ドラッカー先生に学ぶ完全を求めること

6月 13th, 2022 | Posted by admin in 長橋のつぶやき

 さて、自分にとって本との出会いはかけがいのないもので、ブックオフで220円均一で購入した本がまさに僥倖でした。タイトルは、「往復書簡2 P.F.ドラッカー・中内功 創生の時」(ダイアモンド社、1995年)です。

 これは私淑するドラッカー先生とダイエーの創業者中内功氏との往復書簡です、なぜ、1ではなく2かというと、たまたまブックオフに2があったからです笑、ただ、この2の創生の時、ドラッカー先生の創生の時が綴られていて、目から鱗が落ちたので、シェアです。

 ドラッカー先生の最初の体験は、1930年あたり、彼が20歳前後のドイツのハンブルクでの大学生時代、当時、オペラ劇場は売れ残ったチケットがあれば大学生は無料で入場できたそうです(日本もやればいいですよね)。で、そのオペラ劇場での演目がヴェルディの「ファルスタッフ」、これはヴェルディが最晩年の1893年、80歳で書いた作品です、この80歳で書いた作品にドラッカー先生は「あの夜の衝撃は、一度たりとも忘れたことはない」と衝撃を受けます。

 なぜ、80歳でヴェルディが「ファルスタッフ」を実現できたのか?ドラッカー先生は調べた結果、ヴェルディのこの答えに辿り着きます「音楽家としての全人生において、私は常に完全を求めてきた、そしていつも失敗してきた。私にはもう一度、挑戦する責任があった」、ヴェルディは18歳から音楽家として80歳になるまで、いかに年をとろうとも、けっしてあきらめずに、目標とビジョンをもって自分の道を歩み続けよう、そして、失敗しても完全を求めようと。

 では、どうやって目標とビジョンをもって自分の道を歩み続けるか?ドラッカー先生の次の気づきは、ドイツでの新聞記者での振り返りの経験にあると。20歳前後で入社したドラッカー先生は年に2回、50歳前後の編集長と年2回面談があり、そこで編集長から「集中すべきことはなにか?」、「改善すべきことはなにか?」、「勉強しなければいけないことはなにか?」徹底的に対話したと言います、今でいえば、1オン1ですよね。

 で、この振り返りの経験は、ドラッカー先生にとって、ヴェルディの完全をもとめて努力をするという命題を遂行する上で、欠かせない経験で、彼は毎年1回、完全をもとめて努力しているかを振り返って、目標を立て、そして、「その新しい仕事で成果をあげるためには何をしなければいけないか?」を問い続けなければいけないと言います。

 そして、その問いの答えは、自分で出すだけではなく、上司の教えを参考にする、あるいは、メモして、書きとめて、それで見直して反省する、何をしなければいけないかと常に考えて、完全を求めよと説きます。

 まあ、我々のような凡人にはドラッカー先生のストイックに1年に一度新しい目標を設定して、それを達成するために何をしなければいけないか、そして、完全を求めることは難しいですよね汗 とはいうものの、どんな年に関係なく失敗を恐れず挑戦すること、そして、挑戦するにあたって、常に完全を求めること、そして、完全にするために、何をしなければいけないかと問い続けること、これは大事な視点ではありますよね。

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