グッドライフにみる人間関係の筋トレ

9月 3rd, 2023 | Posted by admin in 長橋のつぶやき

 さて、思いがけない本との邂逅は、長く続く自分の愉しみの一つですが、最近読んだなかで、印象に残ったのが「THE GOOD LIFE 幸せになるのに、遅すぎることはない」です。著者がかかわるハーバード成人発達研究では、1938年から健康な大学生を対象に人生全般にわたるデータを収集し続けているそうです。

 で、80年以上蓄積したデータからわかった結論、それは「健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要だ。以上。」そりゃそうだと言われれば、それまでですが、GOOD LIFEを実現するには、よい人間関係が必要というのは、納得感もあります。

 このよい人間関係とは何か? 人間関係は、筋力と同で、何もしなければ人間関係も衰えていくと指摘します。これもそうですよね。交流会で、名刺交換して、人間関係を築いたつもりになっても、何もしなければ、その関係も疎かになりますよね。これはよい人間関係とは言えません。むしろ、人間関係は、生き物のようなもので、よい人間関係を築くには常にエクササイズが必要(ソーシャル・フィットネス)と指摘します。

 よい人間関係を築くためにいろいろなエクササイズがあるようですが、自分の理解では、このエクササイズのポイントは、自動運転モードにならないことと理解しました。自動運転モードは、毎日のルーチン生活を繰り返すということでしょうか。会社員であれば、朝9時に出社して、夕方5時に帰宅、その後、テレビ・ネットを見て、寝て、また、次の日も同じルーチンの繰り返しといったところでしょうか。前に取り上げた「Die with Zero」でも、この自動運転モードの弊害を指摘し、今しかできないこと・経験を大事にすべしと言います。いずれにしても、こうした自動運転モードではよい人間関係は築きにくいと思います。

 この本でも触れられていますが、自動運転モードにならないためには、やはり、日常のあらゆるものごと・出来事に注意・関心を向ける、言い換えれば、好奇心を持つということではないでしょうか。たとえ、朝9時に出社して、毎日のルーチンワークをこなして、夕方5時に帰宅する生活といっても、業務のなかでいつもと違った工夫をする、帰り道いつもと違うルートで帰る、など、自動運転モードにならない工夫はあるように思いますし、そうした工夫を家族・友人・社員でシェア・共感することがよい人間関係への一歩ではないでしょうか。

 くわえて、人間関係のエクササイズを仕組化する試みもありますよね。たとえば、xx会のような定期的な催し、暑くなったら暑気払会、年末になったら忘年会と、まあ、飲みたいだけなのかもしれないですが笑、年に一度とかの定期的なタイミングで集まることは、年に一度の筋トレとは言わないですが、人間関係のエクササイズを仕組化するやり方のように思います。

 で、この人間関係のエクササイズ、この研究によると、歳は関係ないようです。どんな歳をとろうと、人間関係のエクササイズは始めることができます。そして、こうした人間関係のエクササイズを継続していた人の方が寿命は長いそうです。これもそうですよね、周りに誰も知り合いがいない孤独な状態だと、やはり、自動運転モードになってしまう傾向が強いのではないでしょうか。自分も振り返ってみると自動運転モードが多いような気もしていて、人間関係の筋トレに励みたいと思います!

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