その限界を打ち破る、たとえば、カリスマ―オーナーがいなくなったあとは、後進が必死に食らいついて寡頭制に移行する、寡頭制で仲間割れになった場合は、カリスマオーナーが復帰する、など。

 会社を作るのは簡単だけど、それを長く続けるのは難しい、アリストテレスの言葉はそれを表しているように思います。

理学と工学

5月 15th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (理学と工学 はコメントを受け付けていません)

最近思うこと、同じ”理系”であっても、理学と工学は結構違う。

理学の代表は物理、数学で、世の中の真理・法則を探求することだと思う。たとえば、宇宙はいつできたか、とてつもなく難しい問題だけど、ある仮説を提示して、その仮説を裏付ける様々な状況証拠を一つ一つ積み上げながら、ロジックをくみたてて、証明する。コンサルタントに理学部出身が比較的多いのも、フィールドが違えど、ロジックを組み立てて、仮説を検証するという点では、やってることは結局同じなのかもしれない。

一方、工学の場合は、どちらかというと、”こんなん、作りました”というアプローチ。たとえば、ロボット作るという場合、もちろん、仮説を立てて、それを証明するのも大事だけど、それ以上に、失敗を恐れず、ひたすら、改良に改良を重ねて、誰も作っていないものを作る。何もないところから、新しいものを生みだす、そういう点だと、ベンチャー企業経営に近いかもしれない。

最近思うことは、理学的な分析思考がパーフェクトながらも、工学的なフロンティアマインドを持ち合わせている人は、ほとんどいないということ。そう、一人ではできない、だから、チームを作って、それぞれの特性を引き出す。当たり前なんだけど、その当たり前の大事さを気づきました。

仕事を奪うITと生涯現役

5月 8th, 2013 | Posted by admin in 独立 | 経営 - (仕事を奪うITと生涯現役 はコメントを受け付けていません)

今週(5月11日)の週刊ダイヤモンドの特集は、”仕事消失時代”に生き残るビジネスマン、このところよく見かけるテーマだけど、なかなかよくまとまっていると思った。

仕事を奪うIT

最近、つらつらと考えているのは、ITと仕事の関係。いうまでもなく、コンピュータに人間の仕事の一部を任せることによって、生産性を上げる、30年前くらいからOA(Office Automation)革命と言われたけど、今も昔もこのコンセプトに本質的な違いはないと思う。でも、コンピュータに仕事を任せれば任せるほど、人間の仕事がなくなる。これはいいことでもあって、悪いことでもあるとおもう。

自分もOA化の現場にしばしば立ち会うことがあり、先日では、ある経営者は「うちもシステム入れ替えて、全部、電子化にしたいけど、電子化にすると、人がいらなくなるので、地元の雇用に影響がでてしまう」と。米国流にいけば、バッサリ余剰人員を削減するのが、”合理的”なんだけど、地元にとっての企業は”共同体”的な要素もあるので、なかなか踏み込めないようだ。

 ただ、最近感じるのは、この特集にも言及しているように世の中の多くが”サービス化”していること。サービス化の定義はいろいろあるけど、自分の理解は、”価値が情報によって決まる要素が多い”ことだと思う。例えば、100円でつくった鉛筆を110円で売る場合と、この鉛筆の出自、いかに希少であるかという”情報”を付与して300円で売る場合、言うまでもなく後者の方がサービスとしての価値が高い。というわけで、結局、サービス化するということは、情報あるいはOA化と切っては切れない関係にあるんだと思う。

生涯現役社会

 じゃ、どうするか?世の中すべての人間が、”ある製品に情報という付加価値をつけてプロデュースする”プロデューサー”になるのはあまり現実的ではないと思う。結局のところ、記事の清家慶應塾長が指摘するように、”2030年代には、「3人に1人」が65歳以上になる。人口の「3分の1」にもなる人たちを特別扱いすることはできない。意思と能力のある人がいつまでも働き続ける社会、すなわち生涯現役社会を作らなければならい”なんだと思う。

どうやって生涯現役をつくるか、やっぱり、これって”意思”なんだろうと思う。自分が独立した理由の一つは生涯現役でいたいと思ったから。80歳くらいまでインディペンデントコントラクターとしてマネージメント(経営管理、プロジェクト管理)の仕事をしたいと思っていて、かりにサラリーマンだったら自分の年だと折り返し地点だけど、80歳ピークだとまだまだ学ぶことが多くてこれからです。いずれにしても、今回の特集からいろいろ学ぶことがありました。

 

もくじ

・こうしてあなたの「仕事」は消失する(Part1)
 1.日本的雇用慣行のひずみ(年功賃金制度の崩壊など)
 2.スキルの陳腐化(自己完結型の目的達成力)
 3.産業構造の変化(製造業・建設業従事者の減少など)
 4.IT・ロボットの進化(無人化・省エネ生産ラインの配置、開発者・技術者の配置転換が困難)
 5.グローバル化の加速(新興国の台頭)
 →5つの雇用激変が「男性ミドル」にしわ寄せ

・5つの激変が招くミドル世代の受難(Part2)
 1・狙われる中高年社員:賃金抑制・雇用調整の包囲網
 2.能力やスキルの陳腐化であなたの居場所がなくなる
 3.サービス業への産業シフトで男は仕事喪失、女は雇用創出
 4.有資格者も安心できないホワイトカラーと機械との競争
 5.日本人の居場所を脅かすトップ級”外国人との競争”

・40歳から始めようキャリアチェンジの心得(Part3)
 ・職種・業種の垣根を越える”ポータブルスキル”

 ・組織で働く人も”市場で生きる力”を身につけよ

独立と会社内独立

5月 3rd, 2013 | Posted by admin in 独立 | 経営 - (独立と会社内独立 はコメントを受け付けていません)

2009年から、自分は独立という形態で、自社(フューチャーブリッジ社)を設立して、今に至っています。そして、独立して4年もたつと、”今、会社員だけど、将来独立したい”という御相談を光栄なことに幾つか頂きます。

独立自尊

福沢諭吉とフロンティアで指摘したように、福沢諭吉の信念は、明治の開国にあたって、自分のプライド(矜持)を堅持しながらも、国の独立、ひいては、自分の独立を論じた。こうした点において、自分で独立して、事業を営むことは、”是”に他ならない。そして、これはとてもいいことだ。裾野の広さと500 startupsでも指摘したように、日本国民が自分のプライドを堅持し、自分で独立して事業を営めば、すべてが成功することはないものの、確実に裾野が広がる。これは日本にとってとても良いことであり、福沢先生の思いは、現在にもまったく色あせていないと思う。

1.会社員は独立すべき?

すべての日本国民は独立して事業をおこすべきか?、一言に結論づけることは難しい。
今の会社法上、資本金が1円であっても、株式会社を設立することはできる。つまり、株式会社、もしくは、個人事業として”独立”してビジネスをすることはとても簡単。
なので、誰でも、その気になれば、株式会社をつくり、”独立”することはできる。

ただ、難しいのは、会社作ること=”独立”ではないこと。

たとえば、自分の知っている例では、ソフトウェア開発の場合、発注側から”ネット通販のシステムを作ってほしい”と言われて、その案件を受注した場合、自社で完結できるわけではない。当然、リソースが足りないので、開発を専門に請け負う会社にソフトウェア開発を依頼する(外注)。そして、そのソフトウェア開発を請け負った会社は、”独立自尊”かといわれれば、”親頼み”の面が強い。すなわち、株式会社を設立=独立とは限らない。(ただ、受託会社にとっても、親会社からの受注によって、売上を計上し、従業員への給料、あるいは、さらに外注費を支払う、ので、外注=悪、だから、もう不必要という話ではない)。

2.会社内で独立する

 
 という意味で、自分で会社を作る≠独立というのが、最近の自分の見解。会社を作ったからと言って、いつでも、”独立自尊”とはいえない。逆に、ある大企業に所属していても、自分のプライドを堅持しつつ、自分の独立を論じて、自分のやりたいことをやる会社員もいる。たとえば、自分が大学にいたころは、企業に所属しながらも、自分の好きな研究に没頭されている方が多数おられた。もちろん、それは彼が他の社員とくらべて特殊なスキル・ノウハウを持っておられて、そのスキル・ノウハウが今後の会社の成長の糧になるだろうと見越して、会社がそうした社員の”独立自尊”を是とし、自由にやらせた。ただ、最近、日本企業ではこうした社員が好き勝手やるケースが減っていると聞いて、その事態にちょっと憂慮していますが。

独立とは信念を貫くこと

 会社をやめて独立する、社内で独立する、どちらがいいか?自分の結論は、”どちらも結構、ぜひ、自分の信念を貫いて、それをビジネスにしてほしい”、だ。そして、一番、避けてなくてはいけないのは、社内・社外問わず、”自分はこういうことを考えているんだけど、同僚・上司からは余計なこと言わないで、周りの言われたことやればいいという雰囲気なので、あえて人と違う提案はやめとこう”というカルチャー。そういうカルチャーであれば、確実に2・会社内独立は難しい、と思う。結局のところ、信念を貫くという点では、社員としてやろうが、自分で独立してやろうが、本質的な問題ではない、というのが自分の結論です。そう、だからこそ、社内だろうが社外だろうが、”絶対に揺るがない信念をもつ”人が必要であり、それを一人でも生み出そうというのが、自分の信念でもあります。

良い売上減少と悪い売上減少

4月 29th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (良い売上減少と悪い売上減少 はコメントを受け付けていません)

企業にとって、売り上げが減ることは、よい場合と悪い場合、2つあると思う。

良い売上減少

一般的に売上減少は悪いと思われるけど、売上減少がかえって良い場合もある。

一番、わかりやすい例は、営業キャッシュフローがプラスになること。たとえば、一つのモノを作るのに10万円のモノを8万でうっていたら、単純計算で2万円損する。
これは、ライバルに勝つために戦略的な値引きとして、ライバルのシェアを奪い、自社のシェアを獲得する手段としてよくある話。
そして、この手の戦いでは、結局のところ、資本力(≒利益剰余金、内部留保がある会社、戦略的な値引きでキャッシュフローが悪化しても、内部留保で補う)の戦いになる。
今でいえば、牛丼チェーン店の値下げが、これに相当するだろう。
そして、こうした消耗戦で売上を拡大すればするほど、営業キャッシュフローがマイナスになる。という点で、値引き合戦から手を引いて、売上を減らして、適正利益を確保する、これは良い売上の減り方だと思う。

悪い売上減少

 一方で、悪い売上減少もある、それはいうまでもなく、”モノが売れない”ことだ。いままで自分が見てきた会社でもこのパターンが結構多い。
その、”モノが売れない”パターンに共通しているのは、組織の硬直化だと思う。当たり前だけど、世の中は常に動いている。そして、動いている世の中にあわせてモノ・サービスを提供することで、売上を上げることができる。そして、その世の中のニーズをくみ取れば取るほど、それだけ売上を最大化できるというわけだ。

一方で、硬直化した組織、一言でいえば、変化を否とする組織。たとえば、誰かが新しいことを企画・提案しても、”いままでウチでやったことがないからダメ”と無碍に否定する、とか、”アイツはみんなと違うことをやろうとして、ウチのビジネスをぶち壊す”とかがこれに該当する。新しい企画・提案があっても、社内でお蔵入りになってしまい、キャッシュカウだった主力製品もどんどん競争力を失う。人間で言ってみれば、動脈硬化のように、血のめぐりが悪くなってしまい、挙句の果てには、その血のめぐりの悪さが、それが致命傷になることもある。

組織の硬直化をどう防ぐか

では、どうやって、組織の硬直化を防ぐか。結局のところ、マネジメント(経営)だと思う。基本的に何もしないと組織は硬直化する、これは仕方ないことだ、とくに日本人だけの同質のコミュニティではこの傾向は著しいと思う。だけど、組織を硬直化させないように、たとえば、ハングリーな外人を入れる、あるいは、部署移動をする、たとえば、システムが全くわからない経理部の人間をシステムの責任者にする。ちなみに、これは自分の知っている会社で実際にやっていることで、下手にシステムがわかる人間だと技術に固執する傾向にあるので、あえて、技術がわからない人間をシステム部に投入することで、ゼロベースで本当に必要なモノを再構築できる。やはり、この手の采配は、現場から出てくるというよりマネジメントの決断によるところが大きい。

 吉田松陰は、「立志尚特異 (立志は特異をとうとぶ) 」、志を立てるためには人と異なることを恐れてはいけない、と指摘しました。そして、周りと違うことを提案する社員の志を育てるのがマネジメントの役割の一つなのだと、最近、事あるごとに思うのです。

すべては思いつきから

4月 24th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (すべては思いつきから はコメントを受け付けていません)

ちょっと意地悪かもしれないけど、いろいろな人と新しいビジネスについて話すとき、自分は自分もしくは他人にまず3回そのビジネスの問題点をあらさがしをして揺さ振ります。これは、大学のリサーチをやっていたときと同じだなあ、とふと思いました。

すべては思いつきから始まる

”こういう製品をつくりたい”、とか、”ここと組んでこのサービスを提供したい”、というビジネスアイデアは、基本、すべて思いつきから始まる。リサーチも同じで、”こんどはこの方法で実験してみよう”のようなアイデアも、ふとした思いつきから始まる。ほんの小さな思いつきがすべてだ。

思いつきをカタチに

そして、その思いつきは、思っているだけでは、妄想に終わってしまう。だから、ビジネスであれば具体的な企画書作成・営業、リサーチであれば実験・論文、本を書く場合だったら、タイトル、狙い、目次案と具体的にアクションをする必要がある。そして、思いつきからアクションに変えて、次がある。

ゆるぎないアクションをつくる

 そして、そのアクションを世に問う(製品を売る、サービスを発表する、論文を発表する)と、すぐにそのアクションが大反響を起こすということはまずない。むしろ、”こんなのつまらない”、”必要ない”、”流行るはずがない”、と否定されるのが落ちだ。そして、冒頭のように、自分も自分もしくは他人からビジネスプラン等を話す場合、まず、3回そのビジネスを展開する上で課題となる点(アラ)を探して、指摘するようにしている。そして、3回アラを指摘して、”やっぱ、無理っぽいね”と思ったら、それでおしまい。そして、たった3回でアラでノックアウトするんだったらやるべきではない。でも、3回アラを指摘しても、”絶対、大丈夫”というゆるぎないアクションであれば、自分はサポーターになります。

ゆるぎないアクション=志

 最近思うのは、こうしたゆるぎないアクションというのは、志ということ。まさに、このブログで何度か登場する長州藩の”志”の人吉田松陰の”志を立ててもって万事の源となす”なんだと思うのです。

ベンチャーサポートと日本酒販売

4月 21st, 2013 | Posted by admin in イノベーション | 経営 - (ベンチャーサポートと日本酒販売 はコメントを受け付けていません)

たまたま、違う分野の2人と話をしていて、その内容がとても共通点があったので、一人で、なるほど、と思ったことです。

ベンチャーサポートのビジネスモデル

まず、一人は、ベンチャーサポートの方。裾野の広さと500 startupsで指摘したように、自分を含めて、ベンチャー企業をサポートすることは、日本企業の裾野を広げる大切なことだと思う。そして、あるベンチャーサポートの方いわく、”われわれのビジネスは、恩を売って、売って、売りまくることだ”という。

そう、”これだ!”と思える有望なベンチャー企業に出会ったら、短期的な費用対効果を考えずに、自分の取引先を紹介する、企業の問題点をサポートする、などあらゆる観点からサポートし、そして、将来の上場などの機会で回収する。これはこれで、裾野を広げる意味で日本企業にとって、必要不可欠なビジネスだ。

日本酒販売というビジネスモデル

そして、もう一つが日本酒小売の方。古を辿れば、日本酒は明治まで、酒と言えば日本酒であり、その優位性は揺るぎのないものであり、作れば売れるビジネスだった。だけど、明治以降ビールなどの種類が増えてきて、日本酒ビジネスも作れば売れるとうわけにはいかない。

だから、売るためには工夫がいる。たとえば、作り手の戦略は、”昔ながらの製法を維持”もあるけど、新しいイノベーションに挑戦する企業もある。その一例が、獺祭を販売する旭酒造。この酒造メーカーのラインアップの一つが、遠心分離製法。普通の酒つくりはもろみを絞って日本酒にするものの、この会社のアプローチは、無加圧状態での遠心分離によってもろみから分離することで、香りやふくらみが残る。だから、これが日本酒?と思うほど、味に雑味がない。いうまでもなく、これは売れる。

もちろん、小売りとしても、こういう革新的な製品を出せば売れるのは間違いないけど、えてして、この手の製品は製造側に主導権があるので、小売店での差別化が難しい。だから、小売りの戦略は、”これだ!”と思える将来有望な酒蔵を見つけ出して、恩を売って、流通をサポートする。これは、ベンチャーサポートと同じビジネスモデルと思う。これって、結局、重要なのは、裾野の広さ、日本中に10件しか酒蔵がなかったら、このビジネスモデルはありえない。だから、”うちもつくってみよう”という酒蔵が増えることがとても大事だと思う。

ベンチャースピリッツ

 ベンチャーサポートと日本酒販売、この共通点は、やはり、挑戦することの大事さだと思う。どんな小さいことでも、”やろう!”と志して、挑戦する。もちろん、その挑戦が一本調子でうまくいくことはない。失敗して、失敗して、でも、あきらめずに続ける、その過程でサポーターからのサポートもあり、志をなし遂げる。自分は、最後の一人になってもその経営者の志を応援する立場だけど、もっともっと、志をもつ経営者を応援したいと思いました。

アンバンドリングというフレームワーク

4月 21st, 2013 | Posted by admin in イノベーション | 経営 - (アンバンドリングというフレームワーク はコメントを受け付けていません)

いつもモノを考えるとき、フレームワークという考え方を使って考えることが多いです。
フレームワークの意味は”枠組み”、ある物事を枠に当てはめてみると、その物事がよりよく理解できるという話。
もちろん、枠に当てはまらないモノもあるけど、だからといって、フレームワークが使えないという話でもない。
そして、自分がいつも使っているフレームワークが、”アンバンダリング”という考え方です。

アンバンダリングとは

 アンバンダリングとは、マッキンゼーのコンサルタントジョン・ヘーゲル三世の提唱した概念で、世の中のすべてのビジネスは1.製品イノベーション、2.カスタマーリレーション(顧客管理)、3.インフラ管理、の3つに分別することができ、それぞれをごっちゃまぜにすると結局誰をターゲットにした製品・サービスかわからなくなるので、”アンバンダリング”(分離)すべしという言説。

簡単に言うと、”お客様は神様です”という2.カスタマーリレーションのビジネスモデルを標榜しながらも、”これからエッジのある製品を出したい”という1.製品イノベーションのビジネスモデルは確実に同居しない。”お客様は神様です”のビジネスモデルは、お客様のよろこぶサービスを、お客様に併せて提供することであり、それと”エッジのある製品”とはよほどのことがないかぎり重なることはない。それで、3つのビジネスモデルの特徴は以下。

1.製品イノベーション

魅力的な新製品や新サービスを提案して、それをマーケットに送りだすこと。たとえば、アプリ開発は、“こんなアイデア面白い”というアイデア勝負のところがあって、このアイデアは、顧客管理業務から生み出されるというよりも、むしろ、個々の開発者のひらめき、センスに負うところが大きい。成功要因は、スピード、できるだけ早くマーケットに出すこと。

2.顧客管理

顧客を見つけ出して、この顧客とリレーションシップ(関係)を築き上げること。たとえば、ウェブサイトで何かしらの製品資料をダウンロードする場合、たいていの場合、連絡先を要求される。これは入力された連絡先に定期的にコンタクトすることによって、顧客とのリレーションシップを築こうとする目的があるから。成功要因は、スコープ、顧客に気に入った製品を提供するためには、顧客の興味を絞る(スコープ)必要がある。

3.インフラ管理

すでに製品があり、顧客もついているビジネスにおいて、そのビジネスを安定的に運用すべく、製品の流通、在庫管理などのロジスティクスなどの設備を構築し、管理すること。成功要因は、スケール、すなわち、規模を拡大し、1単位当たりのコストを抑えること。

アンバンダリングと中小企業

このアンバンダリング、大企業だけの問題かといえば、自分の経験でいえば、小さい企業もかなり同じことが当てはまると思う。たとえば、これまでお客様は神様ですとばかりに2.顧客管理を提供していたものの、これからはグローバルにプラットフォームを展開するということで3.インフラ管理に転換しようとすると、とんでもないコストがかって事業として成り立たないというのはよくある話。(ただ、それで事業として成立するかしないかは、マネジメントの胆力だと思う、ただ、両方を満足することはできないので、取捨選択は必要)

スマートフォンビジネスモデル

 というわけで、自分はこのアンバンダリングというフレームワークでビジネスをまず考えます、そして、スマートフォン業界において、このアンバンダリングという視点から整理したのが、去年上梓させていただいた「スマートフォンビジネスモデル」です。よろしかったら、ご笑覧ください。

図解スマートフォンビジネスモデル 図解スマートフォンビジネスモデル
長橋 賢吾

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Googleファイバーという戦略

4月 10th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (Googleファイバーという戦略 はコメントを受け付けていません)

Googleが、米国のカンザスシティに続いて、テキサス州オースティンにも自社のブロードバンドサービス「Google Fiber」(グーグルファイバー)を提供するという。はたして、このGoogleファイバー、今後ビジネスとして大きなトレンドになるか?

Googleファイバーとは?

 Googleファイバーとは、言わずと知れたGoogleが提供するFTTH(Fiber To The Service)サービス。家庭に光回線を提供することで、高速インターネットアクセスを実現するサービス。日本でいえば、NTT東西のフレッツ光に相当する。1Gbpsをフルに使うことはほぼないだろけど、たとえば、5Gバイト(映画1本くらい)であれば、5秒で転送が完了するくらいの、すごく速い速度。(理論的は5秒であるものの、実際のところは、セッションの確立など、もう少し時間はかかります。)

Googleファイバーのビジネスモデル

いうまでもなく、1GBpsの高速回線をすべての家庭にタダで提供していてはビジネスとして成立しない。というわけで、Googleファイバーのビジネスモデル(収益を上げる仕組み)は、月額での料金徴収であり、料金プランは(1)フリーインターネット(300ドルの初期費用で、帯域はダウンロード5Mbps/アップロード1MBpsなものの月額無料)、(2)ギガビット(初期費用300ドル、月額費用70ドルで、帯域はダウロード・アップロード1Gbps)、そして、(3)ギガビット+TV(ギガビットに加えてのGoogleTVサービスなどの追加で月額120ドル、初期費用300ドル)の3種類。

Googleファイバーはビジネスとして成立するか?

 一般的にテレコムビジネスは、大規模な資本投下が必要なビジネスと言える。それはやはり、サーバを借りて新しいネットサービスを始める、あるいは、フリーランスのプログラマを集めてソフトウェア会社を作る、とはいかずに、ある地域(Googleファイバーでいえば、カンザスシティ、オースティン)の一定区域をリーチするために光ファイバーを敷設もしくはすでに敷設してあるファイバーを借りる、くわえて、そのファイバーからネットに接続するまでのコスト(トランジット)を負担する必要がある。そして、その接続にかかる費用は顧客の多寡を問わず発生するコスト(固定費)であり、その固定費を上回る売上(ファイバー加入者数)が必要になる。

 というわけで、結局のところ、テレコムビジネスとしては、同じ設備を全国展開して、お客さんを増やす戦略であり、現状の2か所だけでは、ペイするのは難しいと思う。もし、Googleではないスタートアップ企業がGoogleファイバーのようなサービスを展開したら、収益性のあるビジネスに育てるのはとても難しいと思う。

なぜ、 Googleはファイバービジネスを展開するか?

 なぜ、Googleはファイバービジネスを展開するか?やや一般的な言い方だけど、それはGoogleとネットとが“補完材”の関係にあるからだと思う。補完材は経済学の考え方で、ある財を保管する材、その代表例は、車とガソリン。当たり前だけど、車はガソリンなくして走ることはできない、だから、ガソリンは車を走らせるために必要で、車を補完するモノ、だから、補完材。これはネットとGoogleの関係も同じで、ネットでの利用が増えれば増えるほど、Googleで検索する回数は増える。すなわち、ネットが大きくなればなるほど、Googleの収益機会が増える。2か所にファイバーを提供するからといって、すぐにはネットユーザが増えるというわけではないけど、やっぱり、“補完材”の一助にはなると思う。ただ、全米一斉もしくは世界一斉にGoogleファイバーを展開したら、いくら財務に余力があるグーグルといえどもたまったものではない。だから、厳しいセレクションプロセスで慎重にファイバー展開地域を選び、展開している、言ってみればGoogleらしくないやり方を貫いているとも言える。

おわりに

 10年前ならいざ知らず、最近では、スマートフォン・タブレットのパケット放題で、家にいなくても常時ブロードバンド環境が進みつつある。そのなかで、本当に家庭に1Gbpsの回線が必要かと言えば、必要な家庭はそれほど多くないと思う。自分が思うに、Googleの幹部もこの問題に悩んでいると思う(すくなくとも自分がマネジメントだったら、一番悩む)。それで、どうするか?結局のところ、家庭に1Gbpsが必要なモノを作り出すしかない(例:TV)と思う。それができるかできないか、これこそがGoogleファイバーが普及するかしないかの分岐点だと思う。

追記(20130410)

フレッツ光の記述に誤記があったので訂正しました。