加賀屋でおもてなしを考える

12月 24th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (加賀屋でおもてなしを考える はコメントを受け付けていません)

昨日、今日と和倉温泉の加賀屋にいく機会があり、いろいろと気づきがありました。

 いままで世界中でいろいろなホテル・旅館に滞在する機会がありましたが、加賀屋はおもてなしという点では、自分の中ではダントツでベストです。すばらしい旅館です。やはり、従業員一人一人が「どうしたらお客さまにとって過ごしやすい滞在ができるか」ということを徹底的に考えていて、すべてがその目線でサービスされています。たとえば、浴衣だと寝にくいだろうという配慮から夜にはパジャマを提供したり、男性には男性向けの食器、女性には女性の食器、アメニティ、タオル、何から何まで、ここまでやるかというところまで徹底しています。なので、1回だけではなく2回、3回とリピーターになる理由がとてもよくわかりました。

 やはり、このモデルはおカネがかかる。お客様に常に快適に過ごしてもらうには、仲居さんが一人で沢山お客様を相手にしていては対応できないので、結果的に従業員を増やし、かつ、研修のコストも結構かかると思う。くわえて、設備についても、常に新しく入れ替えたり、料理を変えたりしないと、ライバルに追いつかれてしまうので、やはり、常に投資をしないと競争優位を保てないモデルだと思う。そういう意味で、競合を圧倒的な投資・M&Aで出し抜くアマゾン、もしくは競馬で稼いだ賞金をすべて投資につぎ込むノーザンファームのビジネスモデルに近いかもしれない。

 この稼いだ金を全部つぎ込む全力投球型ビジネスモデルの場合、自分の経験では、やはり、どんどん投資して強くなるプレイヤーと投資の余力がなくなりジリ貧に陥るプレイヤーの二極化になりやすい。加賀屋も前者のプレイヤーで、今後もどんどん投資して強くなると思います。

 というわけで、旅館・ホテルにとどまることなく加賀屋から学ぶべき点はたくさんあります。もちろん、加賀屋のように大規模な投資は、よほどの規模でないかぎり体力的にもキツイと思う。でも、「どうしたらお客様にとって過ごしやすい滞在ができるか?」というのは知恵を絞れば実現できる気もする。たとえば、そのアプローチがデータの活用。お客様にかかわるデータを徹底的に集めて、どんな新聞を読むのか、どんな食べ物が好きなのか、枕の好みなど大規模な投資をしなくてもお客様のことを理解できる手段はいろいろあると思う。百聞は一見に如かず、加賀屋での心地よい滞在からいろいろ得るものがありました。

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データサイエンス基礎講座 2017<機械学習のための数学基礎編>

12月 20th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (データサイエンス基礎講座 2017<機械学習のための数学基礎編> はコメントを受け付けていません)

 2年ほど前からインプレスさんと一緒にデータサイエンス基礎講座をやらせていただいており、来年2月分についても募集がスタートしました。

 今回は機械学習のための数学基礎編ということで、わりと、数学(統計学)をメインに扱います。いま、ディープラーニングとか機械が人間を越えるような答えを出す時代になりました。ただ、すべてを機械任せておけばよいとわけでもないと思っています。

 やっぱり、何が正しいかを自分で考えて、仮説を立てて、データで検証する。その道具として統計はアリかと思っています。たとえば、確率分布でいえば、正規分布は割とポピュラーですが、カイ二乗分布、あるいはt分布、いわゆる”スモールデータ”を分析する手法ですが、母集団をよりよく知る大事なツールだと思います。

 今回はこの手の確率分布の話からディープラーニングの数理までR演習を含めて取り扱います。大学のセメスターの授業を4回で扱うので、シンドイところもありますが、受講者の躓くポイントを2年かけて潰してきました。最後は巣籠さんの講演もあります。興味があればぜひ。

https://www.impressbm.co.jp/event/datascientist201702/

図解入門ビジネス 最新 FinTechの基本と仕組みがよーくわかる本 Kindle版

12月 11th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (図解入門ビジネス 最新 FinTechの基本と仕組みがよーくわかる本 Kindle版 はコメントを受け付けていません)

図解入門ビジネス 最新 FinTechの基本と仕組みがよーくわかる本ですが、 Kindle版も発売になりました。よろしくお願いいたします。

図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本

11月 26th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本 はコメントを受け付けていません)

おそらく2年ぶりくらいになりますが、本が出ます。「図解入門ビジネス 最新FinTechの基本と仕組みがよ~くわかる本」。このシリーズは二度目で、紙の本はいつのまにか6冊目です。

 たまに、「書くの楽じゃないの?」、と聞かれることがあるのですが、全くそんなことはないです。今回もいろいろな方の話を伺い、自分が腹落ちするまで調べて、何度も何度も書き直す(かのピーター・ドラッカーは自著を三度書き直すそうですが、さすがにそこまでは。。)。このプロセスはマラソンのようにキツいプロセスで、かつ最近はアプリックスCFOとの二毛作で平日はあまり時間をとれず、休みを主に使いましたが、納得がいくものができました。

 アリペイ、テンペイなどのフィンテック先進国の中国、出稼ぎ労働者の送金から生まれたケニアのM-PESA、インドで起こりつつあるペイティーエムのようなモバイル決済、ロボアドバイザー、ブロックチェーン。日米だけではなく、世界各地で革命が起きていて、時間ができたらこうした世界を回るスタディーツアーをできればなあと思いました。というか、だれかやりましょう。

 最後に今回もこうした機会をいただけました編集の山内さんありがとうございました。来週くらいから本屋さんに並ぶようで、電子書籍も近いうちにでるようです。ぜひ、よろしくお願いいたします!

となりへー地に足をつけること

11月 18th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (となりへー地に足をつけること はコメントを受け付けていません)

 先日、丸の内の地下を歩いていて、たまたま、靴修理のミスターミントの前を通りました。ミスターミントは、いつものように靴修理とスペアキーの他に新しくスマホ修理というのがあって、なるほど、と思いました。

最近だとiPhoneのガラスが壊れたというのは自分も経験あるけどスマホのガラスが割れることはよくおきます。そして、わざわざアップルストアにいくよりも、近くのミスターミントで直してもらった方が、やっぱり便利です。ミスターミントにとって、スマホ修理のスキルは、たぶん、スペアキー作成、靴修理と似たようなスキルだと思う。

 新規事業というと、何やら大したものかもしれない。これまで、自分がいろいろ見ていて、失敗する新規事業は”飛び石”、つまり、全く知見のない分野に参入すること、たとえば、IT受託開発会社がリゾート開発に新規参入といっても、受託開発(お客様の仕様にあわせてソフトを開発する)のスキルとリゾート開発(自分で仕掛けてトレンドをつくる)のスキルは全然違うので、うまくいかないことがおおい。ひるがえって、ミスターミントのスマホ修理、おそらく、ミスターミントにとって新規事業かもしれないけど、知見のある分野かつ初期費用もそれほどかからないので、”となり”の分野への参入といえるかもしれない。そして、”となり”へいくことはとても理にかなっていると思うのです。”となり”から”となり”へどんどん行けば、それにしたがって、ビジネスも大きくなると。

 ミスターミントは上場していないので、どういう状況かわからないけど、こうした地に足をつけるという点で良い会社だと思う。そして、自分も地に足をつけて行きたいと思いました。

Pythonを使って学ぶ機械学習~PC実習つきセミナー

11月 4th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (Pythonを使って学ぶ機械学習~PC実習つきセミナー はコメントを受け付けていません)

何度かセミナーを開催させていただいております情報機構さんで、来年1月にPythonの機械学習セミナーを開催します。


Pythonを使って学ぶ機械学習~PC実習つきセミナー~

要領が良い人と悪い人

10月 21st, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (要領が良い人と悪い人 はコメントを受け付けていません)

先日、ある方と”要領のよい人”について話して、いろいろ得ることがありました。

 ま、要領が良いか、悪いかといえば、当たり前だけど良い方が良いことは間違いない。つまり、どんなことにあたっても、卒なくこなす、これが一般的な要領の良い人だと思う。

 で、自分はここ2年間くらい、エンジニア向けにデータサイエンスの授業をやっていますが、その中で必ず登場するのが、正規分布。ま、正規分布をザックリいうと、世の中の事象はだいたい平均に収斂するという考え方。こうしたザックリした考え方なので、ランダムウォークっぽい事象をモデル化したり、わりと便利な考え方です。

 そして、この要領が良い人は、おそらく、正規分布っぽい考え方をしているような気がします。世の中、何が起こるかわからない、でも、2σ(±5%くらいで起こる確率)、3σ(±0.03%くらいで起きる確率)は滅多に起きないので、それを排除して、一番、起こりやすいことに選択と集中する、だから、省エネできると。

 でも、思うのは、世の中、要領が良い人ばっかりだと、結局のところ、平均に起きることばかりを考えてしまうと言えるかもしれない。むしろ、絶対起きないと思われる2σ、3σを考える”要領が悪い人”も必要かもしれない。というわけで、結論、やっぱり、要領がいい人だけではなく、要領が悪い人、両方、必要かもしれない。

 最後に告知。ここ2年間、データサイエンスの授業をやってきましたが、参加者を中心にデータサイエンス友の会という集まりを10月26日開催します。誰でも参加可能で、まだ、参加OKのようです。ご興味があればぜひ!

https://www.impressbm.co.jp/event/datascientist201610/society.html

村上春樹と海外ビジネス

10月 6th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (村上春樹と海外ビジネス はコメントを受け付けていません)

 やれやれ、というかんじで、この時期になるといつも村上春樹のノーベル文学賞が話題になります。で、なぜ、彼がいつも候補になるのか、ハルキストの一人として以前から不思議に思っていました。
 
 その不思議が比較的解消されたのが、去年、彼が出版した自叙伝的エッセイ「職業としての小説家」。そのなかの、「第11回 海外に出て行く。新しいフロンティア」を読んでなるほどと思いました。

 「アメリカで作家として成功しようと思ったら、アメリカのエージェントと契約し、アメリカの大手出版社から本をださないことには、まずむずかしいよ」(p273)とアメリカ人に忠告され、彼は忠実に守って、アメリカの文芸界の超トップクラスのエージェントと契約したと。

 そして、日本人の作家ではなく、アメリカ人と同じ土俵に立ってやっていこうと、自分で翻訳者を見つけて個人的に翻訳してもらい、その翻訳を自分でチェックし、その英訳された原稿をエージェントに持ち込み出版社に売ってもらうという努力を続け、アメリカ人と同じスタンスで扱ってもらうようにしたと。

 そうしてアメリカのマーケットを開拓したことが、ヨーロッパ、ロシア、東欧、今では世界50カ国で読まれるようになったと。まあ、アメリカマーケットの開拓とノーベル賞候補は直接因果関係はないものの、アメリカの土俵というフロンティアを開拓した彼にやはり敬意を表したいと思う。

 これはわりとビジネスでも似たような話で、一般的には国内なんだろうけど、たまに、最初から海外を見てビジネスを展開するスケールの大きい人がいる。たとえば、50年以上前、誰もアメリカに日本製品が通じると思わないなかで、アメリカに移住したソニーの盛田昭夫氏は最たる例だと思う。そして、そのリスクをとったからこそ、大きなリターンを得られるのではないかと。

 というわけで、今年のノーベル文学賞、日本人として新しいフロンティアを切り開いた彼に期待です。
 

感謝

9月 26th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (感謝 はコメントを受け付けていません)

さて、感謝というものは、なかなか難しいもので、普段自分が思っても、口に出せないことがあるものです。

 でも、仕事・家庭、どんな場合でも感謝は必要だと思うのです。やはり、いま自分があるのも、まわりのおかげと。
 閑話休題。もう自分がドリカムファンになってから、長い時間がたちますが、いつも、マサブログを愛読しています。そして、今日のエントリー「吉田美和の大阪の恋人」、素直にいいなあと思いました。

 ドリカムが結成されてもう30年。30年たっても、吉田美和に感謝するマサくん、そんな彼に自分は感謝というかリスペクトしています。そして、自分も30年たっても変わらず感謝できる人になりたいと思いました。マサくんに感謝です。

吉田美和の大阪の恋人。

USA Trip

9月 5th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (USA Trip はコメントを受け付けていません)

1週間お休みをいただいて、8月終わりから9月はじめにかけて米国アリゾナに旅してまいりました。

 学生時代から何度もUSにいく機会がありましたが、1週間、しかも、車で旅をするのは初めての経験で、いろいろと得るものがありました。

 まず一つは、”西の発見”、今回訪ねたのは、フェニックスからグランドキャニオン、モニュメントバレーなど、アリゾナ山岳部地域で、いたるところ山と砂漠だらけで、その光景が永遠と続く気がしました。19世紀の初め、まだ車もない駅馬車の時代に生きた人も同じ思いだったんだと思います。でも、その西部を開拓して、カリフォルニアに至る、このフロンティア精神は、今でもUSに受け継がれているDNAかもしれないと。もうちょい、西部開拓時代を勉強してみたくなりました。

 もう一つは、これまでUS、もしくは、日本以外はほとんど、基本は飛行機で移動しているので、”点と点”になりがちです。でも、1週間、車で移動して、”面”も大事だなと思いました。私淑する冒険投資家ジム・ロジャーズは、世界を自分の目で見ることの重要性を指摘します。そして、自身がバイクと車で世界を旅しながらも、そのインプリケーションが彼の投資スタイルになっていると。残念ながら、自分には彼ほどのおカネも時間もないけど、”面”を知ることは大事だなあと思いました。たとえば、アリゾナ山岳地帯のナバホ保留地とサンフランシスコ、同じUSとは思えないくらい違います。でも、こうした違いは”面”を経験できたからだと思います。

グランドキャニオン
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モニュメントバレー
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