企業というアーキテクチャ

3月 22nd, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営

大学のころからITに関わるようになって、もう15年近く経ちます。その経験から、IT≒システムにとって一番重要なのは何かといえば、アーキテクチャ(構造)だと思う。

結局、システムは人間が作るもので、システム自ら何を生みだすことはない。もしかしたら、30年後はコンピュータが進化しすぎて、コンピュータ自身が考えてプログラミングする、いわゆる2045年問題、が現実になるかもしれないけど、少なくとも、これから10年くらいは、人間がシステムを作る状況は変わらないだろう。人間がつくるからには、何かしらの設計思想が必要であり、それがアーキテクチャともいえる。

たとえば、SNSでは、友達間で情報を共有したいという思いがあったとして、その友達と友達をつなぐアーキテクチャを考えて、それをシステムに落とし込む。逆に言えば、アーキテクチャのないシステムは、何も用をなさない。自分が大学生のころ、いろいろプログラミングをして作ったけど、作りっぱなしで、ほとんど使っていないのは、結局、アーキテクチャがないシステムだったと思う。

それで、最近思うのは、企業もこの”アーキテクチャ”という概念がとてもあてはまる。そして、その企業のアーキテクチャは、組織とビジネスモデルにある程度集約できると最近思う。

組織:個人事業と企業が違うのは企業は組織であること。そして、その組織は、誰が株式を所有して、今度誰に所有してもらうのか(資本政策、最初はあまり関係ないけど、会社が大きくなると避けて通れない問題)、どのように意思決定するか(取締役会、これもスタートアップは、オーナー=株主=取締役だけど、これも大きくなると構成が変わらざるを得ない)、そして、従業員、から構成される。

ビジネスモデル:組織はできても、それを適正価格で販売して、そこからキャッシュを得る仕組み、すなわち、ビジネスモデル、がないと企業として立ち行かない(永遠におカネが入ってこなくて、出ていくだけだったら、資本金を食いつぶして、倒産してしまう)。

そして、最近思うのは、良い企業のアーキテクチャとは、シンプル、わかりやすいこと。組織もシンプルで、ビジネスモデルもシンプル。エレベーターが下りているほんのわずかな間に上司にプレゼンをする”エレベータートーク”がプレゼンの基本というように、一言で説明できること。システムも同じで、一言で説明できないシステムはたいてい使われない、それは何ができるかわからないから。シンプルが一番、これがシステム、企業いずれにも共通する良いアーキテクチャなんだと思う。

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