【連載】世界ハイテク企業ウォッチ フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは

12月 18th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (【連載】世界ハイテク企業ウォッチ フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは はコメントを受け付けていません)

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連載中の世界ハイテクウオッチにフィットビットの記事を寄稿させていただきました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30543

青田買い

12月 15th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (青田買い はコメントを受け付けていません)

先日ですが、とても良いお話をお伺いしました。

あるメーカーから、某内視鏡メーカーはすごい、という話です。

 で、何がすごいかといえば、その会社は、将来の医者の卵である、医学部の学生のころから、医学部生向けに内視鏡のセミナー・研修等をやるという。まず、学生のうちから、内視鏡に触れさせ、何ができるかを体験し、それを10年、20年続ければ、結局、そのメーカーを使い続けるしかないと。

これは、いわゆる囲い込み、あるいは、青田買いかもしれないけど、これはこれで理に適っていると思う。

 自分の比較的身近な話では、IPO系もこれに似ている。会社を設立して、産声を上げてから、数年、場合によっては、数十年かけて上場(IPO)するケースがある、確率的には魚の卵が成長魚になるくらいの低い確率。まあ、IPOは会社の「成人式」かもしれない。で、成人式の直前になって、うちのサービス使ってくださいといっても、普通手遅れの場合が多い。

 たとえ、低い確率でも、産声を上げた時から、将来の成人式のために恩を売って、売って売りまくる。これは内視鏡の医学部生の囲い込みと似ているかもしれない。ポイントは、青田買いしたからといって、すべての田んぼが実るわけではない。あくまでも、5年以上で回収を見込む腰を据えた投資だと思う。

そう考えてみると、腰を据えるというのは大事だと思う。そして、長いこと、腰を据えて打ち込んできた会社は強い、そんなことを思いました。

70年前のデータサイエンティスト – 「大本営参謀の情報戦記」

11月 21st, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (70年前のデータサイエンティスト – 「大本営参謀の情報戦記」 はコメントを受け付けていません)

久しぶりにワクワクしながら本を読むという経験をしたので、忘れないためにも久しぶりにブログ更新です。

「大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇」(堀栄三 文春文庫)という本です。

著書は、戦前の陸軍士官学校を出て、その後、陸軍大学校を卒業して、昭和18年10月 大本営陸軍参謀としてドイツ方面の戦局を収集・分析するいわゆる情報参謀の任につく。その後、ソ連、米国と転じ、米軍がどのような戦術で、どれくらいの規模で、いつどこに上陸するといったアメリカ軍の行軍について、公開情報、これまでの戦法、無線・暗号解読、諜者などのソースを基に多角的に分析、「敵軍戦法はやわり」といった冊子にまとめる。その分析手法について、彼はこう語る。

常に断片的な細かいものでも丹念に収集し、分類整理して統計を出し、広い川原の砂の中から一粒の砂金を見つけ出すような情報職人の仕事であった。(同書p221)

こうした緻密な分析から、マレーの虎と畏怖された山下奉文大将が率いる第14方面軍の情報参謀として、戦局が悪化するなか、米軍のフィリピン上陸の地点について、航空機の経路、無線でのやりとり、米軍の思惑などから、ルソン島西部のリンガエン湾に上陸すると予測し、それが的中。さらには、戦争が長引いていれば、米国は日本本土上陸として、米軍は昭和20年11月に九州南部、志布志湾への上陸を実際に計画(オリンピック作戦)していたが、彼ならびに彼が所属する大本営6課はこれを正確に予測。米軍の行動を的確に予測することから「マッカーサー参謀」と呼ばれた。

様々な情報を多角的に分析、数値化して、次のアクションを予測する、彼は自分の役割について「情報職人」と呼称する、これは今でいえば、データサイエンティストそのものだと思う。というわけで、データサイエンティスト自体は、大昔から存在していたわけで、名前が変わっただけ(情報職人→データサイエンティスト)だと思う。

そして、彼がどう情報を「数値化」したか。彼は、「鉄量」というKPI(Key Parameter Index:重要評価指標)を提示する。というのは、日本とアメリカでは「師団」(軍隊の一方面での作戦を遂行する単位、自分の大雑把な理解では営業、総務、技術を兼ね備えた一つの会社)といっても構成が違うので、同じ土俵で比較できない、だから、どれだけ火力があるか、それを鉄量というKPIで比較。いうまでもなく、鉄用という観点ではいうまでもなく圧倒的に米軍が勝り、彼はこう指摘する。

堀は師団という名称よりも、鉄量(火力)の差を重視していた。ほかの人々は、鉄量は精神力で克服できるという呪術的思考であった。(同書p215)

自分が思うに、これは70年前の過去の出来事と片づけることができない、いまにも通用する教訓があると思う。その一つが、データを活用した経営。データを活用した経営は大事といわれるものの、すべての会社がデータを活用しているとは限らない。自分もここ1年くらいデータサイエンスのセミナーをやらせていただきまして、いろいろな会社のデータ活用事例を教えていただきました。その感じでは、やっぱり、「うちの部門の勘は正しいから、データをつかわなくてもいい」というケースはまだ結構あるようにおもいます、いってみれば、鉄量は精神力で克服できるという発想に近いかもしれない。

ただ、「勘は正しいから、データをつかわなくてもいい」というのは、これはこれで、それほど全否定するべき話ではないと思う。勘というのは長い経験に裏打ちされたものであり、むしろ、データ分析よりも正しい場合もある。ただ、問題は何かというと、まさに、本書で指摘されている戦果の誤認識だと思う。著者は、昭和19年10月、台湾沖航空戦を間近に目撃。

黒板の前に座った司令官らしい将官を中心に、数人の幕僚たちに戦果を報告していた。
「○○機、空母アリゾナ型撃沈!」
「よーし、ご苦労だった!」
戦果が直ちに黒板に書かれる。
「○○機、エンタープライズ轟沈!」
「やった!よし、ご苦労!」
また黒板に書き込まれる。
その間に入電がある。別の将校が紙片を読む。
「やった、やった、戦艦2撃沈、重巡21轟沈」
黒板の戦果は次々と膨らんでいく。
(同書p161)

その後、彼が、暗い海のなかでどうして自分の爆弾でやったと確信しているか、アリゾナの艦型、などを質問しても、あいまいな返事しかしない、結局のところ、戦果を検証せずに、「轟沈、撃沈」と誇張、実際の戦果は、その3分の1、5分の1であったにもかかわらず、その誤った戦果をもとに、次の作戦を立案するため、相手を過小評価してしまう。それが情報なき国家の悲劇の原因であったと筆者は指摘する。

これは意外と今でも多いと思う。やっぱり、ビジネスでもうまくいっていないとき、それを正しく受け入れるのは、難しい。でも、それを正しく現状を受け入れないで、精神論で突破できるの一点張りだと、現状を正しく認識できず、ずるずると泥沼になる。だからこそ、きちんと数量化されたデータをもとに客観的に分析し、次の一手を打つ。これが情報職人、あるいは、データサイエンティストの役割だと思う。そうした点で、客観的な状況を受け入れるための経営陣、トップの度量も必要だと思う。フィリピンの第14方面軍の山下大将は彼に対してこう命令する。

レイテはこれから激戦になるだろう。今後の推移を十分見守らなければならないが、いずれは敵はルソン島に来る。いつ、どこに、どれくらいの敵がくるか、君は冷静に、どこまでも冷静に専心考えて貰いたい。これが大将の君への特命だ。口外厳禁!」(同書p190)

やっぱり、人間だれでも自分の都合が悪い情報はシャットダウンしたいと思う、でも、それをあえてシャットダウンせずに、フェアに判断する、やはり、それはトップの度量だと思う。自分の経験でも、データを使って意思決定する多くの会社は、経営、トップがよい情報、悪い情報、すべてひっくるめて判断する会社が多い。一方で、旧陸軍は、作戦の方針を決める大本営と一言にいっても、その中枢である作戦課が「奥の院」のように単独で作戦を決定し、情報を軽視したところに問題があると指摘した筆者の指摘は、そっくりそのまま、ビックデータ課をつくったところで、それを経営として活用しなければ意味がないという話と同じと思う。

戦後70年、二度とこうした悲劇を繰り返さないためには、やはり、データによるチェック機能というのは、国、国家に限らずとても重要なことだと思う。そんなことを70年前のデータサイエンティストから学びました。

世界ハイテクウオッチ ユニコーン企業とは?

11月 14th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (世界ハイテクウオッチ ユニコーン企業とは? はコメントを受け付けていません)

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連載中の世界ハイテクウオッチにユニコーン企業の記事を寄稿させていただきました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
ユニコーン企業とは何か?Uber、Airbnbなど評価額ランキング30社にみる高評価の理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30329

児島虎次郎という「中の人」

9月 20th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (児島虎次郎という「中の人」 はコメントを受け付けていません)

 シルバーウィークは岡山・倉敷にいきました。そして、とても印象に残ったのが倉敷です。倉敷は、その昔、出張でいったことがあるけど、市内をちゃんと見るのがはじめてで、明治・大正の佇まいを残す美観地域のすばらしさは固よりたくさんの発見がありました。

 とくに、印象に残ったのが大原美術館です。大原美術館は、いまのクラレの創始者でもある大原孫三郎のコレクションが展示してある美術館。この美術館の何がすごいかというと、自分の理解では、フランスの印象派のコレクションは多分日本一で世界的にもトップクラスのレベルだと思う。

 で、なぜ、倉敷の美術館が印象派のコレクションを集めることができたか?それは、大原孫三郎の盟友児島虎次郎によるところがおおきい。東京芸大を2年スキップするほど優秀な成績で修了した児島は、大原の支援をえて、20世紀のはじめにフランスに留学。そこで、当時、まだそこまで有名ではなかったモネなどといったフランスの印象派の画家と積極的に交流し、そのなかで、絵を買い付けたという。いわば、彼は印象派の「中の人」といえるかもしれない。

 そして、「中の人」だからこそ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ピカソ、さらには、500年前の「印象派」ともいえるエル・グレコの受胎告知といった「日本にあるのが奇跡」と言わしめるほどの世界的なコレクションになったと。

 ちなみに、これは、ベンチャーキャピタルあるいは投資ビジネス全般に言える話で、「中の人」になることはとても重要。「中の人」でとれる情報、案件が全然違うと思う。自分はVCにいたことはないけど、彼らが口をそろえて人脈が大事というのは、この「中の人」にあると自分では思っています。かくして、大原美術館は、児島虎次郎という「中の人」の努力によってはじめて成立した奇跡といえるかもしれない。

 もう一つの発見は、印象派とキュビスムは連続性があるということ。自分の理解では、印象派はデータサイエンスでいうところの「主成分分析」、すなわち、現実に見えているものをそのまま絵にするのではなく、空の青、池の水といった重要なパラメータだけを抽出することで、より世界を色濃く表現する。そして、そのパラメータを抽出するというアプローチをさらにシェープしたのがキュビズムと自分は理解しました。

 ちなみに、この話はイヤホンガイドではじめて知りました。こういう情報があるのとないのとでは全然理解が違うなあとおもいました。そして、次はオルセーに行きたいなあとおもいました。先達はあらまほしけれですね。

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オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ

9月 3rd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ はコメントを受け付けていません)

 9月第1週は夏休みをいただいてニュージーランドを旅しました。ATAMAIワインの小山さんとの出会い、一日一組限定のThe Sounds Retreat のすばらしいおもてなし、など、すばらしい経験をすることができました。ありがとうございました。感謝です。

 NZ,最後の夜はDepotです。 Aucklandのど真ん中にあるレストランで、 AucklandでもいつもTop10に入るレストラン。味、サービス、まったくもって申し分ありません、惚れ惚れするすばらしいレストランです。

 最初に訪問した2年前にも思ったのですが、このレストラン、わりと自分の経営の理想形があるように思います。このレストランの収容人数はだいたい120名くらい(ま、いつも並んでいますが)。一方、スタッフは10名以下。あたりまえだけど、一人が焼き方専門、野菜専門、ウェイター専門とやっていたら、全然、回らない。だから、このレストランは、あるスタッフが、貝をさばきながらも、焼き方に人が足りないとあれば、焼き方を担当。一人で複数の役割を受け持つ。スタッフのキビキビした動作が心地よく、見ているだけでもこのレストランに行く価値があります。

 で、1年くらい前になりますが、アジャイル開発の本を書きました。簡単に言えば、アジャイル開発はシステム開発の方法論で、ひとりがプログラミング、設計、テストなど複数の役割を担うことで、アジャイル(迅速)にシステムを仕上げる。このレストラン、アジャイルそのものだと思います。

 そして、このアジャイルを成立させるためには、1.仕組み(メニューはできるだけシンプル、複雑なことはしない)、2.優秀なスタッフ、に尽きると思います。経営もこれと同じだなあと。 Aucklandにお立ち寄りの際は、ぜひ、立ち寄ってみてください。

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http://www.eatatdepot.co.nz/

世界ハイテクウオッチ ラックスペース

8月 27th, 2015 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 長橋のつぶやき - (世界ハイテクウオッチ ラックスペース はコメントを受け付けていません)

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連載中の米国ハイテク企業ウオッチにラックスペースの記事を寄稿させていただきました。

【連載】米国ハイテク企業ウォッチ
ラックスペースは、なぜアマゾンAWSやマイクロソフトAzureと「互角に」戦えているのか
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30098?ref=150827bit

コミュニケーション! コミュニケーション! コミュニケーション!

8月 25th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (コミュニケーション! コミュニケーション! コミュニケーション! はコメントを受け付けていません)

 門田隆将「太平洋戦争最後の証言 第1部 零戦・特攻編」を読んで、いろいろ思うところがありました。今年は戦後70年、70年も経つと、同時代を生きた方は減っているなか、当事者による証言はとても学ぶところがたくさんあるとともに、二度と繰り返してはいけないと思いました。

 そのなかで、印象に残ったのが零戦。零戦は、当時の日本海軍が世界に誇る戦闘機。その運動性能のよさ、20ミリ機関砲の威力は九六式艦戦などと比べると、飛躍的に改善し、その性能は当時の世界最先端だったという。

 その零戦の弱点。よく言われるのは、運動性能を追求したため、米国のグラマンF6Fヘルキャットといったパイロットを守るための強固な装甲と比べると、その防御力が弱いなど。まあ、たしかに、それもあるようだけど、「当事者」にとっての弱点は通信機能がほぼないことだという。

 「零戦は、電信機がほとんど使えなった、支那事変の時の 九六式艦上戦闘機の場合は、お互いの飛行機同士や、それから母艦、戦艦、巡洋艦あたりとも交信できました。でも、零戦になってから、一回も通信できなかったですね。これはうちばかりではなく、どこの文体でも、そうだったようです。」と。(p159)

 実際のところ、内地では通信機能は利用できたという話もあり、南方だとコンデンサ、真空管などの部品の劣化などがあるかもしれない。ただ、自分が思うに、そして、当たり前だけど、通信は大事だと思う。

 やはり、母艦とそして仲間と無線で通信できるからこそ、チームワークで取り組むことができる。たしかに、日本には撃墜王と呼ばれたエースがいたけど、やっぱり、一人の力では限界がある。だからこそ、仲間とコミュニケーションをとること、これは今の時代にも共通して重要なことだと思う。

 コミュニケーションとは信頼だ - ある人はこう言いました。たしかに、コミュニケーションを重ねることで、お互いに信頼し、成果を生む。もともと、自分はネットワークの研究をしていたけど、そのネットワーク・通信の原点を見た気がします。

マネジメントスタイル

8月 21st, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (マネジメントスタイル はコメントを受け付けていません)

最近、どの雑誌か新聞だった忘れたけど、印象に残る記事がありました。

 それは、中国の指導者 習近平と鄧小平の仕事のスタイル。習近平は、自分で全部やらないと気が済まないタイプなので、働く時間が長い、一日16時間働くという。一方、鄧小平は必要なことだけ自分で決めて、あとは、任せるマネジメントスタイル。任せた分、時間があるので、よく孫と遊んだという。

 これは中国の指導者に限らず、自分の見るところ経営者はだいたいこの2つに収斂されると思う。で、一般的に後者がよいとされているけど、意外と、トップが何から何まですべてをやるのも別に悪い話ではない。たとえば、清の乾隆帝をはじめとした歴代の清の皇帝はあらゆる書類を自分で処理したという。逆に言えば、処理できない場合、うまくいかないケースが多いかもしれない。

 で、自分が思うのは、どっちかなんだと思う。一番よくないのは中途半端に自分でやって、中途半端に任せる。これだと手間がかかるだけで、何もいいことがない。自分はどちらかといえば、任せるタイプだけど、以外と中途半端にやるケースが多く、これはいかんなとたまに思うわけです。というわけで、中国の指導者のマネジメントスタイルから学んだことでした。

ダイバーシティにおもう

8月 8th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (ダイバーシティにおもう はコメントを受け付けていません)

 電車の吊り広告でたまに見かけるこの広告。否定するつもりはまったくなく、ぜひ、頑張ってほしいと思うのですが、別の考え方もありかなと思ったので、メモ。

 「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」 高校までの義務教育の日本では、中学生で結婚・出産するのは、基本、ありえないことだと思う。でも、はたして、義務教育+大学でたからといって、「幸せ」になれるかといえば、その保証はない。

 ということをインスパイアしてくれたのは、シーナ・アイエンガー「選択の科学」。インドで生まれ育った彼女の両親は、親戚同士が結婚を決め、母親が23歳、父親が28歳、結婚式当日で初めて顔を合わせたという。日本も昔そうでしたね。で、著者によれば、同じ地域という共通の価値観をもつ取り決め婚の方が、選択肢が多い恋愛結婚よりも長く続くという。なので、13歳で結婚して、14歳で出産することは、あながち、不幸とは言えないと思う。

 で、自分が思うに、これはダイバーシティの話だと思う。大学卒業して働くのも一つの価値観だし、13歳で結婚して14歳で出産するのも一つの価値観、もしくは、教育という援助でサポートするのも価値観。そうした多様な価値観を是とする、これがダイバーシティだと思います。

 ひるがえって、会社でも同じことがいえると思う。昨今、会社でもダイバーシティとかダイバーシティマネジメントとかあるけど、意外と難しい。とくに、日本の企業の場合、「こうするのが王道」的なものがあって、それ以外を排除する(たとえば、銀行でいえば、減点主義のような)ケースがあって、こうしたカルチャーからはダイバーシティが育ちにくいと思う。ヒト、モノに対して寛容になる、これが重要なんだなと思ったのでした。

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